急性心筋梗塞患者の心不全による入院及び死亡に対するエンパグリフロジンの効果を評価する効率化、多施設共同、ランダム化、並行群間、二重盲検、プラセボ対照、優越性試験
目的
急性心筋梗塞で入院した高リスク患者における心不全による初回入院又は全死亡までの期間(複合評価項目)について、標準治療に上乗せしたエンパグリフロジン10 mg 1日1回投与のプラセボに対する優越性を検証することである。
参加条件
性別
男性・女性
年齢
20歳 以上上限なし
選択基準
1. 治験への登録前にICH-GCP及び現地の法律に従って同意説明文書に署名して日付を記入した患者
2. 急性心筋梗塞(I型)と診断された患者(STEMI又はNSTEMI):入院後14日以内にランダム割付けが実施された患者。
3. 以下のいずれかと定義される心不全の高リスク患者。
a) 入院中のいずれかの時点での、治療(経口利尿薬の増量又は開始、利尿薬の静脈内投与、血管作動薬の静脈内投与、機械的介入など)を要する、症状(呼吸困難、運動耐性低下、疲労など)、又はうっ血の徴候(肺ラ音、水泡音又は捻髪音、頸静脈圧上昇、胸部X線でのうっ血)
又は
b) 指標入院中の心エコー検査等で測定したLVEF 45%未満の新規発現
4. 加えて、以下の危険因子を1つ以上有する患者。
- 65歳以上
- LVEF 35%未満の新規発現
- 陳旧性心筋梗塞(今回の心筋梗塞より前の)
- eGFR 60 mL/min/1.73m2未満
- 心房細動
- II型糖尿病
-NTproBNP:洞調律の患者で1,400 pg/mL以上、心房細動の患者で2,800 pg/mL以上(BNPが洞調律の患者で350 pg/mL以上、心房細動の患者で700 pg/mL以上)
- 尿酸:7.5 mg/dL以上(446 μmol/L以上)
- 肺動脈収縮期圧:40 mmHg以上
- 今回の心筋梗塞に対する血行再建を受けていない(かつ血行再建が予定されていない)患者
- 今回の心筋梗塞の時点で冠動脈3枝病変
- 末梢動脈障害の診断
除外基準
1. 今回の心筋梗塞より前に慢性心不全と診断された患者。
2. ランダム割付け時の収縮期血圧が90 mmHg以下の患者。
3. ランダム割付け前の24時間に心原性ショック又は強心剤静脈内投与の使用があった患者。
4. ランダム割付けの時点で冠動脈バイパス術が予定されていた患者。
5. たこつぼ心筋症が現在診断されている患者。
6. 何らかの重度(狭窄性又は逆流性)心臓弁膜症を現在有する患者。
7. eGFR 20 mL/min/1.73m2未満の患者又は透析患者。
8. I型糖尿病を有する患者。
9. ケトアシドーシスの既往歴を有する患者。
治験内容
利用する医薬品等
一般名称
エンパグリフロジン
販売名
ジャディアンス錠10mg