統合失調症、自閉スペクトラム症に対する新規QPS法のプロトコル開発研究
目的
本研究は、統合失調症及び自閉スペクトラム症に対して、TMSプロトコル*の一種であり、その中でも最も神経可塑性誘導効果の高いと考えられているquadripulse transcranial magnetic stimulation (QPS) 法を適用し、統合失調症や自閉スペクトラム症の病態基盤である「神経可塑性の低下」を回復させることによって、安全に治療効果を発揮させることができるかを検証することを目的とする。また、マルチモーダルmagnetic resonance imaging(MRI)撮像による皮質・皮質下結合を評価することで、統合失調症及び自閉スペクトラム症に対するQPS法の治療メカニズム及び治療反応予測因子を解明することを副次的目的としている。*本研究計画書に記載されている「プロトコル」とは、治療における刺激の時間間隔や刺激回数等の設定を新たに変更したものを指す。
参加条件
男性・女性
選択基準
1) Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition (DSM-5)にて統合失調症、自閉スペクトラム症の診断基準を満たす者2) 研究対象者本人から文書で同意取得が得られている者3) 同意取得時の年齢が20歳から65歳の男女4) 定期的に通院しており、過去3か月間は薬物療法に変更の無い者
除外基準
1) 脳器質性疾患(中等症以上の頭蓋内器質性病変や神経変性疾患等)のある者2) けいれん発作やてんかんの既往3) 過去6ヶ月間の物質関連障害4) 過去6ヶ月間に電気療法を受けたことのある者5) 重篤または不安定な身体疾患6) 妊娠中・授乳中もしくは妊娠を予定・計画している者7) アルコールアレルギーがある者8) 金属インプラントやペースメーカー、金属等の植え込み、閉所恐怖症、頭頚部のワンポイント(2×2㎝)より大きいサイズの刺青(タトゥー・アートメーク含む)等のTMSあるいはMRI施行に対する禁忌のある者9) 頭・首・体の大きさがMRIスキャナーに適さない場合10) 研究責任医師、分担医師が研究対象者として不適当と判断した症例
治験内容
介入研究
統合失調症患者:陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)得点の治療開始時からの変化量陰性症状評価尺度(BNSS)得点の治療開始時からの変化量自閉スペクトラム症患者:反復的行動尺度修正版(RBS-R)得点の治療開始時からの変化量
・QPS法によるTMS治療に伴う有害事象・以下の症状評価指標に関する2療開始時からの変化量統合失調症患者:- カルガリー統合失調症用うつ病尺度(Calgary Depression Scale for Schizophrenia, CDSS)- Repeatable Battery for the Assessment of Neuropsychological Status (RBANS)- Letter Number Sequencing Test(LNST)- Stroop Neuropsychological Screening Test (SNST)- Trail Making Test (TMT)- Executive Interview (EXIT25) 自閉スペクトラム症患者:- Vineland Adaptive Behaviour Scales II (VABS-Ⅱ)- Sensory Profile (SP)
利用する医薬品等
販売名
組織情報
新宿・代々木こころのラボクリニック
東京都渋谷区千駄ヶ谷五丁目27-5リンクスクエア新宿3階