この治験は、十二指腸ESD(内視鏡的粘膜下剥離術)後に穿孔のリスクが高い患者に対して、自家骨格筋由来細胞シートを移植することで、遅発性穿孔を防止することを目的としています。この治療法の安全性、有効性、手技の実施可能性を評価するために行われます。
この治験に参加するための条件は、20歳以上80歳以下で、男性でも女性でも参加できます。参加するためには、消化器内科専門医や消化器外科専門医による内視鏡的診断で、粘膜下層への進展のない表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍と診断されていることが必要です。また、腫瘍の大きさが15mm以上であること、年齢が20歳以上80歳以下であること、患者本人からの文書によるインフォームドコンセントが得られたことが必要です。 一方、治験に参加できない人もいます。例えば、十二指腸球部の表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍と診断された人、筋変性疾患を持っている人、リンパ節転移がある人、上腹部の手術歴がある人、フィブリノゲン加第XⅢ因子、ゲンタマイシン、アムホテリシンB、人血清アルブミンに対して過敏症またはウシアレルギーもしくは重度の金属アレルギーの既往がある人、凝固促進剤、抗線溶剤、アプロチニン製剤による治療を受けている人、アルコール中毒症又は薬物依存症の既往を有する人、表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍を除く悪性腫瘍を有する人、HIV-1/2、HBV、HCV、HTLV陽性である人、活動性の感染症のある人、伝染性海綿状脳症及びその疑い並びにその他の認知症のある人、妊娠あるいは妊娠している可能性がある人、精神病又は精神症状を合併しており本治験への参加が困難と判断される人などが含まれます。また、その他、治験責任医師等の判断により、本治験への参加が不適当と考えられる人も除外されます。
この治験は、表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍を対象に行われます。治験のフェーズはフェーズ1で、有効性評価項目としては、術後3日以内における遅発性穿孔後の腹膜炎の発生が評価されます。安全性評価項目としては、観察期間中におけるすべての有害事象、治験使用製品の不具合、治験使用製品の不具合等により生じた有害事象が評価されます。また、第二結果評価方法として、観察期間における腹腔内膿瘍や術後のドレーン液検査、手術中の偶発症、骨格筋由来細胞シート移植に要した時間などが評価されます。安全性評価項目としては、重篤な有害事象や骨格筋組織採取により生じた有害事象、バイタルサイン、血液一般検査および血液生化学検査の推移が評価されます。
介入研究
<有効性評価項目>
術後3日以内における遅発性穿孔後の腹膜炎の発生
<安全性評価項目>
1) 観察期間におけるすべての有害事象
2) 治験使用製品の不具合
3) 治験使用製品の不具合等により生じた有害事象
<有効性評価項目>
1) 観察期間における腹腔内膿瘍
2) 術後のドレーン液検査(アミラーゼ、ビリルビン)
3) 術後7日目、49日目の上皮化、狭窄の発生
4) 手術中の偶発症
(1) 術中の外科的縫合の必要な穿孔の発生
(2) 術中の微小穿孔の発生
(3) 出血の発生
(4) その他の偶発症
5) 腹腔鏡下での骨格筋由来細胞シート移植に要した時間
6) 骨格筋由来細胞シート留置の成功
7) ESD翌日、術後3日目、7日目の体温
8) ESD翌日、術後3日目、7日目の末梢血白血球数
9) ESD翌日、術後3日目、7日目のCRP値
10) 観察期間中の腹痛の有無
11) 腹膜炎等の発生による骨格筋由来細胞シート移植後の二次的な緊急手術の発生 の有無
12) 処置の必要な出血の有無
13) ESD実施による対象としている腫瘍全体に対する治癒切除率
14) 内視鏡下の粘膜切除径
15) 切除腫瘍標本の評価
(1) 粘膜切除径
(2) 病理組織学的検査結果
16) 縫縮の成否と遅発性穿孔後の腹膜炎の発生の有無
<安全性評価項目>
1) 重篤な有害事象
2) 骨格筋組織採取により生じた有害事象
(骨格筋組織採取との因果関係が否定できない有害事象)
3) バイタルサイン、血液一般検査および血液生化学検査の推移
フェーズ1: 健康な成人が対象
利用する薬品情報はありません
長崎大学病院
長崎県長崎市坂本 1丁目7番1号
治験の詳細を確認し、患者の方に合致しているかを診断してください
ご確認後、連絡が適切だと判断された場合は上記のお問い合わせ情報から担当の方にご連絡ください
Kibou は治験の募集・情報提供をすることを目的としたプラットフォームです。 治験情報の提供や、被験者の募集について詳しい資料の請求はお問い合わせフォームからお問い合わせください。