JCOG2011: High volume転移前立腺癌に対する局所放射線治療の第III相試験
目的
一次治療であるアンドロゲン除去療法(androgen deprivation therapy:ADT)+アンドロゲン受容体経路標的薬(androgen receptor axis targeted agent:ARAT)に感受性のある、転移腫瘍量の多い前立腺癌患者に対して、局所放射線治療を併用することの有用性を検証する。
参加条件
男性
選択基準
<一次登録>1) 前立腺針生検にて組織学的に腺房腺癌と診断されている2) 一次登録前の画像検査にて、以下の①②のいずれかを満たす。① 骨シンチグラフィにて骨転移が認められ、かつ、以下のi)ii)のすべてを満たす。i) 骨転移の個数が4個以上である。ii) 骨盤と椎体以外に1個以上の骨転移病変がある。② 造影CTにて、内臓転移(骨、リンパ節、皮膚以外への転移)を認める。3) 登録日の年齢が18歳以上の男性である。4) Performance status(PS)はECOGの規準で0から2である。5) ADTが行われていない、またはADT開始日をday 0としてday 84(12週)以内である。一次登録前にADTが開始されていた場合は、以下の①②のいずれかを満たす。① 薬剤でのADTが行われた場合、次のi)ii)のすべてを満たす。i) ゴセレリン、リュープロレリン、デガレリクスのいずれかの薬剤の投与がされており、一次登録時に中止されていない。ii) ADTの初回投与日をday 0として、day 84(12週)以内である。② ADTとして両側精巣摘除術が行われた場合、手術日をday0として、day84(12週)以内である。6) ARAT(アンドロゲン受容体経路標的薬治療)(アビラテロン+プレドニゾロン、エンザルタミド、アパルタミド)が行われていない。7) 測定可能病変の有無は問わない。8) 前立腺癌に対してドセタキセルの投与歴がない。9) 過去に前立腺癌に対する前立腺局所の外科的治療、放射線治療いずれの既往もない。ただし、骨盤領域の骨転移または精巣腫瘍への照射歴がある場合、放射線科医/放射線治療医へのコンサルテーションを行い、本試験で規定される放射線治療を加えた合算線量がリスク臓器に対する線量制約を超過しないと判断される場合は許容する。10) 主要臓器機能が保たれている。11) 試験参加について患者本人から文書で同意が得られている。<二次登録>1) 一次登録後、規定された内分泌療法が行われ、二次登録日までにプロトコール治療中止となっていない。2) 一次登録後のARATの累積投与日数(投与日数の合計)が84日以上である。3) 一次登録後の内分泌療法の治療効果に関して以下の①②のすべてを満たす。① 一次登録後に有効性評価が行われ、いずれの判定でも明らかな原病の増悪を認めない。② 「骨病変増悪疑い」、「PSA増悪疑い」のいずれでもない。4) 一次登録日をday 0としてday 168(24週)~day 196(28週)である。5) 二次登録日が第2回画像有効性評価の判定日をday 0としてday 28(4週)以内である。 6) Performance status(PS)はECOGの規準で0から2である(PSは必ず診療録に記載すること)。7) 主要臓器機能が保たれている。
除外基準
1) 活動性の重複がん(同時性重複がんおよび無病期間が5年以内の異時性重複がん)を有する。2) 全身的治療を要する感染症を有する。3) 登録時に38.0℃以上の発熱を有する。4) コントロール不良の高血圧症を有する。5) パートナーの妊娠を希望する男性。6) 日常生活に支障をきたす精神疾患または精神症状を合併しており試験への参加が困難と判断される。7) ステロイド薬またはその他の免疫抑制薬の継続的な全身投与を受けている。8) HIV抗体陽性である。
治験内容
介入研究
無failure生存期間
全生存期間、無増悪生存期間、無化学療法生存期間、有害事象発生割合、重篤な有害事象発生割合、Grade 2以上の症候性局所関連合併症発生割合
利用する医薬品等
ゴセレリン酢酸塩、リュープロレリン酢酸塩、デガレリクス酢酸塩、アビラテロン酢酸エステル、プレドニゾロン、エンザルタミド、アパルタミド
販売名
ゾラデックス3.6mgデポ 等、リュープリン注射用キット3.75mg 等、ゴナックス皮下注用80mg 等、ザイティガ錠250mg、プレドニゾロン錠「タケダ」5mg 等、イクスタンジ錠40㎎ 等、アーリーダ錠60mg
組織情報
宮崎大学医学部附属病院
宮崎県宮崎市清武町木原5200
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