この治験は、症候性WONの患者に対して、2つの治療戦略を比較し、EUS下ドレナージ後早期内視鏡的ネクロセクトミーを行う治療戦略の有用性を検討することを目的としています。また、副次的に有害事象の発生状況を確認し、安全性を検討します。
この治験に参加するための条件は、18歳以上で男性でも女性でもOKです。参加するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。 ①造影CTで、改訂アトランタ分類によるWONと診断された人。 ②WON病変の長径が4cm以上ある人。 ③同意取得時に感染兆候、腹痛、腹部膨満感、消化管閉塞の消化器症状、増大傾向による腹部症状、閉塞性黄疸のいずれかの症状がある人。 ④ドレナージが必要と判断された人。 ⑤同意取得時に年齢が18歳以上で性別は問わない人。 ⑥本研究に参加することについて十分な説明を受け、理解した上で自由意思による文書同意が得られた人。 ⑦本研究に参加する研究機関に通院または入院中の人。 ただし、以下の条件に該当する人は参加できません。 ①消化管とWONが接しておらずEUS下でのアプローチが困難な人。 ②WONに対しAXIOSが既に留置された人。 ③出血傾向(血小板<5万/mm3 または PT-INR>1.5)の人。 ④EUS下ドレナージまでに抗血栓薬服用者のうち「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡ガイドライン」に従った休薬や薬剤変更が不可能な人。 ⑤内視鏡治療が安全に施行できないと判断される人。 ⑥妊娠中の人。 ⑦担当医が本研究に不適と判断した人。
この治験は、急性膵炎後に起こる病気を対象としています。治療に参加する人たちは、新しい治療法を試してもらいます。治療の成功を測るために、患者さんの病気が改善されるまでの日数を調べます。改善の基準は、CTやMRIの画像で病変が小さくなることや、炎症が改善することです。治療がうまくいかない場合は、治療の失敗とみなされます。また、治療中に偶発症や死亡などの副作用が起こるかどうかも調べます。さらに、治療にかかる費用や、治療後に再発するかどうかも調べます。治験に参加することで、新しい治療法の効果や安全性を調べることができます。
介入研究
割付から臨床的成功達成までの日数
なお、本研究における臨床的成功とは、以下の①及び②の両方が達成された場合とする。
① 割付から6カ月以内のCT、MRIで、WON長径の3cm以下までの縮小が認められた場合。なお、形状的に長径での判断が困難な場合は短径での判断でも可とする。また、WONが複数存在する場合は、最大病変で評価する。
② 炎症の改善が認められた場合
炎症の改善とは、体温、白血球数およびCRPの3つのパラメータのうち、2つ以上が治療前より改善された状態とする。
割付から6ヶ月が経過しても臨床的成功が達成されない場合は、臨床的不成功とする。
・研究治療開始から後観察終了までにおける偶発症発生割合
・研究治療開始から後観察終了までにおける死亡率
・初回EUS下ドレナージ手技的成功達成率
・研究治療開始から後観察終了までにおける胆管狭窄、消化管狭窄の発現割合
・WON治療および関連した治療の総Intervention回数、総Intervention時間
・内視鏡的・経皮的ドレナージステント留置期間
・WON治療に関連した外科的手術成功率、総外科的手術時間
・WON治療の総入院日数、WON治療の総ICU滞在総日数
・研究治療中およびWON治療全期間の抗生剤投与日数
・WON治療のintervention関連費用及び入院費用
・研究治療開始から後観察終了までにおけるWON再発率
・研究治療開始から後観察終了までにおけるWON再発までの日数
・研究治療開始から後観察終了までにおける再発WONへの治療期間
・研究治療開始から後観察終了までにおける新規仮性嚢胞出現割合
・研究治療開始から後観察終了までにおける新規仮性嚢胞の治療期間
・研究治療開始から後観察終了までにおける新規糖尿病発症、膵外分泌機能低下を示唆する症状、膵癌等の発症頻度
・研究治療開始から後観察終了までにおける膵酵素補助薬内服開始有無、膵酵素補助薬内服開始した場合の開始日
・研究治療開始から後観察終了までにおけるサルコペニア発症有無、サルコペニア発症の場合の発症日、膵形態の変化
情報なし:
利用する薬品情報はありません
東京大学
東京都文京区本郷7-3-1
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