本学で開発したHD羊膜は、特殊な機器が必要なく滅菌できるため、眼や皮膚、脳、骨、口腔内の治療に有用性が示されています。今回は、耳鼻咽喉科領域での治療効果と安全性を検証するために治験を行います。
この治験に参加するための条件は、20歳以上の男性・女性で、全身の状態が比較的良好な人です。また、耳、鼻、副鼻腔、口腔咽喉頭に関する手術を受けたことがある人も参加できます。ただし、過去に特定の手術を受けたことがある場合や、感染症を併発している場合、妊娠している可能性がある場合などは、参加できません。詳しくは医師に相談してください。
この治験は、介入研究と呼ばれる種類の研究で、耳疾患、鼻・副鼻腔疾患、口腔咽喉頭疾患を対象にしています。治験のフェーズはフェーズ1で、主要な結果評価方法は、耳疾患、鼻・副鼻腔疾患、口腔咽喉頭疾患それぞれについて、術後の骨壁表面の上皮化完成までの期間を評価することです。また、第二の結果評価方法として、疼痛、密着性、色調、血管新生、患者自身による印象度アンケートなどを用いて、患者の状態を評価します。口腔咽喉頭疾患については、経口摂取状況、疼痛、開口障害、舌運動障害、音声障害、嚥下障害、内視鏡を用いた評価などが行われます。
介入研究
①耳疾患
・中耳疾患
「術後の骨壁表面の上皮化完成までの期間」とする。なお、上皮化完成は「疼痛、耳漏、密着性、色調、血管新生」の各評価点にて「各項目の点数の総和が0となった時点」を「上皮化完成」と定義する。
・鼓膜穿孔閉鎖術
「穿孔閉鎖が完成する(上皮化)までの期間」とする。
・耳介皮膚病変摘出後の植皮
「植皮の生着(上皮化)」
②鼻・副鼻腔疾患
「術後の骨壁表面の上皮化完成までの期間」とする。なお、上皮化完成は「疼痛、耳漏、密着性、色調、血管新生」の各評価点にて「各項目の点数の総和が0となった時点」を「上皮化完成」と定義する。
③口腔咽喉頭疾患
「術後の粘膜欠損部の上皮化完成までの期間」とする。
① 耳疾患:中耳疾患/鼓膜穿孔閉鎖術/耳介皮膚病変摘出後の植皮/②鼻・副鼻腔疾患
ⅰ)疼痛
ⅱ)密着性
ⅲ)色調
ⅳ)血管新生
ⅴ)患者自身による印象度アンケート(客観エンドポイントとの関連性を確認することが目的)
③口腔咽喉頭疾患
ⅰ)経口摂取状況
ⅱ)疼痛:numerical rating scale (NRS)を用いて評価する。
ⅲ)開口障害
ⅳ)舌運動障害
ⅴ)音声障害
ⅵ)嚥下障害
ⅶ)内視鏡を用いた以下の評価
1: 出血
2: 創縁の肉芽増生
3: HD羊膜の付着性
4: HD羊膜の分解性
5: HD羊膜内への血管新生
6: 上皮化の進行状況
7: 狭窄の程度
8: 可動性
フェーズ1: 健康な成人が対象
利用する薬品情報はありません
富山大学
富山県富山市杉谷2630
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