G-009を用いた頭蓋内脳動脈瘤塞栓術の安全性及び有効性を評価する多施設共同単一群検証的試験
目的
本治験は、従来の外科的治療 (クリッピング術やバイパス併用母血管閉塞術) や血管内治療 (脳動脈瘤コイル塞栓術) では治療困難な未破裂脳動脈瘤を対象とし、本被験機器を用いて脳動脈瘤塞栓術を施行することで、その安全性と有効性を評価することを目的とする。
参加条件
性別
男性・女性
年齢
20歳 以上75歳 以下
選択基準
1) 内頚動脈、硬膜内椎骨動脈、脳底動脈に位置する治療が必要な単独の未破裂動脈瘤である
2) 従来の外科的治療では治療困難である
3) 以下のいずれかの形態を有する動脈瘤である
① ワイドネックかつ瘤の最大径が10 mm 以上
② 瘤の最大径が5 mm 以上10 mm 未満の瘤で、従来の治療法 (脳動脈瘤コイル塞栓術、ステントアシストコイル塞栓術) では再発の可能性が懸念される動脈瘤
③ 紡錘状動脈瘤
4) 日常生活自立度がmodified Rankin Scale 3 以下である
5) 本人から本治験への参加について自由意思による同意を文書で得ている
6) 手技後30 日、90 日、6 ヶ月及び12 ヶ月の追跡調査のための来院に協力する意思がある
7) 本被験機器を誘導可能な母血管を有している
除外基準
1) 後方循環系に属し、下記の形態を有する動脈瘤を有している
- 留置された被験機器が脳底動脈分岐部にかかるもの
- 大型又は巨大なdolichoectatic 動脈瘤
2) 脳動脈の分岐部に位置する動脈瘤を有している
3) 脳動脈瘤のドーム部分に主要分枝を有している
4) 標的動脈瘤以外にも同時に治療が必要な脳動脈瘤を有している
5) 血管内治療に適さない解剖学的構造 (高度屈曲、狭窄) を有している
6) 真菌性又は解離性動脈瘤を有している
7) 標的動脈瘤にステント留置の既往がある
治験内容
介入研究
主要結果評価方法
有効性:
手技後12 ヶ月の血管造影による評価で標的動脈瘤が完全閉塞し、標的動脈瘤での母血管の開存 (内腔狭窄率50%以下)、かつ標的動脈瘤の再治療が手技後12 ヶ月以内に実施されていない被験者の割合
安全性:
以下の 1) 又は 2) の事象を発生した被験者の割合
1) 手技後30 日以内の死亡又は重度脳卒中
2) 手技後12 ヶ月以内の脳神経関連死又は同側の重度脳卒中
第二結果評価方法
有効性:
1) 手技後12 ヶ月の血管造影による評価で標的動脈瘤が90%以上の閉塞率を示し、標的動脈瘤での母血管の開存 (内腔狭窄率50%以下)、かつ標的動脈瘤の再治療が手技後12 ヶ月以内に実施されていない被験者の割合
2) 手技後12 ヶ月の血管造影による評価で標的動脈瘤が90%以上の閉塞率を示す被験者の割合
3) 手技後12 ヶ月の血管造影による評価で標的動脈瘤での母血管の開存 (内腔狭窄率50%以下)が認められた被験者の割合
4) 標的動脈瘤の再治療が手技後12 ヶ月以内に実施されていない被験者の割合
5) 手技後6 ヶ月及び手技後12 ヶ月の標的動脈瘤の塞栓程度評価と経時変化 (手技後6 ヶ月に血管造影を実施した症例を対象)
6) 技術的成功率 (手技終了時に動脈瘤頚部を含む母血管へのステント留置及び母血管の開存が認められた被験者の割合)
7) 手技後12 ヶ月のステント移動発生率
安全性:
1) 手技後12 ヶ月までの脳神経関連死の発生率
2) 手技後12 ヶ月までの脳卒中又は死亡の発生率
3) 手技後6 ヶ月及び手技後12 ヶ月の神経学的評価でmRS の診断スコアが悪化 (ベースラインとの比較) した被験者の割合
4) 被験機器又は手技との因果関係を否定できない重篤な有害事象の発生率
5) 不具合の発生率