チオトロピウム/オロダテロール配合剤を服用する慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者における低線量胸部動態X線画像の有用性の検討
目的
COPD患者において、気管支拡張剤の効果を確認する方法に呼吸機能検査があるが、普及率や実施率が低いのが現状である。そのため、患者負担が少なく、簡便、安価で、さらに繰り返し可能な検査法の開発が、リアルワールドにおける喫緊の課題である。本研究の目的は、胸部動態X線画像撮影システムが、薬剤の効果(症状、呼吸機能の改善)を評価可能か検討することである。また、日本人母集団での、チオトロピウム/オロダテロールの残気量の改善効果は不明でありこの点についても検討する。
参加条件
性別
男性・女性
年齢
40歳 以上85歳 以下
選択基準
1) COPDと診断され内科的治療を既に行っている、または開始する患者
2) 同意取得時に40 歳以上、85歳以下の患者
3) 性別不問
4) 10pack-years以上の喫煙歴を有する患者
5) 気管支拡張薬吸入後の呼吸機能検査でCOPDの診断(FEV1/FVC<70%を受け、%FEV1が30%以上かつ80%未満の者
6) 立位にて努力呼吸、安静呼吸、息止めが可能である患者
7) 本試験の参加にあたり十分な説明を受けた後、十分な理解の上、患者本人の自由意思による文書同意が得られた患者
除外基準
1) 喘息の既往歴または合併(医師の判断による)のある者
2) 呼吸機能検査が適切に実施できない者(肺葉切除者を含む)
3) 歩行など移動能力が肢体機能障害により障害される者、骨折している者
4) COPD 急性増悪から1ヵ月以内の者
5) 発作性頻脈(100回/分以上)や生命に脅かす不整脈を有する者
6) 過去1年間に急性心筋梗塞の既往がある者、過去1年間に心不全のために入院歴のある者
7) 過去5年以内に悪性腫瘍(基底細胞癌、扁平上皮皮膚癌、消化管悪性腫瘍で内視鏡的粘膜切除術のみ施行された場合を除く)の既往がある者(但し、専門医の判断にて本研究登録時に PS 0で、歩行に問題なく、本研究参加期間中に治療が必要となるがんの再発が無いと見込まれる場合は除く)
8) 研究の主旨、方法が理解できない者
9) 明らかな認知症のある者
10) うつ病や神経症に対して、治療中の者(スコアは用いない。医師の判断とする)
11) 閉塞隅角緑内障、前立腺肥大等による排尿障害のある者、アトロピン及びその類縁物質あるいは本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある者
12) 妊娠中または授乳中の女性・妊娠可能な女性は避妊ができない場合
13) LAMA、LABAを服用している場合、一時的に休薬することが難しいと判断される者
14) その他、対象者として適切でないと研究責任医師、若しくは研究分担医師により判断される者
治験内容
介入研究
主要結果評価方法
肺野面積変化率
第二結果評価方法
横隔膜変位及び横隔膜移動速度
気管径変化量、気管径変化率
Maximum Pixel Change Rate
呼吸機能各指標
息切れスコア(BDI(ベースライン呼吸困難指数)/TDI(呼吸困難変化指数))
CAT(COPDアセスメントテスト)スコア
有害事象の発生頻度
機器の不具合
換気、血流、換気血流比
胸部単純CTパラメーター
利用する医薬品等
一般名称
チオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩製剤
販売名
スピオルト®レスピマット®