尿蛋白が陰性、糖尿病を合併していない腎不全患者を対象としたダパグリフロジンの有効性と安全性についての臨床試験
目的
慢性腎臓病(Chronic kidney disease:CKD)は心血管疾患の増加や生活の質の低下、平均余命の低下などを引き起こす。その治療は緊急の課題である。これまでCKDに対する腎保護効果のエビデンスを報告された薬剤はレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬に限られていた。近年EMPA-REG OUTCOME、CANVAS program等において糖尿病を有するCKD患者への腎保護効果が、次いでDAPA-CKD trialにおいてダパグリフロジンの非糖尿病患者における腎保護効果が報告され、その結果を受け2021年9月よりCKDへの保険適応が認可された。DAPA-CKD trialは顕性蛋白尿陽性患者が対象であったが、顕性蛋白尿陰性の患者における腎保護効果は証明されていない。我々は、顕性蛋白尿陰性の非糖尿病CKD患者に対するダパグリフロジンの有効性を検討するため本試験を立案した。
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同じ対象疾患の治験
(29件)- ・ポリアクリル酸-ポリビニルピロリドン複合化材の血液透析治療後の止血の効果を検討するランダム化クロスオーバーオープンラベル比較試験
- ・慢性腎臓病患者の腎不全への進行抑制を目的とする無血清培地で培養した自家脂肪由来間葉系幹細胞の移入療法
- ・進行した慢性腎臓病患者を対象としたダントロレンの薬物動態試験(単回投与)
- ・慢性腎臓病患者に対する酒粕を用いた食事療法による血中の尿毒症物質の変化を確認する非盲検パイロットランダム化比較試験
- ・2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者を対象にフィネレノンとエンパグリフロジンとの併用投与の有効性及び安全性をフィネレノン又はエンパグリフロジンの単剤投与と比較検討する並行群間投与、第II相、二重盲検、3群試験
参加条件
性別
男性・女性
年齢
20歳 以上84歳 以下
選択基準
・満年齢が20歳以上、85歳未満・eGFRが3か月を超えて2回以上の検査において30以上、60未満・随時尿蛋白定量/尿中クレアチニン比が0.50g/gCr未満、もしくは尿定性で±以下・本人(または代諾者)から、研究参加に対し文書による同意が得られた患者
除外基準
・年間のeGFR 低下が1mL/min/1.73㎡以内、もしくは研究協力者の判断により、過去数年にわたり腎機能の低下を認めず、今後も悪化の可能性が低いと判断した方・糖尿病と診断されている・BMI 20未満・エントリーの8週以内にSGLT2阻害薬の処方がある、もしくは以前SGLT2阻害薬処方歴があり副作用等で継続困難であった方・6か月以内に免疫抑制療法を受けている・腎移植の既往がある・NYHA Ⅳの心不全・エントリー12週以内に心筋梗塞、不安定狭心症、脳梗塞、TIAを発症した方・エントリー12週以内にPCI、CABGを受けているか、今後予定されている方・悪性腫瘍などで、生命予後が2年以内と予期されている方・積極的な治療が必要な担癌患者・ASTもしくはALTが正常上限の3倍以上 もしくは総ビリルビンが正常上限の2倍以上・出産の可能性がある女性、授乳中の女性・他の臨床研究に参加している方・研究責任者及び研究分担者が研究対象者として不適当と判断した方・原則として久留米大学医学部の職員及び久留米大学の学生は除外する
治験内容
介入研究
主要結果評価方法
治療開始1か月後~12か月後のeGFR slope
第二結果評価方法
1) 末期腎不全への進展(eGFR<15ml/min/1.73㎡への低下、腎移植もしくは透析導入)、eGFRの50%以上の低下、腎死、全死亡のうち最も早く発生したイベントに関するイベントフリー生存時間イベントとならなかった生存例は、非イベントと確認された最終日(最終非イベント生存確認日)をもって打ち切りとする。2) 治療開始12カ月時の尿蛋白出現割合3) 治療開始前後の血圧の経時的変化
利用する医薬品等
一般名称
ダパグリフロジン
販売名
フォシーガ錠
組織情報
同じ対象疾患の治験
(29件)- ・ポリアクリル酸-ポリビニルピロリドン複合化材の血液透析治療後の止血の効果を検討するランダム化クロスオーバーオープンラベル比較試験
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- ・慢性腎臓病患者に対する酒粕を用いた食事療法による血中の尿毒症物質の変化を確認する非盲検パイロットランダム化比較試験
- ・2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者を対象にフィネレノンとエンパグリフロジンとの併用投与の有効性及び安全性をフィネレノン又はエンパグリフロジンの単剤投与と比較検討する並行群間投与、第II相、二重盲検、3群試験