この治験は、強膜炎という病気に対して、メトトレキサートとベタメタゾンという薬を点眼で併用することが効果的かどうかを評価するものです。
この治験に参加するための条件は、18歳以上70歳以下の男性または女性で、神戸大学医学部附属病院眼科に通院または入院中の強膜炎患者です。強膜に活動性炎症を伴い、2週間以上のステロイド点眼治療歴があり、再発もしくは炎症の遷延を認める強膜炎スコア1以上の特発性非壊死性強膜炎患者が対象です。また、本剤投与前・投与中及び投与中止後3か月避妊することに同意を得られる男性及び女性、もしくは医学的に生殖能を有さないと判断される男性及び女性であることが必要です。ただし、強膜炎のうち、後部強膜炎もしくは上強膜炎のみを有する患者や、感染症に伴う強膜炎を有する患者、高度な腎障害を有する患者、免疫抑制薬やステロイド薬をすでに使用している患者、妊娠中、授乳中、または妊娠している可能性がある患者、悪性腫瘍がある患者、内眼手術や緑内障手術を施行または本臨床研究中に手術が必要になると予想される患者、MTX及びベタメタゾン点眼の成分に対して過敏症の既往歴のある患者、重大な血液・リンパ系障害を有する患者、肝障害を有する患者、高度な呼吸器障害を有する患者、重症感染症を有する患者、当該薬剤の禁忌となる対象疾患を有する患者、または研究責任医師や研究分担医師が研究対象者として不適当と判断した患者は除外されます。
この治験は、強膜炎という病気の治療法を研究するものです。治験の種類は「介入研究」で、治療薬を投与することで効果を調べます。主な評価方法は「Treatment success」という治療成功の基準を満たすかどうかで、24週後に再発せず、薬の投与回数が少なくなり、病気が非活動状態になっているかどうかを調べます。また、36週や48週でも同様の評価を行います。治療の効果を判断するために、強膜炎スコアという評価方法を使います。治療によって病気が改善されるまでの時間や、レスキュー治療が必要になった場合の評価も行います。安全性についても評価し、治療によって副作用が起こらないかどうかを調べます。
介入研究
プロトコル治療後24 週時点でのTreatment success
定義:Treatment success:以下の2項目を満たすことをTreatment successと定義する
・Standardized grading system for scleritis (強膜炎スコア)の効果判定に基づき、研究薬投与開始後に再発なくベタメタゾン点眼≤2回/dayで非活動性(強膜炎スコア0か0.5)に移行していること
・レスキュー治療を受けていないこと
有効性評価項目
・36週、48週各時点のTreatment success
• Treatment successまでの時間
・Standardized grading system for scleritisによるスコア(2,4,8,16,20,24,36,48週の各時点)
定義: 各visitでは4象限(鼻耳上下)の前眼部強膜撮影を行い、画像に基づいて担当医が強膜炎スコアの判断を行う。判定は最も重症度の高い象限の強膜炎スコアを採用する。なお得られた画像は研究終了時に前後をマスクして第3者によるスコア付(強膜炎スコア)を行って、主治医の臨床判断との一致率を確認する。
・24週, 36週、48週後の各時点の Modified treatment success
定義:Modified treatment success:Standardized grading system for scleritis の効果判定に基づき、研究薬投与開始後にステロイド内服(プレドニゾロン換算)≤7.5㎎もしくはベタメタゾン点眼≤2回/dayで非活動性(強膜炎スコア0か0.5)に移行し維持すること
• Modified treatment successまでの時間
・Standardization of Uveitis Nomenclature (SUN)分類による前房内炎症の経過(cell及びflare)(0,2,4,8,16,20,24,36,48週の各時点)
・後眼部炎症の有無
・後眼部炎症が生じた場合のStandardization of Uveitis Nomenclature (SUN)分類による硝子体炎症の経過(haze)(0,2,4,8,16,20,24,36,48週の各時点)
• レスキュー治療の有無
レスキュー治療ありの場合
レスキュー治療の種類
レスキューの理由(再発/治療抵抗症例数/その他)
治療開始(day1)からレスキュー治療を要するまでの時間
レスキュー治療開始から寛解までの期間
・補助療法の有無、補助療法の治療の内容、補助療法の回数
定義:再発:Standardized grading system for scleritisによるスコアが一度0.5以下に下がったものの、次回VISIT以降にスコアが1以上に上昇した症例。
治療抵抗性:ステロイド点眼を1日4回以上8週間継続してもStandardized grading system for scleritisによるスコア が一度も0.5以下にならない症例。
•
・点眼終了までの総点眼期間
• 矯正視力およびスクリーニング時点からの変化量(2,4, 8,12,16,20,24,36,48週の各時点)
• 眼圧およびスクリーニング時点からの変化量(4, 12,24,36,48週の各時点)
• 黄斑浮腫の有無(24週、48週のみ)
・両眼強膜炎症例の非対象眼についても上記と同様の評価を行う
安全性評価項目
薬剤中止(MTX、ステロイド点眼)
観察期間中の疾病等の発生
定義:プロトコル治療に関連した疾病等の発生の有無。同一の対象者に同一の疾病等を複数回認めた場合は、最悪の重症度を用いる。
緑内障もしくは高眼圧症の発症
白内障の発症
眼感染症の発症
全身感染症の発症
消化器症状の発症
肝機能障害の発症
腎機能障害の発症
間質性肺炎の発症
脳症(白質脳症を含む)の発症
その他の合併症発症ないし悪化
情報なし:
メトトレキサート、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム液、フォリアミン、メトトレキサート
メトトレキサート、リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%、フォリアミン錠、メトトレキサートカプセル
神戸大学医学部附属病院
兵庫県神戸市中央区楠町7-5-2
治験の詳細を確認し、患者の方に合致しているかを診断してください
ご確認後、連絡が適切だと判断された場合は上記のお問い合わせ情報から担当の方にご連絡ください
Kibou は治験の募集・情報提供をすることを目的としたプラットフォームです。 治験情報の提供や、被験者の募集について詳しい資料の請求はお問い合わせフォームからお問い合わせください。