認知症患者の介護者間のコミュニケーション促進ツールが、介護負担感及び患者の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia: BPSD)に与える影響の検討
目的
認知症患者の介護環境の改善・効率化を実現し、認知症患者の健康寿命を延ばすために有効な新しいICTシステムを設計開発することが最終目的である。本研究では、その初期段階の試みとして、認知症カフェのような、認知症患者の医療・介護に携わる職種や家庭内介護者が自由に相談、会話し、認知症介護の負担感や情報を共有・共感できる仮想の社交場をアプリ内につくり提供する。それにより、介護者間の交流を促すことで、認知症の家族、介護者の介護負担感の軽減を図れるのかを検証し、またこの様な介護の質向上によるBPSDへの影響も検証する。さらに、医療従事者・介護提供者・家族間の情報連携(多職種間連携)を促進する機能もアプリに持たせることで、情報連携を通じた業務の効率化・質的向上の有無を検証する。
参加条件
性別
男性・女性
年齢
20歳 以上上限なし
選択基準
1.名古屋大学医学部附属病院に通院中の認知症患者とその主たる家族内介護者。認知症の診断はDSM−Ⅴに準拠し認知症の病型は問わない。
2.その認知症患者に関係するヘルパー、ケアマネ等の介護サービス提供者。
上記対象のうち研究内容およびアプリの操作方法を理解し、文書による同意が得られる方。
除外基準
1.研究内容およびアプリの操作方法が理解できない方(患者のほとんどはアプリの内容を理解できないので、アプリの利用主体は介護者になる)。
2.スマートフォンなどアプリケーションを利用できる機器を有していない場合。
治験内容
介入研究
主要結果評価方法
Zaritスコア(アプリ導入前後比較を行い、介護負担感が改善しているか検証する)
第二結果評価方法
副次アウトカム:
1, 阿部式BPSDスコアのアプリ導入前後比較 を行い、BPSDが改善しているか検証する。
2,認知症重症度別のZaritスコアのアプリ導入前後変化、および阿部式BPSDスコアのアプリ導入前後比較 を行い、認知症重症度が介護負担感、BPSDの改善に影響しているのか検証する。
3,アプリ導入前のZaritと阿部式BPSD項目の相関。
4,Zaritスコアーが改善した場合のその相関していた阿部式BPSDの項目のアプリ前後比較を行い、介護の質向上によるBPSDへの影響を検証する。