肺腫瘍血栓性微小血管症(Pulmonary tumor thrombotic microangiopathy)に対するポナチニブ投与の安全性・有効性確認を目的とした臨床研究

臨床研究

目的

本研究の目的は、PTTMにより肺高血圧症をきたし、化学療法の治療適応外と判断された症例に対して、ポナチニブ投与による治療を行い、①重篤な有害事象をきたさないことを検証すること、②肺高血圧症により生じた呼吸・循環障害の改善効果があるかどうかを血液検査、心電図、心エコー検査、心臓カテーテル検査所見の改善の有無を評価し、PTTMの血行動態の改善に有用であるかどうかを検討することである。 

 ポナチニブはこれまでにPTTMに対する有効性を示した報告は認められないものの、類似薬であるイマチニブについては複数の症例報告で有効性が示唆されている。自験例またその作用機序からは、ポナチニブがより有効である可能性が示唆されるが、十分なエビデンスがないため、本試験を企画した。有効性・安全性が示されれば、治療上の新たな選択肢となりうる。

基本情報

募集ステータス
募集中

対象疾患

情報なし

参加条件

性別

男性・女性


年齢

18歳 以上上限なし


選択基準

1) 肺腫瘍血栓性微小血管症(PTTM)の患者

・ PTTMの診断は、組織学的診断が可能であれば、肺生検(胸腔鏡下肺生検、TBLB、CTガイド下肺生検)を行い、「末梢肺動脈内の微小な腫瘍塞栓」、「末梢肺動脈の線維性内膜肥厚」を認める場合にPTTMと組織診断するが、肺生検などの侵襲的検査が困難な場合は、下記の3項目のうち、A)に加えてB)もしくはC)の2項目を満たした場合を臨床診断として扱う。

 A) 初発の肺高血圧症(右心カテーテル検査で安静時の平均肺動脈圧が25mmHg以上)

 B) 悪性腫瘍を有することが証明されている(原発巣不明の場合は、CTでのリンパ節腫大などの副次的所見、肺動脈吸引細胞診、リンパ節生検、腫瘍マーカー異常高値を悪性腫瘍存在の証明の代用とする)

 C) 肺血流シンチで末梢性の微小欠損像の多発を認める

2) 同意取得時において年齢が18歳以上の患者

3) 本試験の参加にあたり十分な説明を受けた後、十分な理解の上、患者本人もしくは代諾者の自由意思による同意が得られた患者

4) 入院患者


除外基準

1) 安全性への配慮から、研究責任医師が被験者として不適当と判断した患者

2) チロシンキナーゼ阻害薬による治療中の患者

3) 機械的循環補助導入後24時間以内に下肢阻血、脳卒中、低酸素脳症、出血性合併症、敗血症、その他重篤な合併症を生じた患者

治験内容

介入研究


主要結果評価方法

死亡、重篤な血管閉塞性事象の複合エンドポイントとする。また、試験薬投与開始後に発現した治療薬に関連した疾病等のうち、NCI CTCAE第4版によるグレード2以上を対象とし、内容別の発現割合を集計する。


第二結果評価方法

・右心カテーテル検査: mPAP、心拍出量(熱希釈法、Fick法)、心係数、肺血管抵抗(PVR)、混合静脈血酸素飽和度のベースラインから投与終了までの変化率

・心エコー検査: TRPG、推定PASP、推定mPAP、RVOT flowパターン、右室拡大(右室径、扁平化率)のベースラインから投与終了までの変化率

・WHO-FC: ベースラインから投与終了までの変化率

・バイタルサイン: 収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数

・全観察期間中に機械的循環補助装置(PCPS、IABP、Impella)から離脱が可能であったかどうか

・臨床検査値: BNP値のベースラインから投与終了までの変化量

・バイオマーカー: VEGF, PDGFなどのベースラインからの変化量

・試験薬の薬物動態:薬物動態パラメータの変化、定常状態の確認、蓄積性の有無について評価を行う。投与初日は7点、投与2日目は4点、その後は投与終了まで2点で血液検体を採取し、ポナチニブおよび活性代謝物の、血中濃度—時間曲線下面積、クリアランス、最高血中濃度、最低血中濃度、最高血中濃度到達時間、定常状態分布容積、平均滞留時間、半減期等を求める。

利用する医薬品等

一般名称

ポナチニブ


販売名

アイクルシグ