HER2陽性の胃腺癌又は胃食道接合部腺癌患者を対象としたTrastuzumab Deruxtecan術前化学療法の第II相臨床試験

目的

局所進行のHER2陽性胃腺癌又は胃食道接合部(gastro-esophageal junction: GEJ)腺癌患者を対象として、術前化学療法としてのT-DXd単剤療法の有効性及び安全性を評価する。 以下の2つの対象集団に対して解析を行う。 ・原発巣又は転移巣においてHER2過剰発現(IHC3+、又はIHC2+かつISH 陽性[FISH法又はDISH法])が認められている胃腺癌若しくは胃接合部GEJ腺癌患者(主解析パート) ・原発巣又は転移巣においてHER2低発現(IHC1+、又はIHC2+かつISH 陰性[FISH法又はDISH法])かつHER2-ECD>11.6 ng/mLが認められている胃腺癌若しくはGEJ腺胃接合部癌患者(探索パート)

基本情報

募集ステータス
募集中

対象疾患

HER2陽性の胃癌または胃食道接合部癌


治験フェーズ

フェーズ2

参加条件

性別

男性・女性


年齢

20歳 以上上限なし


選択基準

1. 組織学的に、胃腺癌もしくは食道胃接合部腺癌であることが確認されている。

2. 原発巣又は転移巣においてHER2過剰発現(IHC3+、又はIHC2+かつISH 陽性[FISH法又はDISH法])が認められている。(探索パートにおいてはHER2低発現:IHC1+、又はIHC2+かつISH 陰性[FISH法又はDISH法]かつHER2-ECD>11.6 ng/mL が認められている。)

3. 全身療法が未治療(局所の放射線・外科治療は可)かつUICC TNM分類(第8版)にてcT2-4 and/or cN+M0である。

4. 同意取得日の年齢が20歳以上である。

5. ECOG Performance status(PS)が0又は1である。

6. 登録前28日以内(同曜日は許容)に心エコー(echocardiogram: ECHO)又はマルチゲート収集法(multigated acquisition: MUGA)のどちらかを実施し、左室駆出率(left ventricular ejection fraction: LVEF)が50%以上である。

7. 登録前28日以内(同曜日は許容)に12誘導心電図を実施し、補正QT間隔(corrected QT interval: QTc)≦ 470 ms(女性)、又はQTc ≦ 450 ms(男性)である(Fridericia補正式を推奨する)。

8. 登録前14日以内の最新の検査値が、以下のすべてを満たす(同曜日は許容)。

‐ 好中球数≧1500/mm3[顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)投与後14日以内の測定は除く]

‐ ヘモグロビン≧8.0 g/dL(濃厚赤血球又は全血輸血後7日以内の測定値は除く)

‐ 血小板数≧100000/mm3(血小板輸血後7日以内の測定値は除く)

‐ 総ビリルビン≦1.5 mg/dL(Gilbert’s syndromeを有する被験者は、< 3.0 mg/dLであれば登録可能とする)

‐ AST(GOT)≦100 IU/L

‐ ALT(GPT)≦100 IU/L

‐ 血清アルブミン ≧ 2.5 g/dL

‐ クレアチニンクリアランスの計算値(Cockcroft-Gault式*)もしくは実測値 ≧ 30 mL/min

*:Cockcroft-Gault式:クレアチニンクリアランス値=(140-年齢)×体重(kg)/(72×血清クレアチニン値)(※女性の場合はさらに得られた値を0.85倍にする。)

‐ PT(INR)< 1.8

‐ aPTT < 60秒

9. 前治療終了時から登録前(同曜日は許容)までに、以下に示す無治療期間を有する。

i. 全身麻酔を伴う手術:4週間以上

ii. 放射線療法:4週間以上(胸部への緩和的定位照射線療法を含む。胸部以外への緩和的定位放射線療法は2週間以上。腹部椎体は、腹部に含めるものとする)。

iii. クロロキン(chloroquine)及びヒドロキシクロロキン(hydroxychloroquine):15日以上

10. 前治療としての放射線療法もしくは外科的手術に伴う有害事象がCTCAE v5.0でGrade 1又はベースライン以下に回復している。ただし、Grade 2以上でも症状が安定している事象は除く。

11. 妊娠する可能性のある女性は、登録前7日間以内(同曜日は許容)の妊娠検査で陰性である。男性及び妊娠可能な女性は、同意取得後から治験薬最終投与後の一定期間(男性は4ヵ月、女性は7ヵ月間)、避妊することに同意している(4.3「妊娠・避妊について」参照のこと)。

12. 治験参加について患者本人から文書で同意が得られている。


除外基準

1. 登録前6ヵ月以内の心筋梗塞又は症候性うっ血性心不全(congestive heart failure: CHF)(New York Heart Association 分類クラスII~IV)、登録前28日以内(同曜日は許容)にメーカー*が定義する心筋梗塞と診断する値に相当するトロポニン値**、不安定狭心症、又は治療を要する重篤な不整脈の既往歴/合併症を有する。

 *:メーカーとは、治験実施医療機関が採用している検査会社を指す。

**:ULNを超えている場合、診察を受け心筋梗塞を除外できれば登録は可能とする

2. 活動性の重複がん[同時性重複がん及び無病期間が登録前3年以内の異時性重複がん。ただし、局所治療により治癒と判断されるCarcinoma in situ(上皮内癌)や粘膜内癌相当の病変は活動性の重複がんに含めない。]を有する。

3. 重篤(入院加療を要する)な合併症(腸管麻痺、腸閉塞、肺線維症、コントロールが困難な糖尿病、心不全、心筋梗塞、不安定狭心症、腎不全、肝不全、精神疾患、脳血管障害等)を有する。

4. 登録前6ヵ月以内に消化管穿孔及び/又は消化管瘻の既往を有する。

5. 以下の感染症を有する。

・HBs抗原陽性

・HBs抗体もしくはHBc抗体陽性かつHBV-DNA陽性

・活動性のC型肝炎(HCV RNAが定性的に検出された場合など)

ただし、HBs抗原陽性でも核酸アナログ等の抗ウイルス薬による治療後、HBV DNAが1.3 log IU/mL (2.1 log copies/mL) 未満となった場合には適格とできる。

6. HIVの感染が確認されている。

7. 以下の肺疾患に該当する。

・治療を要する非感染性の間質性肺疾患又は肺臓炎の既往を有する、間質性肺疾患又は肺臓炎を合併している、あるいは登録前検査時の画像診断にてこれらの肺疾患が否定できない。

・重度の肺障害(例. 登録前3ヵ月以内の肺塞栓症、重篤な気管支喘息、重度のCOPD、拘束性肺疾患、胸水など)を有する。

・肺に関連する自己免疫疾患や結合組織疾患又は炎症性疾患(例. 関節リウマチ、シェーグレン症候群、サルコイドーシスなど)など臨床的に重篤な肺のリスクを有する。

・肺全摘術の既往を有する。

8. 自己免疫疾患の合併もしくは慢性的又は再発性の自己免疫疾患の既往を有する。

9. 全身性副腎皮質ホルモン(検査又はアレルギー反応に対する予防投与、放射線療法に伴う浮腫軽減等を目的とした一時的な使用を除く)もしくは免疫抑制剤の投与が必要である、又は本治験への登録前14日以内にこれらの治療を受けている。

10. 治癒していない創傷、潰瘍、骨折を有する。

11. 妊娠中又は授乳中である。

12. 治験薬の有効成分又は添加物に対する重度の過敏症が確認されている。

13. 他のモノクローナル抗体に対する重度の過敏症反応の既往歴/合併症を有する。

14. 抗生物質、抗ウイルス剤、及び抗真菌薬の点滴静注を要するコントロール不良な急性の全身性感染がある。

15. 治験実施計画書で規定された実施事項や医師の指示を遵守する意思がない、又は遵守することが不可能である。

16. 治験責任又は治験分担医師が本治験の対象として不適当と判断した。

治験内容

研究のタイプ

医師主導治験介入研究


主要結果評価方法

中央判定による病理学的奏効割合


第二結果評価方法

・治験実施施設判定によるMPR rate

・治験実施施設判定による病理学的完全奏効割合 (pathological complete response [pCR] rate)

・根治切除割合

・有害事象発生割合

・治療後のctDNA減少や各種バイオマーカーの検討(本治験の付随研究として実施する)

探索パートについて、探索的に以下の項目を評価する。

・中央判定によるMPR rate

・治験実施施設判定によるMPR rate

・治験実施施設判定によるpCR rate

・根治切除割合

・有害事象発生割合

・治療後のctDNA減少や各種バイオマーカーの検討(本治験の付随研究として実施する)

利用する医薬品等

一般名称

トラスツズマブ デルクステカン


販売名

エンハーツ

組織情報

実施責任組織

国立がん研究センター東病院


住所

千葉県柏市柏の葉6-5-1