抗TNF薬投与歴のない活動性乾癬性関節炎患者を対象にチルドラキズマブの有効性及び安全性を実証する第III相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験II(INSPIRE 2)
目的
抗TNF薬投与歴のない活動性乾癬性関節炎患者を対象にチルドラキズマブの有効性及び安全性を実証する
同じ対象疾患の治験
(12件)- ・中等症から重症の局面型乾癬治療に対するJNJ-77242113 の有効性及び安全性を評価する多施設共同,長期継続投与,用量設定のための第2b 相試験
- ・小児患者(2 歳以上,18 歳未満)を対象にウステキヌマブを検討する第3 相多施設共同,非盲検,長期継続投与バスケット試験
- ・中等症から重症の局面型乾癬治療に対するJNJ-77242113 の有効性及び安全性を評価する多施設共同,ランダム化,プラセボ対照,用量設定のための第2b 相試験
- ・急性期症状が認められる汎発型膿疱性乾癬(GPP)患者を対象としたスペソリマブ静脈内投与による多施設共同,非盲検,拡大治験
- ・尋常性乾癬,関節症性乾癬及び膿疱性乾癬を有する小児患者におけるコセンティクス皮下注投与時の安全性及び有効性を検討する特定使用成績調査
参加条件
性別
男性・女性
年齢
18歳 以上上限なし
選択基準
以下の基準をすべて満たす患者を本治験に組み入れることができる。
1.書面による同意が得られた患者。
2.スクリーニング時点で18歳以上の患者。
3.治験薬の初回投与の6ヵ月前までに活動性PsAの診断(PsA分類基準、付録1による)を受けており、スクリーニング又はベースラインの時点で活動性PsAが認められる患者。
4.スクリーニング及びベースラインの時点で圧痛関節数が3以上、腫脹関節数が3以上ある患者(指趾炎は指1本を1関節と数える)。
5.リウマトイド因子(RF)及び抗環状シトルリン化ペプチド抗体(抗CCP抗体)が陰性。
6.活動性局面型PsOの診断を受け、スクリーニング時点で直径2 cm以上の乾癬プラークが1つ以上認められる又は局面型PsOの既往がある。
7.PsO又はPsAの治療に対する抗腫瘍壊死因子(抗TNF)薬投与歴がない患者。
8.必要に応じた(PRN)使用など、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)又は弱オピオイド(例:トラマドール、meperidine、コデインに限り可)を投与している患者。治験薬の開始前4週間以上にわたり用量が安定しており、治験開始から24週間は安定用量を維持できなければならない。ただし、毒性により用量の変更が必要となった場合は除く。安定用量での使用及び必要に応じた使用は、スクリーニング前の4週間に平均で週4日NSAID又は弱オピオイドを使用していることと定義する。
9.非薬物療法(理学療法、マッサージ、食事、運動、皮膚軟化薬、関節テーピングなど。ただし、これらに限定されない)を受けている患者。治験薬開始の4週間前から治験期間終了まで安定して受けている必要がある。
10.メトトレキサート(MTX)又はレフルノミドを投与している患者。3ヵ月以上投与を受けており、治験薬開始前の8週間以上用量及び用法が安定しており(メトトレキサート:経口投与又は皮下投与、レフルノミド:経口投与)(MTXは25 mg/週以下、レフルノミドは20 mg/日以下)、治験開始から24週間は安定用量が維持できると考えられる。ただし、毒性により用量の変更が必要となった場合は除く。レフルノミドとMTXは併用できない。
11.経口コルチコステロイドを投与している患者。治験薬開始前の4週間以上用量が安定しており(prednisone換算で10 mg/日以下)、治験開始から24週間は安定用量が維持できると考えられる必要がある。
12.治験薬開始前4週間以内の結核(TB)検査が陰性である患者。結核検査陰性とは、QuantiFERON検査陰性であることと定義する。QuantiFERON検査が陽性又は2回連続で判定不能である場合は、以下の全項目に該当すれば可とする。
-活動性結核活動性結核活動性結核の既往又は結核の症状がない。
-スクリーニング前3ヵ月以内に撮影した胸部X線の後前(PA)像(治験実施医療機関で得られている関連報告による)に活動性結核活動性結核活動性結核(又は他の何らかの肺感染症)のエビデンスが認められない。
-潜伏結核感染歴がある場合は、十分な予防歴があること(各国の標準治療による)。
-潜伏結核の存在が確認された場合は、Visit2-Week0の治験薬の投与開始前の少なくとも4週間、各国のガイドラインに従い治療を実施する。
-QuantiFERON検査は、3週間以下の間隔で2回まで実施が可能である。1回目が判定不能である場合に限り、再検査が可能である。この場合は2回目の結果を使用する。
除外基準
以下のいずれかに該当する患者は、本治験の対象から除外する。
1.ベースラインからWeek 24の評価までの間に治療前の症状に対する外科的処置が予定されている患者。
2.以下に示す活動性感染があるか、又は感染の既往がある。
-治験薬の初回投与前28日以内に全身性抗感染症薬を使用し、最終投与がスクリーニング前7日以内である活動性感染。
-重篤な感染。重篤な感染とは、治験薬の初回投与前8週間以内に入院又は抗感染症薬の静脈内(IV)投与を必要とし、抗感染症薬の最終投与がスクリーニング前7日以内であることと定義する。
-治験責任(分担)医師が本治験により被験者に害が及ぶとする見解を示している再発性又は慢性の感染症(例:慢性腎盂腎炎、慢性骨髄炎、気管支拡張症、又はその他の活動性感染)。
3.PsA以外の主要な慢性炎症性疾患又は結合組織病[例:関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、強直性脊椎炎、ライム病、シェーグレン病、混合性結合組織病、強皮症、痛風などチルドラキズマブ療法のベネフィットの評価に混乱を来すことが考えられると治験責任(分担)医師が判断するもの]。脊椎炎及び/又は仙腸骨関節炎を伴うPsAは可とする。
4.何らかの医学的状態又はコントロール不良で臨床的に重要な全身性疾患(例:腎不全、心不全、高血圧、肝疾患、糖尿病、貧血)が併存し、治験責任(分担)医師が本治験により害が及ぶとする見解を示している患者。
5.B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルスの感染歴があることがわかっている患者。
6.治験薬の初回投与前6ヵ月以内に心筋梗塞、不安定狭心症又は虚血性脳卒中が認められた患者。
7.皮膚の基底細胞癌又は扁平上皮癌、黒色腫などの活動性の悪性腫瘍がある患者。
8.スクリーニング前5年以内の悪性腫瘍の既往がある患者。ただし、既治療で治癒済みと判定されている皮膚の基底細胞癌又は扁平上皮癌、子宮頚部上皮内癌、又は乳管上皮内癌は除く。
9.直近2年以内にアルコール又は薬物の乱用歴がある患者。
10.治験責任(分担)医師の判断又は(必要に応じて)コロンビア自殺評価スケール(C-SSRS)の自殺の項目の質問4若しくは5に対して直近12ヵ月以内に「はい」の回答がある又は自殺行為の項目への何かしらの回答に示されるとおり、スクリーニングスクリーニングスクリーニング評価の時点で自殺傾向の重大なリスクがある患者。
11.スクリーニング時点で以下のいずれかの臨床検査値異常がある患者(治験責任医師により、被験者の病歴と一致しない結果や臨床検査の誤りが強く疑われる結果が確認された場合は、再検査を1回実施することが可能)。
-アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)又はアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)が基準値上限(ULN)の2倍以上
-クレアチニンがULNの1.5倍以上
-白血球数3.0 × 103/µL未満
-RF及び/又は抗CCP抗体検査陽性
-治験責任(分担)医師により、被験者の治験完了を妨げる、又は治験結果の解釈に支障を来すとする見解が示されているその他の臨床検査値異常
12.治験薬開始前28日以内に以下のいずれかを使用した患者。
-強オピオイド鎮痛薬(例:hydrocodone、メサドン、ヒドロモルフォン、オキシコドン、モルヒネ、フェンタニル)、娯楽薬としてのマリファナ、医療マリファナ及びCBD
-サラゾスルファピリジン
-ヒドロキシクロロキン
-全身性カルシニューリン阻害薬(例:cyclosporine、タクロリムスなど)
-アザチオプリン
-筋肉内投与、関節内投与などの外用及び非経口のコルチコステロイド[点眼用、鼻腔内投与用、吸入用のコルチコステロイド、並びに顔面及び鼠径部の乾癬病変に塗布するウィーク~ミディアム(low potency)外用コルチコステロイドは可]
-外用コールタール
-生ワクチン(不活化インフルエンザワクチンの投与は可能であるが、経鼻インフルエンザ生ワクチンは不可)
-治験薬の最終投与から10週間以内に生ワクチンを使用する必要がある
13.以下に示すPsO及び/又はPsAの生物学的製剤の市販薬又は治験薬の使用。
-治験薬開始前の抗TNF薬の使用
-スクリーニング前12ヵ月以内のB細胞枯渇療法薬又はT細胞阻害薬の使用歴
-治験薬開始前3ヵ月以内又は5半減期以内(いずれか長い期間)のPsO及び/又はPsA治療用生物学的製剤の治験薬又は市販薬の使用
-アプレミラストなど、併用が可能であるかどうかが確認されていない既承認又は治験段階のPsA治療薬の治験薬開始前5半減期以内又は30日以内の使用(いずれか長い期間)
-セクキヌマブ、ウステキヌマブ、イキセキズマブ、ブロダルマブなどインターロイキン(IL)-17、IL-23又はIL-12/IL-23 p40を標的とする薬剤の使用歴
14.投与期間中に使用する薬物又は添加物に対して過敏症があることがわかっている患者(ヒスチジン、ポリソルベート80及び精製白糖)。
15.異性との性行為を控えること、又は2種類の避妊法を併用することに同意しない妊娠可能な女性患者。避妊法には、例えば以下の併用が挙げられる:(1)経口避妊薬、depo progesterone、子宮内避妊器具及び(2)バリア法(コンドーム又はペッサリー)。妊娠可能で上記の避妊法を用いない女性パートナーのいる男性患者では、避妊手術(精管切除術)を受けていない場合、バリア法(例:コンドーム)を使用しなければならない。避妊は、治験に参加してから治験薬の最終投与後16週間が経過するまで実施する必要がある。治験薬を早期に中止した場合は、治験薬の最終投与から16週間避妊しなければならない。無月経が1年未満の女性では、閉経の有無(治験実施医療機関の検査室の基準値による)を確認するために、卵胞刺激ホルモン(FSH)検査を実施する。
16.妊婦、授乳婦、又は治験期間中若しくは治験薬最終投与後16週間を経過するまでに妊娠や授乳開始を計画している女性。
17.当該患者と治験責任(分担)医師の知る限りで、治験実施計画書に規定される治験来院を遵守できない患者。
18.別の治験機器/手技/治験薬に関する試験に登録されている患者、本治験のベースラインが別の治験機器/手技/治験薬に関する試験の終了から30日未満又は5半減期未満(いずれか長い期間)、又は別の治験薬を投与中の患者。
19.本治験にすでに登録済み(無作為化済み)の患者。
20.何らかの障害があり、治験責任(分担)医師から書面による同意及び/又は規定される全治験手順を遵守する能力がないとする見解が示されている患者。
21.治験薬の初回投与前8週間以内の400 mL以上の献血又は失血している患者。
22.官命・司法命令に基づく機関に所属する患者。
23.治験責任(分担)医師、治験依頼者又は治験実施医療機関と関係又は扶養関係があり、利益相反が生じることが考えられる患者。
治験内容
介入研究
主要結果評価方法
主要評価項目:
・Week 24時点でACR20を達成している被験者の割合
重要な副次有効性評価項目:
・Week 24時点でACR50を達成している被験者の割合
・Week 24時点でACR70を達成している被験者の割合
・ベースライン時にBSAの3%以上に病変を有し、Week 24時点でPASI75の効果判定基準を達成している被験者の割合
・Week 24時点でのvan der Heijde modified total Sharp scoreのベースラインからの変化量
・Week 16時点でのvan der Heijde modified total Sharp scoreのベースラインからの変化量
第二結果評価方法
利用する医薬品等
一般名称
チルドラキズマブ(遺伝子組換え)
販売名
イルミア皮下注100mgシリンジ
組織情報
同じ対象疾患の治験
(12件)- ・中等症から重症の局面型乾癬治療に対するJNJ-77242113 の有効性及び安全性を評価する多施設共同,長期継続投与,用量設定のための第2b 相試験
- ・小児患者(2 歳以上,18 歳未満)を対象にウステキヌマブを検討する第3 相多施設共同,非盲検,長期継続投与バスケット試験
- ・中等症から重症の局面型乾癬治療に対するJNJ-77242113 の有効性及び安全性を評価する多施設共同,ランダム化,プラセボ対照,用量設定のための第2b 相試験
- ・急性期症状が認められる汎発型膿疱性乾癬(GPP)患者を対象としたスペソリマブ静脈内投与による多施設共同,非盲検,拡大治験
- ・尋常性乾癬,関節症性乾癬及び膿疱性乾癬を有する小児患者におけるコセンティクス皮下注投与時の安全性及び有効性を検討する特定使用成績調査