切除不能肝細胞癌におけるアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法、外科的切除を用いた集学的治療の安全性、有効性を検討する多施設共同第II相臨床研究

目的

切除不能肝細胞癌に対するアテゾリズマブ、ベバシズマブ併用療法と外科的切除を用いた集学的治療の有効性を検討する。

基本情報

募集ステータス
募集中

対象疾患

肝細胞癌


治験フェーズ

情報なし

参加条件

性別

男性・女性


年齢

20歳 以上上限なし


選択基準

1.肝細胞癌と診断されており、肝細胞癌に対する薬物療法(ソラフェニブ、レンバチニブおよび免疫療法)の前治療歴がない

2.RECISTver1.1基準に基づく、少なくとも1個以上の標的病変を有する

3.年齢20歳以上

4.Eastern Cooperative Oncology Group Performance Status (PS) 0-1

5.適正な臓器機能

なお、当該期間内に検査結果が複数存在する場合は登録直近のものを採用し、登録前の測定にあたっては検査日前30日以内に輸血、造血因子製剤の投与は行っていないこと。

白血球数≧3,000/㎜³、好中球数≧1500/mm³、ヘモグロビン≧8.5g/dL、血小板数≧60,000/mm³、総ビリルビン≦3.0 mg/dL、血清アルブミン≧2.8g/dL、AST (GOT)、ALT (GPT) ≦5×各医療機関の上限値 (癌に伴う場合は除く)

血清クレアチニン≦各医療機関の上限値の1.5倍以下

尿蛋白: 2+以下 なお3+以上の場合、随時尿での尿中蛋白/クレアチニン比<2.0(24時間蓄尿の場合は尿蛋白<2.0g)

6.登録前14日以内のChild Pugh スコア 5-6

7.他の活動性悪性腫瘍が無い

8.研究参加について十分な説明を受け本人の文書によるインフォームド・コンセント (IC) が得られている。

9.肝細胞癌の腫瘍条件が以下のA、B、C、D、Eに分類*1 されるような切除不能肝細胞癌と判断されている。

A) [肝内脈管侵襲] 肝内腫瘍はVv2-3、Vp2-4、B2-4に分類される。肝外腫瘍を認めない。

Vv2:右中左肝静脈本幹、下右肝静脈、短肝静脈のいずれかに侵襲・腫瘍栓を認める

Vv3:下大静脈に侵襲・腫瘍栓を認める

Vp2:門脈二次分枝に侵襲・腫瘍栓を認める

Vp3:門脈一次分枝に侵襲・腫瘍栓を認める

Vp4:門脈本幹、対側の門脈枝に侵襲・腫瘍栓を認める

B2:胆管二次分枝に侵襲・腫瘍栓を認める

B3:胆管一次分枝に侵襲・腫瘍栓を認める

B4:総胆管に侵襲・腫瘍栓を認める

B) [同時性肝外転移] 肝内腫瘍は肉眼的脈管侵襲なく、切除可能である。遠隔臓器転移、腹膜転移、リンパ節転移、および穿刺経路に沿った腫瘍播種などの肝外腫瘍を認める。*2

C) [肝内脈管侵襲と同時性肝外転移] 肝内腫瘍はVv2-3、Vp2-4、B2-4で、同時性肝外転移と診断される*2。

D) [肉眼的腫瘍遺残] 全ての肝内腫瘍切除は困難だが治療的に意義のある外科的切除を行う場合*3。

E) [異時性肝外転移] 肝内腫瘍が認められないか、または制御可能である。肝外転移と診断される*4。

*1 A-Eの腫瘍条件は予後不良であり腫瘍学的には切除不能である。また、世界で頻用されているBCLCガイドライン (付録3) でも切除不能に分類される。従来は、肝細胞癌切除症例数の多い⼀部の施設のみで、症例を選んで肝外転移や脈管侵襲を伴う肝細胞癌に対して外科的切除を⾏ってきたが、その⻑期予後はこれらを伴わない症例と比較して不良である。

*2 単一の臓器転移に限局する。副腎:両側転移を認めない。リンパ節転移に関しては、腹腔内転移例に限局する。腫瘍数の上限は、肺転移5個、リンパ節転移2個、腹膜転移5個、骨転移1個、穿刺経路再発1個である。肝外転移の診断が困難な際はPETなど必要と思われる検査を実施し、各医療機関において研究の適格性を総合的に判断する。

*3 生存便益またはQOLの改善が期待される。

*4 骨転移のある患者は除外するが、それ以外は*2と同様である。


除外基準

1.治療を目的とした(予防的投与でない)経口的もしくは非経口的な抗凝固薬または血栓溶解薬の全量投与を受けている、または登録前10日以内に受けたことがある*。

*具体例: アスピリン(>325mg/日)、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル、またはシロスタゾールを現在使用している、または登録前10日以内に使用した等

2.出血を伴うまたはそのリスクが高い、未治療または十分に治療されていない食道静脈瘤および / または静脈瘤を有するか、登録前180日以内に食道静脈瘤および / または静脈瘤による出血歴がある。(なお、登録前に食道胃十二指腸内視鏡検査(EGD)を実施し、実施医療機関の標準療法に従って、大小を問わずすべての静脈瘤について検査および予防的治療を行うこと。登録前180日以内にEGDを受けており静脈瘤の存在が否定されている場合、再度の実施は不要とする。)

3.登録前180日以内に血栓症・塞栓症を発症している。

4.登録前28日以内に大きな外科的手術(開胸、開腹手術、胸腔鏡下手術、腹腔鏡下手術等)を受けている。開創生検、または重大な外傷に対する縫合処置を受けている、あるいは研究期間中に大きな外科的手術(開胸、開腹手術)が予定されている。

5.登録前180日以内に免疫賦活剤(インターフェロン、インターロイキン2[IL-2]等)の全身投与を受けている。

6.登録前14日以内に免疫抑制剤(副腎皮質ステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキサート、サリドマイド、腫瘍壊死因子[TNF]-α阻害剤等)の全身投与を受けている、または研究期間中に免疫抑制剤の全身投与が必要になることが予想される場合。ただし、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または喘息に対するミネラルコルチコイド(フルドロコルチゾン等)もしくは副腎皮質ステロイドの投与を受けた場合などを除く。

7.登録前180日以内に自己免疫性疾患の既往歴および合併症がある

8.活動性の重複癌または悪性腫瘍の既往歴がある*(同時性重複癌および無病期間が3年以内の異時性重複癌)。* 適切に根治的治療を施された上皮内子宮頸癌、基底細胞癌、表在性膀胱腫瘍、早期食道癌、早期胃癌・早期大腸癌等根治的治癒を施行された再発のリスクの低い早期癌は除く。

9.未承認薬の研究、あるいはその他介入を要する研究に参加している(フォローアップ期間中も含む)。

10.登録前90日以内の重大な心血管系疾患(ニューヨーク心臓協会[NYHA] Class II以上の心疾患、心筋梗塞)、不安定不整脈または不安定狭心症を有する。

11.妊婦、授乳婦、妊娠検査陽性(妊娠検査は過去1年以内に月経を有する女性を対象に実施)、本研究期間中に避妊する意思のない女性および男性。

12.臨床的にコントロール不能の胸水、心嚢液貯留または腹水がある

13.肝性脳症の合併症がある

14.以下のような重篤な合併症

・降圧剤使用の有無にかかわらず、コントロール不能な高血圧

・登録前28日以内の重度の感染症(例: 感染の合併症による入院、菌血症、重度の肺炎)がみられていた。ただし、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)は除く。

・腎不全により血液透析を受けている、重篤な精神疾患、血管造影を妨げる造影剤に対するアレルギー反応*。*造影CTと造影MRIの両方が出来ない場合(どちらかが可能であれば登録可)

15.キメラ抗体、ヒト化抗体、または融合蛋白質に対する高度のアレルギー反応またはアナフィラキシー反応の既往歴がある。

16.チャイニーズハムスター卵巣細胞由来製品またはアテゾリズマブもしくはベバシズマブ製剤の成分のいずれかに対する過敏症が既知である。

17.出血性の疾患、または消化管出血または活発な喀血の既往歴がある

18.経口摂取困難である

19.HIV陽性症例

20.活動性の肺線維症または間質性肺炎を有する症例

21.登録前14日以内の輸血の施行またはG-CSF製剤などの投与を行った症例

22.全身状態不良であり、研究の参加にふさわしくないと主治医が判断した場合

*なお、COVID-19感染症の既往がある場合も上記適格基準を満たし、除外基準に当てはまらない場合には試験対象となる。

治験内容

研究のタイプ

特定臨床研究介入研究


主要結果評価方法

無増悪生存期間


第二結果評価方法

1) 全奏効率(Overall Response Rate: ORR; RECIST ver1.1およびmRECIST)

2) 無増悪生存期間 (Progression-Free Survival: PFS; mRECIST)

3) 全生存期間(Overall Survival : OS)

4) 外科的切除率

5) 肉眼的治癒切除率

6) 有効なプロトコール治療による外科的切除率

7) 薬剤治療後のICG15分停滞率

利用する医薬品等

一般名称

アテゾリズマブ(遺伝子組換え)、ベバシズマブ(遺伝子組換え)、ベバシズマブ(遺伝子組換え)


販売名

テセントリク点滴静注1200mg、アバスチン点滴静注用100mg/4mL、アバスチン点滴静注用400mg/16mL

組織情報

実施責任組織

京都大学医学部附属病院


住所

京都府京都市左京区聖護院川原町54