日本人慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)患者及び多巣性運動ニューロパチー(MMN)患者を対象としたTAK-771の維持療法における有効性、安全性及び忍容性を評価する第3相試験

目的

本治験の主な目的は日本人の慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)患者及び多巣性運動ニューロパチー(MMN)患者を対象としたTAK-771の有効性、安全性及び忍容性を評価することである。

基本情報

募集ステータス
募集中

対象疾患

慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)、多巣性運動ニューロパチー(MMN)


治験フェーズ

フェーズ3

参加条件

性別

男性・女性


年齢

18歳 以上上限なし


選択基準

1. 日本人である者。

2. 男性又は女性で、スクリーニング時に18歳以上である者。

3. 神経筋疾患の専門又は経験を有する神経内科医により欧州神経学連合/国際末梢神経学会(EFNS/PNS)診断基準2010年版に基づき、Probable又はDefiniteと診断されたCIDP(局在型及び純粋感覚型の非典型的CIDPを除く)又はProbable又はDefiniteと診断されたMMNの患者。

4. 過去にIgGの投与で効果(神経学的症状及び障害の部分的又は完全消失)が得られており、スクリーニング期開始前に12週間以上、静脈内投与による1ヵ月間の累積投与量が0.4~2.4 g/kg体重に相当する用量範囲内で、一定の投与方法で経静脈的免疫グロブリン(IVIG)療法を継続している者。IVIG療法の投与間隔は2~6週間でなければならない。被験者の治験前のIgG投与については、投与間隔の変動は+-7日まで、又は1ヵ月あたりの用量の変動は±20%までを許容範囲内とする。

5. CIDPの被験者のみ‐Inflammatory Neuropathy Cause and Treatment(INCAT)スコアが0~7。スクリーニング時及び/又はベースライン時にINCATスコアが0、1(上肢又は下肢いずれかのスコア)又は2(少なくとも1ポイントは上肢からの場合)の被験者は、INCATスコア2(下肢からのスコアのみ)以上と定義する重大な障害の病歴が診療録に記録されている必要がある。以下の適格性基準の1つを満たす場合、被験者を適格とする。

a) スクリーニング時及びベースライン時のINCATスコアが3以上7以下である。

b) スクリーニング時及び/又はベースライン時のINCATスコアが2(両ポイントとも下肢からのスコア)である。

c) スクリーニング時及び/又はベースライン時のINCATスコアが2(少なくとも1ポイントは上肢からのスコア)で、かつスクリーニング期開始前に少なくとも2以上のスコアが医療記録に記録されている。スクリーニング期開始前に医療記録に記録されているスコアが2超である場合、少なくとも2ポイントは下肢からのスコアでなければならない。

d) スクリーニング時及び/又はベースライン時のINCATスコアが0又は1で、スクリーニング期開始前に少なくとも2以上のスコア(両ポイントとも下肢からのスコア)が医療記録に記録されており、かつ少なくとも2ポイントは下肢からのスコアでなければならない。

6. 妊娠する可能性のある女性の場合、スクリーニング時に妊娠検査で陰性で、治験期間を通じて、かつ治験薬最終投与後30日まで、非常に効果的な避妊を行うことに同意する者。

7. 同意・説明文書に署名する意思及び能力がある者。

8. 治験実施計画書の要件を遵守する意思及び能力がある者。


除外基準

CIDP患者

1. 局在型又は純粋感覚型の非典型的CIDP患者又は多巣性脱髄性感覚運動型ニューロパチー(MADSAM)。

2. 以下のその他の原因によるニューロパチーを有する者:

a) 遺伝性感覚運動ニューロパチー(HSMN)[シャルコー・マリー・トゥース(CMT)]及び遺伝性感覚自律神経ニューロパチー(HSAN)等の遺伝性の脱髄性ニューロパチー。

b) Borrelia burgdorferi感染症(ライム病)、ジフテリア、全身性エリテマトーデス、POEMS症候群(多発ニューロパチー・臓器肥大・内分泌障害・M蛋白及び皮膚病変)、骨硬化性骨髄腫、糖尿病性及び非糖尿病性の腰仙骨根神経叢ニューロパチー、リンパ腫及びアミロイドーシス等の感染、障害又は全身性疾患に続発するニューロパチー。

c) MMN。

d) 薬剤、生物学的製剤、化学療法又は毒物誘因性の末梢性ニューロパチー。

MMN患者

3. その他のニューロパチー(例:糖尿病性、鉛、ポルフィリン症性又は血管炎性ニューロパチー、CIDP、ライム神経ボレリア症、放射線ニューロパチー、遺伝性圧脆弱性ニューロパチー、CMTニューロパチー、髄膜癌腫症)を有する者。

CIDP/MMN患者

4. IgMパラプロテイン血症を有する者(MAG抗体陽性の単クーロン性IgM血症を含む)。

5. 著しい活約筋障害を有する者。

6. 多発性硬化症等の何らかの中枢性脱髄疾患を有する者。

7. 慢性又は消耗性の疾患、若しくは中枢神経障害を有し、これらにより神経学的症状を惹き起こす、又は評価項目の評価に影響を及ぼす可能性がある者。関節炎、脳卒中、パーキンソン病及び糖尿病性末梢性ニューロパチーを含むがこれらに限定されない。

[糖尿病を合併し、EFNS/PNS 2010年版基準でDefinite又はProbableと診断されたCIDP患者について:糖尿病性末梢性ニューロパチーがなく、スクリーニング時に血糖コントロールが良好で、ヘモグロビンA1c(HbA1c)値が7.5%未満で、適切な血糖コントロールを維持することに同意する場合は本治験に適格とする。]

8. うっ血性心不全[NYHA分類のクラスIII/IV]、不安定狭心症、不安定な不整脈、コントロール不良の高血圧(拡張期血圧が100 mmHg超及び/又は収縮期血圧が160 mmHg超と定義)を有する者。

9. スクリーニング期開始前の12ヵ月間に深部静脈血栓症又は血栓塞栓性事象(例:脳血管発作、肺塞栓症)の既往がある者。

10. 蛋白異化やIgG生体内利用に影響する可能性がある疾患(例:蛋白漏出性胃腸症、ネフローゼ症候群)を有する者。

11. 慢性腎臓病の既往が既知、又はスクリーニング時のChronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration(CKD-EPI)の推算式に基づく糸球体濾過率の推定値が60 mL/min/1.73m^2未満である者。

12. 化学療法及び/又は放射線療法を要する活動性悪性腫瘍を有する、若しくは悪性腫瘍の既往がありスクリーニング期開始前に完全寛解から2年未満である者。本除外基準については、適切な治療を受けた皮膚の基底細胞癌又は扁平上皮癌、子宮頸部の上皮内癌及び治療を必要としない安定した前立腺癌を例外とする。

13. 治験で繰り返し行う採血に支障をきたす程度の重度な貧血、又はスクリーニング時にヘモグロビン(Hgb)値が10.0 g/dL未満である者。

14. 血液製剤(IgG、アルブミン、その他の血液成分)の投与後の蕁麻疹、呼吸困難、重度の低血圧又はアナフィラキシー等の過敏症又は副作用の既往を有する者。

15. ヒト(遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼを含む)又はミツバチやスズメバチ毒等の動物由来のヒアルロニダーゼに対するアレルギーが既知である者。

16. IgA欠損症及び抗IgA抗体並びに過敏症の既往を有する者。

17. 以下の基準のいずれかに該当する臨床検査値異常がスクリーニング時に確認された者。

a) 血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)又はアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)が基準値上限(ULN)の2.5倍超。

b) 血小板数が100,000個/μL未満。

c) 好中球絶対数(ANC)が1000個/μL未満。

18. 以下のうち1つ以上の既往が既知である、又はスクリーニング時に陽性であった者:B型肝炎表面抗原(HBsAG)、C型肝炎ウイルス(HCV)に対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)1/2型に対するPCR。

19. スクリーニング期開始前の6ヵ月間に免疫調節剤/免疫抑制剤による治療を受けた又は現在受けている者。

20. スクリーニング期開始前の8週間に副腎皮質ステロイドによる治療(適応は問わない)を受けた又は現在受けている者。

21. スクリーニング期開始前の3ヵ月間に血漿交換療法を受けたことがある者。

22. 被験者の治験参加を妨げ、被験者に大きなリスクをもたらす又は治験結果に交絡をもたらすと治験責任医師又は治験分担医師により判断される、何らかの障害又は病状を有する者。

23. 治験期間中に授乳中である、又は授乳開始を予定している者。

24. 組入れ前30日以内に治験薬又は治験医療機器を使用する別の臨床試験に参加していた者、若しくは本治験期間中に治験薬又は治験医療機器を使用する別の臨床試験に参加する予定がある者。

25. 治験責任医師又は治験分担医師の家族又は従業員である者。

26. 後天性又は遺伝性の血栓性障害が既知である者。これらの障害には、被験者に血栓性事象の発現リスクをもたらす可能性がある、特定の種類の後天性又は遺伝性血栓性障害が含まれる。以下に例を示す。

a) 遺伝性血栓症素因:

i. 第V因子ライデン変異

ii. プロトロンビン20210A変異

iii. プロテインC欠乏症

iv. プロテインS欠乏症

v. アンチトロンビン欠乏症

b) 後天性血栓症素因:

i. 抗リン脂質抗体症候群

ii. 後天性の活性化プロテインC抵抗性

iii. ホモシスチン血症

治験内容

研究のタイプ

企業治験介入研究


主要結果評価方法

1. CIDP患者における治療期1での再発の発現率

評価期間:6か月

再発は調整INCATスコアで、皮下投与前のベースラインスコアと比較して1ポイント以上の増加と定義する。INCATスコアは、CIDP患者の機能活動性を評価するために広く使用されている評価尺度である。INCATスコアは、上肢及び下肢の機能を、上肢(腕の障害)で最大5ポイント及び下肢(脚の障害)で最大5ポイントで評価するよう構成されており、これらを合計して全般的なINCATスコアを算出する。スコアは0~10ポイントで、0ポイントは正常、10ポイントは重度の機能障害である。調整INCATスコアは、INCATスコアと同じだが、上肢機能において0(正常)から1(軽微な症状)(又は1から0)への変化を除外する点のみが異なる。

2. MMN患者における治療期1でのより障害が認められる手の最大握力値の変化量

評価期間:6か月

MMN患者における治療期1でのより障害が認められる手の最大握力値の変化量を評価する。ベースライン測定時点で、治験担当医師が左右どちらの手により障害が認められるかを判断する。


第二結果評価方法

1. 治験薬投与中に発現した有害事象(TEAE)の発現率

評価期間:45カ月

2. 治験薬投与中に発現した重篤な有害事象(SAE)の発現率

評価期間:45カ月

3. 重篤な副作用及び/又は非重篤な副作用、並びに副作用の疑いの発現率

評価期間:45カ月

4. 投与に関連する試験治療下で発現したSAEの発現率

評価期間:45カ月

5. 投与に関連する試験治療下で発現したTEAEの発現率

評価期間:45カ月

6. 時間的に投与に関連する有害事象

評価期間:45カ月

時間的に投与に関連する有害事象は投与中又は投与終了後72時間以内に発現した有害事象と定義する。

7. 投与に関連する重篤な副作用及び/又は非重篤な副作用、並びに副作用の疑いの発現率

評価期間:45カ月

8. 投与に伴い試験治療下で発現した全身性の有害事象の発現率

評価期間:45カ月

9. 投与に伴い試験治療下で発現した局所的な注入部位反応の発現率

評価期間:45カ月

10. 忍容性不良及び/又は有害事象の発現により注入速度を低下させた投与、及び/又は投与を中断又は中止した投与回数

評価期間:45カ月

11. rHuPH20に対し、結合抗体が抗体価陽性(160以上)となった、又は中和抗体が発現した発現率

評価期間:45カ月

12. CIDP患者における治療期1での悪化の発現率

評価期間:6か月

悪化とはより障害が認められる手の握力が8 kPa以上低下、若しくはRasch Built Overall Disability Scale(R-ODS)が、2回連続の測定で、皮下投与前のベースラインスコアと比較して4ポイント以上低下と定義する。R-ODSは、患者報告による総合的な線形加重障害評価尺度で、CIDPを含む免疫介在性末梢性ニューロパチー患者における活動及び社会参加の制限を捕捉することに特化してデザインされている。24項目で構成され、参加者は評価時点での様々な日常的な作業に関する被験者自身の機能について、困難はない/一部困難である/遂行できないのように評価する。

13. CIDP患者における再発までの期間

評価期間:45か月

再発までの期間はTAK-771の最初の皮下投与日から再発した日までの期間と定義する。

14. CIDP患者における治療期1でのR-ODSスコアのベースラインからの変化量

評価期間:6か月

R-ODSは、患者報告による総合的な線形加重障害評価尺度で、CIDPを含む免疫介在性末梢性ニューロパチー患者における活動及び社会参加の制限を捕捉することに特化してデザインされている。24項目で構成され、参加者は評価時点での様々な日常的な作業に関する被験者自身の機能について、困難はない/一部困難である/遂行できないのように評価する。

15. CIDP患者における治療期1での両手の握力の平均値のベースラインからの変化量

評価期間:6か月

16. MMN患者における治療期1でのMedical Research Council(MRC)合計スコア

評価期間:6か月

MRC合計スコアは筋力の指標として使用する。両側の以下の筋肉を診察し、各筋力(三角筋、上腕、手関節伸筋、腸腰筋、大腿四頭筋及び前脛骨筋)についてMRCスコアに基づいて評価する。MRCスコアは0~5までの範囲で、次のとおりとする:0 = 視診において収縮がない、1 = 視診により収縮が認められるが、四肢の動きはみられない、2 = 重力を除いた状態で四肢を動かせる、3 = 重力に抗って(ほぼ)全可動域を動かせる、4 = 重力に抗って及び抵抗に対して動かせる、5 = 正常筋力。左右両側から得られたすべてのスコアを合計し、MRC合計スコアを算出する。MRC合計スコアの範囲は、0(麻痺)~60(正常筋力)である。

17. MMN患者における治療期1でのGuy's Neurological Disability Scale(GNDS)の上肢カテゴリー及び下肢のカテゴリーのスコア

評価期間:6か月

Guy's Neurological Disability Scaleは12の個別カテゴリー(カテゴリーごとに4~8つの質問)で構成される質問票である。カテゴリーは、認知、気分、視覚、発語、嚥下、上肢機能、下肢機能、膀胱機能、腸機能、性機能、疲労及びその他であるが、本治験では、MMNを有する被験者の障害の評価に2つのカテゴリー(上肢機能及び下肢機能)のみを用いる。上肢機能及び下肢機能のそれぞれの重症度は、各個人の重症度及び影響に基づき、0(正常な機能)~5(機能の完全な喪失)で評価される。

18. MMN患者における治療期1での両手の握力の平均値のベースラインからの変化量

評価期間:6か月

利用する医薬品等

一般名称

TAK-771


販売名

なし

組織情報

実施責任組織

武田薬品工業株式会社


住所

大阪府大阪市中央区道修町四丁目1番1号