特定臨床研究
血友病A患者でインヒビターがない人を対象に、エミシズマブの効果を評価するための新しい血液凝固検査の妥当性についての研究
目的
この治験の目的は、エミシズマブという薬剤の投与下での止血モニタリングについて、基礎実験で確認された相関が臨床検体でどの程度ばらつくかを評価し、合成基質法で有効に行うためのエビデンスを創出することです。
対象疾患
参加条件
この治験に参加するための条件は、男性で20歳以上で、先天性重症・中等症血友病A患者で、第VIII因子インヒビターを保有していない人、または50回以上第VIII因子製剤を投与されたことがある人です。また、治験の内容について十分に説明を受け、同意が得られ、必要事項・手順を遵守できる人が対象です。エミシズマブ継続投与群(A群)、エミシズマブ新規導入群(B群)、第VIII因子製剤投与群(C群)にそれぞれ追加の選択基準があります。ただし、定期受診や出血時、手術・外科処置時の来院が困難である人、先天性血友病A以外の出血性疾患を有する人、肝機能や血小板数に異常を認める人、採血手技が著しく困難な人などは除外されます。
治験内容
この治験は、先天性血友病Aの一種である第VIII因子インヒビター非保有先天性血友病Aに対して、新しい治療法であるエミシズマブを評価するものです。治験のタイプは介入研究で、エミシズマブを投与する群と、従来の治療法である第VIII因子製剤を投与する群を比較します。主要な結果評価方法は、エミシズマブ血中濃度と第VIII因子活性の相関関係を調べることで、エミシズマブの効果を評価します。また、抗エミシズマブ抗体の評価や、止血状況や疾病等の発現の有無など、様々な評価項目があります。
AI 要約前の参加条件
介入研究
主要結果評価方法
A群(エミシズマブ継続投与群)とC群(第VIII因子製剤投与群)による、エミシズマブ血中濃度と第VIII因子活性の単回測定データによる集合的相関とそのばらつき
※1A群とC群について、合成基質法とTGAにて1回測定。コアテスト(注1)を用いた合成基質法で求めた第VIII因子活性に対し、合成基質法(レボヘム注2)について線形回帰式:FVIII = β1c x Emi + β0c、TGAについて線形回帰式FVIII = β1t x Emi + β0tをそれぞれ推定する。合成基質法における係数β1cと定数β0c、TGAにおける係数β1tと定数β0t、の平均値と95%信頼区間を求める。
注1)コアテストは合成基質法による第VIII因子活性測定試薬であり、欧米で広く用いられている。APTT凝固一段法と異なり、第VIII因子製剤の種類により測定値が変動しないため、C群における第VIII因子活性測定値として最適である。また、エミシズマブと反応しないため、エミシズマブの凝固能は評価できないが、エミシズマブ投与下で第VIII因子製剤が追加投与された場合でも第VIII因子活性だけを正確に測定できる。よってA・B群(エミシズマブ投与群)における第VIII因子製剤併用時の第VIII因子活性測定にも適している。
注2)レボヘムも合成基質法による第VIII因子活性測定試薬で、日本で保険適用となっている。コアテストと異なりエミシズマブと反応するため、エミシズマブの凝固能を測定できることが、基礎的に確認されている。本研究ではレボヘムを用いて、臨床検体におけるエミシズマブの凝固能を測定する。
第二結果評価方法
1)B群(エミシズマブ新規導入群)での、エミシズマブ血中濃度と第VIII因子活性の同一個体における相関の個体間のばらつき
※2 第VIII因子製剤投与前後の3ポイントと、エミシズマブ導入時の3ポイントを採血する。コアテストを用いて求めた第VIII因子活性に対し、合成基質法について線形回帰式:FVIII = β1cn x Emi + β0cn、TGAについて線形回帰式FVIII = β1tn x Emi + β0tnを個体別にそれぞれ推定する。合成基質法における係数β1cと定数β0c、TGAにおける係数β1tと定数β0tの平均値と95%信頼区間を求める。
2)C群での、TGAにおける第VIII因子活性とpeak thrombinの相関
※3 合成基質法は第VIII因子活性測定として確立している。TGAは先行論文では第VIII因子活性とpeak thrombinの線形相関が認められており、本研究で用いるTGA機器・試薬条件でも基礎的に線形相関が確認されているが、臨床検体における第VIII因子活性を用いて、peak thrombinとFVIIIの相関を再評価する。
3)年間出血回数(ABR)
年間出血回数(ABR)と合成基質法、エミシズマブ血中濃度の関連
4)抗エミシズマブ抗体の評価
第VIII因子製剤追加投与によるTGAと合成基質法の変化(増加)を、抗エミシズマブ抗体の有無で評価
56)止血状況及び疾病等の発現
臨床症状から得られる止血状況と血栓塞栓症を含む疾病等発現の有無
6)一般血液凝固検査の推移
第VIII因子製剤追加投与前後の一般血液凝固検査(血算、fibrinogen、FDP、D-dimer、PIC、TAT、SFMC)の評価
治験フェーズ
情報なし:
利用する医薬品等
一般名称
エミシズマブ
販売名
ヘムライブラ
実施組織
東京医科大学病院
東京都新宿区西新宿6-7-1
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