口腔扁平苔癬に対するグリチルレチン酸・CMC-Na軟膏の有効性・安全性試験
目的
口腔粘膜の慢性炎症を病態とする口腔扁平苔癬に対して、グリチルレチン酸・CMC-Na軟膏のの安全性・有効性を検討することを目的とする。
お問い合わせ情報
筑波大学附属病院
tymd99@tsukuba-seikei.jp
029-853-3219
治験内容の理解には医学的な知識が必要です。
治験実施組織に直接お問い合わせになる前に、受信中のお医者さまとご相談してください。
参加条件
男性・女性
選択基準
1)にて口腔扁平苔癬の病理診断を得た初発の口腔扁平苔癬患者2)口腔扁平苔癬に対してステロイド未治療の患者3) 本人から口腔扁平苔癬による疼痛の訴えがある患者(Numerical Rating Scale;NRS ≧1)4) 同意取得時において年齢が18歳以上の患者5) 本試験の参加にあたり、十分な説明を受け、理解し、文書同意が得られた患者6) 外来患者
除外基準
1)口腔扁平苔癬による疼痛が強い患者(平均NRS ≧7)2)試験薬に過敏症を有する患者3)妊娠中の患者4)の悪性腫瘍を有する患者5)生物学的製剤を使用中の患者もしくは本試験期間中に使用予定の患者6)免疫抑制剤を使用中の患者もしくは本試験期間中に使用予定の患者7)口腔扁平苔癬以外の疾患に対するステロイド治療を受けている患者8)急性腹症が疑われる患者9)重症の硬結便のある患者
治験内容
介入研究
安全性(副作用として考慮された臨床評価項目)・発生した有害事象について収集する。・検査項目における異常値を検出する。
・有効性については、試験薬投与前後での各評価項目の数値の比較をし、有効率を算出する。・口腔内蛍光観察装置で病変の観察を行う。病変部の関心領域(ROI: Region On Interest)は、暗色領域と蛍光可視低下領域を含む領域とする。ROI の面積(pixels)、輝度(cd/m2)の平均値ならびに標準偏差、変動係数(標準偏差/平均輝度)、対照(正常部)との輝度率[(病変部/対照部)x100%]を算出する。・*Thongprasom score0:所見なし、正常粘膜1:軽度の白色線状帯はあるものの、びらんを呈する粘膜所見は認めない2:白色線状帯が存在し、かつ粘膜の萎縮面積が1cm2以下である3:白色線状帯が存在し、かつ粘膜の萎縮面積が1cm2より広範囲である4:白色線状帯が存在し、かつ粘膜のびらん面積が1cm2以下である5:白色線状帯が存在し、かつ粘膜のびらん面積が1cm2より広範囲である・口腔扁平苔癬と診断するための生検検体で免疫組織学的染色を行う。これらマーカーの染色状態(たんぱく質の発現状態)を、negative (0-4%)、weak (5-25%)、moderate (26-50%)、strong (51-100%)と群分けし、評価しておく。それぞれの発現状態と本治療による効果について後方視的に検討する。・ Bax(アポトーシス促進マーカー)・ BCL-2(抗アポトーシスマーカー)・ CD-138(細胞接着マーカー)・ Histone 3(細胞増殖マーカー)・ MCM 3(細胞増殖マーカー)・ p53(がん抑制マーカー)・ CD8(T細胞マーカー)・滲みる症状や疼痛をNRSで評価する。
利用する医薬品等
グリチルレチン酸製剤、カルメロースナトリウム
販売名
デルマクリン®A軟膏1%、カルメロースナトリウム原末「マルイシ」
組織情報
筑波大学附属病院
茨城県つくば市天久保2-1-1