特定臨床研究
口内の白い斑点に効く軟膏の効果と安全性の調査
目的
この治験は、口腔扁平苔癬という病気に対して、グリチルレチン酸・CMC-Na軟膏という薬の効果と安全性を調べるものです。
対象疾患
参加条件
この治験に参加できる人は、18歳以上で男性でも女性でもOKです。ただし、以下の条件を満たす必要があります。 1. 口腔扁平苔癬という病気で、生検で診断された初発の患者。 2. 口腔扁平苔癬の治療をしていない患者。 3. 口腔扁平苔癬による疼痛がある患者(痛みの程度は1以上)。 4. 18歳以上の患者。 5. 治験について説明を受け、同意書にサインした患者。 6. 外来患者。 以下の条件を満たす人は、治験に参加できません。 1. 口腔扁平苔癬による疼痛が強い患者(痛みの程度は7以上)。 2. 試験薬に過敏症がある患者。 3. 妊娠中の患者。 4. 活動性の悪性腫瘍を持っている患者。 5. 生物学的製剤を使用中の患者、または本試験期間中に使用予定の患者。 6. 免疫抑制剤を使用中の患者、または本試験期間中に使用予定の患者。 7. 口腔扁平苔癬以外の疾患に対するステロイド治療を受けている患者。 8. 急性腹症が疑われる患者。 9. 重症の便秘がある患者。
治験内容
この治験は、口の中の病気である「口腔扁平苔癬」に対する新しい治療法を調べるものです。治験の段階はフェーズ1で、治験に参加する人たちには試験薬が投与されます。治験の主な目的は、試験薬の安全性を確認することです。治験中に発生した副作用や異常値を収集し、評価します。また、試験薬が有効かどうかも調べます。有効性は、治療前後での病気の状態を比較し、有効率を算出します。病気の状態は、口の中の蛍光観察装置で観察し、評価します。また、生検検体で免疫組織学的染色を行い、マーカーの染色状態を評価します。治験に参加する人たちは、滲みる症状や疼痛を評価するためにNRSという評価方法を使います。
AI 要約前の参加条件
介入研究
主要結果評価方法
安全性(副作用として考慮された臨床評価項目)
・発生した有害事象について収集する。
・検査項目における異常値を検出する。
第二結果評価方法
・有効性については、試験薬投与前後での各評価項目の数値の比較をし、有効率を算出する。
・口腔内蛍光観察装置で病変の観察を行う。
病変部の関心領域(ROI: Region On Interest)は、暗色領域と蛍光可視低下領域を含む領域とする。ROI の面積(pixels)、輝度(cd/m2)の平均値ならびに標準偏差、変動係数(標準偏差/平均輝度)、対照(正常部)との輝度率[(病変部/対照部)x100%]を算出する。
・*Thongprasom score
0:所見なし、正常粘膜
1:軽度の白色線状帯はあるものの、びらんを呈する粘膜所見は認めない
2:白色線状帯が存在し、かつ粘膜の萎縮面積が1cm2以下である
3:白色線状帯が存在し、かつ粘膜の萎縮面積が1cm2より広範囲である
4:白色線状帯が存在し、かつ粘膜のびらん面積が1cm2以下である
5:白色線状帯が存在し、かつ粘膜のびらん面積が1cm2より広範囲である
・口腔扁平苔癬と診断するための生検検体で免疫組織学的染色を行う。これらマーカーの染色状態
(たんぱく質の発現状態)を、negative (0-4%)、weak (5-25%)、moderate (26-50%)、strong
(51-100%)と群分けし、評価しておく。それぞれの発現状態と本治療による効果について後方視的に
検討する。
・ Bax(アポトーシス促進マーカー)
・ BCL-2(抗アポトーシスマーカー)
・ CD-138(細胞接着マーカー)
・ Histone 3(細胞増殖マーカー)
・ MCM 3(細胞増殖マーカー)
・ p53(がん抑制マーカー)
・ CD8(T細胞マーカー)
・滲みる症状や疼痛をNRSで評価する。
治験フェーズ
フェーズ1: 健康な成人が対象
利用する医薬品等
一般名称
グリチルレチン酸製剤、カルメロースナトリウム
販売名
デルマクリン®A軟膏1%、カルメロースナトリウム原末「マルイシ」
実施組織
筑波大学附属病院
茨城県つくば市天久保2-1-1
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