JCOG1920: 切除可能胆道癌に対する術前補助化学療法としてのゲムシタビン+シスプラチン+S-1(GCS)療法の第III相試験

目的

手術+術後補助化学療法では予後不良と予想される切除可能胆道癌に対して、術前ゲムシタビン+シスプラチン+S-1(GCS)療法後に切除+術後補助化学療法を行うことにより、標準治療である手術+術後補助化学療法と比較して生存期間が延長するかをランダム化比較にて検証する。

基本情報

募集ステータス
募集中

対象疾患

胆道癌


治験フェーズ

フェーズ3

参加条件

性別

男性・女性


年齢

20歳 以上上限なし


選択基準

(1)病理診断(細胞診または組織診)にて、主要な組織型が腺癌または腺扁平上皮癌※1と診断されている(「腺癌(詳細不明)」も適格)。あるいは、細胞診でClass IVまたはClass V、かつ、腺癌または腺扁平上皮癌以外の組織型が疑われていない。

※1肝門部領域胆管癌、遠位胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌の場合は、腺癌(乳頭腺癌、管状腺癌、低分化腺癌)または腺扁平上皮癌(胆道癌取扱い規約第6版)。肝内胆管癌の場合は肝内胆管癌(胆管細胞癌)の腺癌または腺扁平上皮癌(原発性肝癌取扱い規約第6版)。ただし、粘液癌や印環細胞癌とは診断されておらず、腺癌とのみ診断され、乳頭腺癌、管状腺癌、低分化腺癌のいずれに該当するか記載が無い場合も腺癌(詳細不明)として適格とする。

(2)画像診断※2にて、肉眼的癌遺残のない切除(R0またはR1切除)が可能な胆道癌(肝門部領域胆管癌、遠位胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌、肝内胆管癌のいずれか)と診断されている。

(3)画像診断※2にて、以下の病期に該当すると診断される。病期分類に肝内胆管癌は原発性肝癌取扱い規約第6版、その他は胆道癌取扱い規約第6版のTNM分類を用いる。腫瘍が、肝門部領域胆管、遠位胆管、胆嚢、乳頭部、肝内胆管の複数の領域にまたがって存在する場合には、腫瘍の主たる占居部位を選択して原発巣とし、その原発巣の病期分類を用いる。なお、腫瘍が複数の領域にまたがり、かつ、占居範囲が同等で主たる占居部位が決定できない場合には、画像所見に基づいて、もっとも腫瘍の原発部位として想定される占居部位を一つ選択して原発巣とし、その原発巣の病期分類を用いる。

(i) 肝門部領域胆管癌T2a以上またはN1、かつM0(Stage II~IVA)

(ii) 遠位胆管癌T2以上またはN1、かつM0(Stage IB~III)

(iii) 胆嚢癌T3a以上またはN1、かつM0(Stage IIIA~IVA)

(iv) 乳頭部癌T3a以上またはN1、かつM0(Stage IIA~III)

(v) 肝内胆管癌T3以上またはN1、かつM0(Stage III~IVA、Stage IVB(T4N1M0))

※2診断モダリティは、スライス厚5 mm以下の造影MDCTとする。ただし、乳頭部癌についてはスライス厚5 mm以下のMDCTとEUSの両方で診断する。

リンパ節については、以下のいずれかに該当するものをリンパ節転移陽性と診断する。

(a) 短径が10 mm以上

(b) 短径が10 mm未満でも腫瘍の近傍に存在し、腫瘍と同様の造影パターンを示す

(c) 節外進展(毛羽立ち)所見を認める

(4)胆道癌に対する開腹切除もしくは腹腔鏡下切除を予定している。

(5)登録時の予定術式が、肝左三区域切除、肝右三区域切除、(拡大)肝右葉切除+膵頭十二指腸切除、肝動脈+門脈合併切除再建を伴う肝切除のいずれでもない(登録後から手術までに実施するCTあるいは術中所見により、上記術式を選択することは許容し、プロトコール治療中止とはしない)。

(6)登録日の年齢が20歳以上である。

(7)経口摂取が可能である。

(8)水様性の下痢がない。

(9)Performance status(PS)はECOGの規準で0または1である。

(10)胆道癌に対する化学療法、放射線治療、免疫療法、手術いずれの既往もない(減黄処置※3は許容する)。

※3経皮的胆道ドレナージ(PTBD、PTGBD、ステント)、内視鏡的胆道ドレナージ(ENBD、ERBD、ステント)など。

(11)門脈塞栓術の既往がない(門脈塞栓術が必要な場合は登録後に行う)。

(12)登録前14日以内の最新の検査値(登録日の2週間前の同一曜日は可)が、以下のすべてを満たす。

(i) 好中球数≧1,500/mm3

(ii) ヘモグロビン≧9.0 g/dL(登録に用いた検査の採血日前14日以内に輸血を行っていないこと)

(iii) 血小板数≧100,000/mm3

(iv) AST:減黄処置なしの場合:≦100 U/L、減黄処置ありの場合:≦150 U/L

(v) ALT:減黄処置なしの場合:≦100 U/L、減黄処置ありの場合:≦150 U/L

(vi) 総ビリルビン:減黄処置なしの場合:≦2.0 mg/dL、減黄処置ありの場合:≦3.0 mg/dL

(vii) 血清クレアチニン≦1.2 mg/dL

(viii) クレアチニンクリアランス*≧50 mL/min

* クレアチニンクリアランスはCockcroft-Gault式による推定値で50 mL/min以上であること。推定値で50 mL/min未満の場合、実測値で50 mL/min以上であることが確認されれば適格とする。

(13)CT造影剤アレルギーがない。

(14)試験参加について患者本人から文書で同意が得られている。


除外基準

(1)重複胆道癌を有する(例:胆嚢癌と胆管癌を有する)。

(2)活動性の重複がんを有する(同時性重複がん/多発がんおよび無病期間が5年以内の異時性重複がん/多発がん。ただし無病期間が5年未満であっても、臨床病期I期の前立腺癌、放射線治療により完全奏効となった臨床病期0期、I期の喉頭癌、完全切除された、以下の病理病期のがんのように5年相対生存率が95%以上相当のがんの既往は活動性の重複がん/多発がんに含めない)。

胃癌「腺癌(一般型)」:0期-I期、結腸癌(腺癌):0期-I期、直腸癌(腺癌):0期-I期、食道癌(扁平上皮癌、腺扁平上皮癌、類基底細胞癌):0期、乳癌(非浸潤性乳管癌、非浸潤性小葉癌):0期、乳癌(浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、Paget病):0期-IIA期、子宮体癌(類内膜腺癌、粘液性腺癌):I期、前立腺癌(腺癌):I期-II期、子宮頸癌(扁平上皮癌):0期、甲状腺癌(乳頭癌、濾胞癌):I期、II期、III期、腎癌(淡明細胞癌、嫌色素細胞癌):I期、その他の粘膜内癌相当の病変

※病期分類は、原則としてUICC-TNM第7版またはそれに準ずる癌取扱い規約に従う

(3)全身的治療を要する感染症(ウイルス性肝炎は除く)を有する。

(4)HIV抗体陽性である(HIV抗体は未検でも可)。

(5)登録時に38.0℃以上の発熱を有する。

(6)妊娠中、妊娠の可能性がある、産後28日以内、授乳中のいずれかに該当する女性。パートナーの妊娠を希望する男性。

(7)日常生活に支障をきたす精神疾患または精神症状を合併しており試験への参加が困難と判断される。

(8)ステロイド薬またはその他の免疫抑制薬の継続的な全身投与(内服または静脈内)を受けている。

(9)重篤な合併症(心不全、腎不全、肝不全、出血性の消化性潰瘍、腸管麻痺、腸閉塞)を有する。

(10)コントロール不良の糖尿病を合併している。

(11)胸水、腹水、心嚢水を有する(ただしPTBD・PTGBD処置やPTBD・PTGBDチューブ交換の際に少量の胆汁や血液が胸腔あるいは腹腔に流出した場合など、一過性で腫瘍に起因するものでないことが明らかな場合は適格)。

(12)不安定狭心症(最近3週間以内に発症または発作が増悪している狭心症)を合併、または6か月以内の心筋梗塞の既往を有する。

(13)コントロール不良の、弁膜症、拡張型心筋症、肥大型心筋症を有する。

(14)胸部CTで診断される、間質性肺炎、肺線維症、高度の肺気腫のいずれか、もしくは複数を合併する。

(15)フルシトシン(アンコチル®、ドメラジン®、アルシトシン®、ココール®)、フェニトイン(アレビアチン®、ヒダントール®、フェニトインN®)、ワルファリンカリウム(アレファリン®、サモファロン®、ワーファリン®)の継続使用が必要である。

(16)他のがん種に対するシスプラチンの総投与量が180 mg/m2を超えている。

(17)ロボット支援下手術を予定している。

(18)胆嚢摘出術後の病理診断で胆嚢癌と診断され(いわゆるincidental gallbladder carcinoma)、追加切除を予定している。

治験内容

研究のタイプ

特定臨床研究介入研究


主要結果評価方法

全生存期間


第二結果評価方法

無増悪生存期間、R0/R1切除患者の無再発生存期間(RFS)、R0/R1切除患者のOS、非切除割合、R0切除割合、R0/R1切除割合、リンパ節転移割合、術前化学療法の奏効割合(B群)、Clavien-Dindo Grade IIIa以上の有害事象発生割合、重篤な有害事象発生割合

利用する医薬品等

一般名称

シスプラチン、ゲムシタビン塩酸塩、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム


販売名

シスプラチン注10mg「日医工」 等、ゲムシタビン点滴静注用1g「ヤクルト」 等、ティーエスワン配合OD錠T25 等

組織情報

実施責任組織

国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院


住所

東京都中央区築地5-1-1