経皮的中隔心筋焼灼術における完全房室ブロック発生の予知および予防を目的とする術中ヒス束電位モニタリング下のエタノール投与の単群試験
目的
エタノールはその作用機序やこれまでの経験から,閉塞性肥大型心筋症に対する経皮的中隔心筋焼灼術において,冠動脈中隔枝内に注入されている。しかし,本薬の血管内投与は承認されておらず,さらに当手技による完全房室ブロックの発生は,上の問題となっているため本試験を企画した。術中ヒス束電位モニタリン下でエタノールを投与し,完全房室ブロックの発生を予知および予防することの有用性と安全性が示されれば,当手技はより有効かつ安全な手技として確立することができる。
お問い合わせ情報
筑波大学附属病院
tymd99@tsukuba-seikei.jp
029-853-3219
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参加条件
男性・女性
選択基準
1. 閉塞性肥大型心筋症の患者2. 左室流出路狭窄を呈する閉塞性肥大型心筋症に対して経皮的中隔心筋焼灼術を受ける患者3. β遮断薬,I群抗不整脈薬,カルシウム拮抗薬などの十分な薬物療法を受けている患者4. NYHA IIm以上の心不全症状,胸痛,失神など有症候の患者5. 安静時心エコー,運動負荷エコー,またはカテーテル検査で50mmHg以上の左室内圧較差が証明されている患者6. 40歳以上の男女7. 本試験の参加にあたり十分な説明を受けた後,十分な理解の上で患者本人の自由意思による文書同意が得られた患者
除外基準
1. 過去に経皮的中隔心筋焼灼術や外科的中隔心筋切除術を受けている患者2. DDDペースメーカーおよび植込み型除細動器移植後で,心室ペーシング中の患者3. 大動脈弁および僧帽弁置換術後の患者4. 冠動脈バイパス術後の患者5. 左室流出路狭窄ではなく,左室中部狭窄が主体の患者6. 冠動脈に未治療の有意狭窄病変を有する患者7. 造影剤アレルギーの既往を有する患者8. 気管支喘息の既往を有する患者9. Cre≥2.0 mg/dLの慢性腎臓病の患者 (ただし維持透析症例は除く)10. 重度のアルコール過敏の患者11. 妊娠中,あるいは妊娠の可能性がある女性12. その他,研究責任(分担)医師が被験者として不適当と判断した患者
治験内容
介入研究
術中完全房室ブロックの発生率
ヒス束電位モニタリングによる,エタノール投与前後のHV時間の変化ヒス束心電図の心室波の変化エタノール投与前後における体表心電図PQ時間の変化恒久的ペースメーカー挿入率術後の左室内圧較差の改善率
利用する医薬品等
無水エタノール
販売名
無水エタノール注
組織情報
筑波大学附属病院
茨城県つくば市天久保2-1-1