Multi-PLD ASL を用いた軽度認知障害の診断能向上に関する研究
目的
MRIを用いた非侵襲的な脳血流測定法であるASL法の一つであるMulti-PLD法が、従来のSingle-PLD法に比べて軽度認知障害に対する診断能を向上させる事を実証する事
参加条件
性別
男性・女性
年齢
50歳 以上85歳 以下
選択基準
【両群共通】
① 同意取得時あるいはMRI検査時において年齢が50歳以上85歳以下
② 同意取得時から1ヶ月以内にMRI検査を行うことが可能
③ 本研究への参加にあたり十分な説明を受けた後、十分な理解の上、研究対象者本人の自由意思による同意が得られている
④ 視聴覚機能が認知機能検査が可能な程度に保たれている
⑤ 全般的に健康で研究に支障をきたす疾患がない
⑥ 妊娠、授乳中でなく、妊娠している可能性がない
⑦ MMSE-J 24~30点
⑧ GDS-15-J 6点未満
⑨ 改変ハチンスキー虚血スコア 4点以下
⑩ 研究に影響を与えると思われる薬剤を服用していない
【MCI群のみ】
① 自分自身か他者からの指摘により記憶の問題を自覚している
② 全般的に認知、生活機能が保たれており、認知症ではない
③ MoCA-J 25点以下
④ WMS-R論理的記憶IIの得点が教育年数によるカットオフ値以下(教育年数16年以上: 11点以下、10~15年:9点以下、0~9年:6点以下)
【対照群のみ】
① 本人から年齢相応以上の記憶障害の訴えが無い
② 認知機能やADLの重大な障害がなく、認知が正常
③ MoCA-J 26点以上
④ WMS-R論理的記憶IIの得点が教育年数によるカットオフ値以上(教育年数16年以上: 9点以上、10~15年:5点以上、0~9年:3点以上)
除外基準
① 中枢神経系の器質的疾患や精神神経疾患の既往がある
② ペースメーカーや深部刺激装置などの体内金属がある場合などMRI検査の禁忌事項がある
③ 閉所恐怖症
④ スクリーニング時のMRIで感染、梗塞、その他局所性病変や構造異常が見つかった場合(多発性ラクナ梗塞や記憶に重要な部位の梗塞がある場合も除外)
⑤ DSM-IVによる統合失調症、過去1年以内の大うつ病または双極性障害、過去2年以内のアルコールまたは物質乱用・依存の既往
⑥ 研究プロトコルに従う事を困難にする過去3か月以内の精神病性の特徴、焦燥または行動障害
⑦ 研究プロトコルに従う事を困難にする重大な全身疾患または不安定な医学的状態
⑧ 研究に影響を与える可能性のある臨床的意義のあるビタミンB12、甲状腺機能検査値の異常
⑨ 年2回以上の認知機能検査を伴う臨床研究に参加している
⑩ その他、研究者が研究対象者として不適当と判断した場合
治験内容
観察研究
主要結果評価方法
Multi-PLD ASL法とSingle-PLD ASL法を用いた局所CBF値によるMCIの診断能の比較
第二結果評価方法
① Multi-PLD ASL法とVBM法によるMCI診断能の比較
② Multi-PLD ASL法とSingle-PLD ASL法の全脳、局所でのCBF値の比較
③ Multi-PLD ASL法によるCBF値と認知機能検査結果との相関解析