治療が効果的でない甲状腺がん患者にTAH-1005を投与し、安全性や効果を評価し、適切な投与量を決定するための治験を行う。
男性・女性
18歳以上
上限なし
この治験は、分化型甲状腺がん(乳頭がん、濾胞がん)の治療法を開発するために行われます。治験フェーズ1では、治験薬の安全性や副作用、薬物の動きや排泄などを調べます。治験薬を投与した後、有害事象や用量制限毒性などを評価し、安全性を確認します。また、薬物の動きや排泄を調べるために、血液や尿、便、呼気の検査を行います。さらに、腫瘍縮小効果や腫瘍マーカーの経時的な変化を評価することで、治験薬の有効性を予備的に評価します。
介入研究
1.有害事象
測定項目:有害事象発生の有無、種類、重症度、発現頻度及び発現期間
測定時期:ヨード制限開始時から投与後6カ月、又は中止時
評価基準:CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)第5.0版の日本語訳
2.用量制限毒性(DLT)
治験薬の投与後4週以内において、治験薬との因果関係が否定できない以下の項目のうち、1つ以上当てはまる場合の毒性と定義する。
1)7日以上持続するGrade 3の血液毒性
2)持続期間によらないGrade 4以上の血液毒性
3)持続期間によらない発熱性好中球減少症
4)出血傾向を伴う、または血小板輸血を要する血小板減少症
5)赤血球輸血を要する貧血
6)感染を伴う好中球減少症
7)対症療法によって軽快しない7日以上持続するGrade 3*以上の非血液毒性。ただし、以下を除く。
臨床的に意義のない臨床検査値異常
最大限の支持療法によりGrade 2以下にコントロール可能な毒性
原疾患の増悪によるもの
( CTCAEv.5.0JCOG版で規定されるグレード)
1)安全性に関する副次評価項目
以下の項目を安全性に関する副次評価項目とする。
(1) バイタルサイン等(血圧、脈拍、血中酸素飽和度)、呼吸数、体温
(2) 体重
(3) 自覚所見及び他覚所見
(4) 血液学的検査
(5) 血液生化学的検査
(6) 尿検査
(7) 12誘導心電図
2)薬物動態パラメータの評価
薬物動態の評価のために、採取した血液検体の放射線量を測定し、測定した放射線量をもとに薬物動態パラメータを算出する。
(1) 採血ポイント:投与時(投与直前に採取する)、投与後30秒(+/-10秒)、1分(+/-20秒)、2分(+/-30秒)、10分(+/-1分)、1時間(+/-10分)、3時間(+/-15分)、6時間(+/-30分)、24時間(+/-2時間)
(2) 血液検体の取扱い
薬物濃度測定の為の血液検体は、所定の時間に1回あたり約2 mLの血液をヘパリン含有シリンジで採取する。
(3) 放射線量の測定方法
ヘパリン処理した血液検体から、500 mic.Lを分取し、放射線測定装置で重量ならびに放射線量を測定する。残りの検体は遠心分離を行い、血漿の重量ならびに放射線量を測定する。
(4) 算出する薬物動態パラメータ:AUC、AUC/D、Cmax、Cmax/D、Tmax、T1/2、CL(クリアランス)、Vss(定常状態の分布容積)
3)排泄(尿中、便中、呼気)
排泄動態を把握するために、尿、便、及び呼気の採取を行う。
(1) 測定項目:尿の量(mL)及び放射線量、便の重量ならびに放射線量、呼気の容積ならびに放射線量
(2) 測定時間:
尿(投与から1時間、1から3時間、3から6時間、6から24時間)
便(投与後24時間まで排便時毎回)
呼気(投与後5分(+/-1分)、30分後(+/-5分)、3時間後(+/-15分))
4)ガンマカメラ(SPECT/CT)を用いた全身スキャンと吸収線量の評価
体内分布の評価のために全身の撮像を行い、必要に応じて、局所のSPECT/CT撮像を追加する。各臓器の放射能濃度推移ならびに滞留時間(Residence time)を計算し、吸収線量(mGy/MBq)を算出する。
(1) 測定時期:投与1時間後、3時間後、24時間後
(2) 評価項目:体内主要臓器における放射能濃度の経時的推移、各臓器の吸収線量(mGy/MBq)
5)予備的な有効性の評価
(1) 画像における腫瘍縮小効果の判定(スクリーニングのCTにおいて、RECISTで標的病変を有する場合)
腫瘍縮小効果判定は「固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECISTガイドライン)改訂版version 1.1-日本語訳JCOG版-:Revised RECIST guideline(version 1.1)」を参考にCT上の転移及び再発病変について評価を行う。
(2) [131I]NaIの取込能の変化
スクリーニング、投与3カ月、6カ月後の時点で診断用[131I]NaIスキャンを実施し、集積程度の変化からヨウ素/アスタチンを取り込む機構であるNIS(ナトリウムヨウ素共輸送体)の発現程度を推定し、甲状腺がん細胞の残存程度を評価する。
(3) 腫瘍マーカーの経時的推移の評価
分化型甲状腺がんの腫瘍マーカーである血中サイログロブリンの経時的な変化を評価する。
フェーズ1: 健康な成人が対象
TAH-1005
なし
大阪大学医学部附属病院
大阪府吹田市山田丘2番15号
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