特定臨床研究
2型糖尿病患者におけるSGLT-2阻害薬の効果についての研究:臓器の関係と交感神経活動の抑制
目的
この治験の目的は、SGLT2阻害薬という薬の効果を評価することです。異なる種類の薬を使って、SGLT2阻害薬の効果の違いを調べます。また、SGLT2阻害薬が心臓や血管にどのような影響を与えるかを調べるため、自律神経の活動を調べます。
対象疾患
参加条件
この治験に参加するための条件は、20歳以上の男性・女性で、以下の基準を全て満たす必要があります。 1) 2型糖尿病で、虚血性心疾患、虚血性脳卒中、末梢動脈疾患、心不全の既往がある、あるいは高血圧、脂質異常症、高齢、喫煙歴、肥満のうち1つ以上を有する人。 2) 6ヵ月間のグリメピリド又はルセオグリフロジン服用が可能な人。 3) HbA1cが7%以上の人。 4) Performance statusが0又は1である人。Performance status 0とは、全く問題なく活動できる状態・発病前と同じ日常生活が制限なく行える状態。Performance status 1とは、肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。 5) 登録前30日以内の臨床検査で主要臓器の機能が保持されている人。 6) 本研究参加にあたり十分な説明をうけた後、十分な理解の上、患者本人の自由意思による文書同意が得られた人。 ただし、以下のいずれかに抵触する人は本研究に登録できません。 1) グリメピリドあるいはルセオグリフロジンの成分に過敏症のある人。 2) スクリ−ニング4週以前にグリニド、SU薬、ルセオグリフロジン含むSGLT2阻害薬を服用している人。 3) 1型糖尿病、妊娠糖尿病の人。 4) 糖尿病性ケトアシドーシス又は高浸透圧高血糖症候群の状態にある人。 5) インスリンの絶対的適応と考えられる人(例;重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある人)。 6) 登録時、昏睡又は意識消失を伴う重度の低血糖症状の既往がある人。 7) 薬物治療を行っても、コントロール不十分な高血圧症の人。 8) 増殖網膜症又は早急に処理を要する黄斑症のある人。 9) 悪性腫瘍の既往がある人。ただし、適切に治療され治癒した基底細胞腫又は子宮頸部上皮内癌の既往がある人、1年以上前に悪性腫瘍の既往があっても再発がみられない人、研究期間中に悪性腫瘍の発症が発見された人は登録可とする。 10) 同意書取得前に重篤な合併症があり、医師が本研究の対象として不適当と判断した人。 11) 妊娠又は妊娠の可能性のある女性、及び授乳中の女性。 12) その他、研究責任医師又は研究分担医師が本研究の対象として不適当と判断した症例。
治験内容
この治験は、2型糖尿病患者を対象に、複数の動脈硬化危険因子を有する人や心血管疾患の既往がある人を対象に、新しい治療法の効果を調べるものです。治療法を内服する前と6ヶ月後に、交感神経活動の指標であるMSNAの変化を評価します。また、様々な評価方法を用いて、治療法の効果や安全性を調べます。具体的には、血糖や脂質、身体組成、骨の状態、副腎ホルモン、酸化ストレス、サイトカイン、ヘパトカインなどの変化を調べます。治療法によって有害事象が起こる可能性もあるため、安全性も評価します。治験に参加する患者さんは、治療法の効果や安全性について貢献することができます。
AI 要約前の参加条件
介入研究
主要結果評価方法
MSNAの変化;内服前と6ヵ月後でのMSNAの指標であるBurst Frequency(bursts/minute)の値の変化
第二結果評価方法
1. 内服前、3ヶ月後でのBurst Frequency(bursts/minute)
2. 内服前、3ヶ月後・6ヶ月後のBurst Incidence(bursts/100heartbeats)の値の変化
3. MSNA、心拍R-R間隔により算出した圧受容器感受性の変化
4. 短時間心拍変動解析CVR-R、長時間心拍変動解析により算出したLF、LF/HFの変化
5. 臓器特異的なインスリン感受性下記a-eの変化
a.肝内因性糖産生速度HGP
b.肝臓インスリン抵抗性HGP×インスリン値
c.肝臓インスリン抵抗性HGP抑制率
d.筋肉組織インスリン抵抗性末梢糖利用速度Rd
e.脂肪組織インスリン抵抗性遊離脂肪酸抑制率)
6. 酸化的・非酸化的糖代謝の変化(間接熱量測定法)
7. 基礎代謝、食事誘発性熱産生、呼吸商の変化(間接熱量測定法)
8. 血圧・脈拍の変化
9. 身体組成の変化(腹囲、インピーダンス法で測定した徐脂肪体重・脂肪量・筋肉量)
10. 血糖・インスリン感受性の変化(FPG、HbA1c値、GA値、IRI値、HOMA-R、QUICKI、CPI)
11. 脂質の変化(総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪)
12. 腎機能並びに電解質の変化(BUN, Cre, Na, K, Cl, 尿中Cr, 尿中アルブミン)
13. 骨への影響(ALP, Ca, iP)・変化
14. 副腎ホルモンの変化(レニン・アルドステロン・カテコラミン値・尿中カテコラミン値)
15. 酸化ストレスマーカーの変化(Fe, Ferritin)
16. 血中サイトカインの変化(レプチン、Adiponectin)
17. 血中ヘパトカインの変化(Selenoprotein P, LECT2)
18. 安全性・有害事象の評価(Ht、Na、BUN、3HBA、血糖状態、薬剤投与に伴う有害事象)
19. 心臓、肝臓、腎臓核医学検査によるwash out rate、H/M比、L/M比、K/BG比の変化
20. 経胸壁心臓超音波検査による左室収縮能、拡張能、心負荷(EF, LAD径, E/A, E/e’, TRPG, IVC径)の変化
21. EndoPATによる動脈硬化の変化
22. 交感神経活動とインスリン感受性・抵抗性・肝糖産生・グルカゴン値との関連性
23. 血液中に発現する糖・脂質代謝関連遺伝子の変動
治験フェーズ
情報なし:
利用する医薬品等
一般名称
ルセオグリフロジン水和物製剤、スルホニルウレア系経口血糖降下剤
販売名
ルセフィ、グリメピリド
実施組織
金沢大学医薬保健研究域医学系
石川県金沢市宝町13-1
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