この治験は、尿路腫瘍の手術時に光力学診断を使って再発や進展を抑制できるかどうかを調べ、また、5-アミノレブリン酸という薬の有用性と安全性を評価するものです。
この治験に参加するための条件は、20歳以上で男性・女性であることです。また、限局性上部尿路癌を持ち、腎温存治療を希望する患者で、以下のA~Eのいずれかに該当する場合に参加できます。 A. 単腎あるいは両側性に腫瘍が発生 B. 腎機能障害があり、腎機能温存によって将来の腎代替療法回避が期待される場合 C. Performance status が不良であり、臨床的に腎尿管全摘術が適応とならないと判断される場合 D. 対側に健常腎を有する場合で、腫瘍長径10mm以下の単発腫瘍の場合 E. 根治的腎尿管全摘除術をすすめたが受けないことを希望され、腎温存治療を希望された場合 また、尿管鏡下生検検査または尿細胞診検査にて病理学的診断が確定していること、病名・病態の告知を受け、十分な理解のもと、本人の自由意思による文書同意が得られていること、登録前60日以内の検査値で骨髄機能・臓器機能(腎機能は除く)が保たれていることが条件です。 ただし、5-アミノレブリン酸に対し過敏症の既往歴を有する症例、妊婦、授乳婦および妊娠している可能性がある患者、肝機能異常・炎症性疾患を合併する症例、ポルフィリン症患者またはポルフィリン類縁物質に対して過敏症又は既往のある患者、自らの意思で同意・内服ができない症例、研究責任医師又は研究分担医師が研究対象者として不適当と判断した患者は参加できません。
この治験は、限局性上部尿路癌(腎盂癌および尿管癌)の治療方法を研究するものです。治験のタイプは介入研究で、フェーズ2になります。主要な結果評価方法は、無増悪生存期間で、増悪の定義は、画像的(CTまたはMRI)局所進行または遠隔転移、または経過観察のための光力学的診断併用尿管鏡検査で尿路内視鏡的切除不能と判断された場合です。また、第二の結果評価方法には、再発生存期間、救済腎尿管全摘術までの期間、癌特異的生存期間、全生存期間、健康関連QOL、排尿症状、有害事象発現の評価、自排尿検体の尿細胞診およびウロビジョン検査、上部尿路採取尿の尿細胞診およびウロビジョン検査、試験薬(5-aminolevulinic acid hydrochloride)の安全性が含まれます。
介入研究
無増悪生存期間
増悪の定義:以下のいずれかに該当する場合
A. 画像的 (CT または MRI) 局所進行または遠隔転移 (イベント発生日:画像撮影日)
B. 経過観察のための光力学的診断併用尿管鏡検査で尿路内視鏡的切除不能と判断(イベント発生日:尿管鏡検査日)
1) 無尿路内腫瘍再発生存期間(膀胱内再発および上部尿路再発)
2) 救済腎尿管全摘術までの期間
3) 癌特異的生存期間
4) 全生存期間
5) 健康関連 QOL (SF-8 , EORTC QLQ-C30,FACT-BL) の変化 : 治療前および治療後 1,3,6,9,12, 18, 24 か月
6) 排尿症状 (IPSS, OABSS) の変化: 治療前および治療後 1,3,6,9,12, 18, 24 か月
7) 有害事象発現の評価 (CTCAE ver 5 を用いた評価)
8) 経過観察中の自排尿検体の尿細胞診およびウロビジョン検査
9) 経過観察中の上部尿路採取尿の尿細胞診およびウロビジョン検査
10) 試験薬 (5-aminolevulinic acid hydrochloride) の安全性
フェーズ2: 少数の軽度な患者さんが対象
5-アミノレブリン酸塩酸塩 (5-aminovelulinic acid)
アラグリオ (ALAGLIO)
奈良県立医科大学附属病院
奈良県橿原市四条町 840
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