前頭葉への単回の連続的シータバースト刺激(cTBS)によるパーキンソン病患者のパレイドリアへの影響の検討
目的
単回の連続的シータバースト刺激(cTBS)で前頭葉の脳活動を抑制させてパレイドリアの一時的な軽減の有無を見ることにより、パーキンソン病患者におけるパレイドリアの前頭葉の役割を解明する。
参加条件
性別
男性・女性
年齢
40歳 以上80歳 以下
選択基準
1) MDS診断基準によりパーキンソン病と診断されている
2) 同意取得時の年齢が40歳以上80歳以下である
3) NPTにより、軽度の幻覚を有すると診断されている(カットオフ値:2)
4) 本人により書面にて同意取得が出来ている
5) ON状態の重症度が修正Hoehn-Yahrが3以下で、レボドパかドパミンアゴニストかMAO-B阻害薬のいずれかによるドパミン系の薬物治療を必要としている
6) 同意取得日前30日以内のパーキンソン病の治療薬やコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン)が安定している
7) 抗パーキンソン病薬にてON状態を検査中(2時間以上)に維持できる
8) 社会経済背景の中の本人の学歴が中学卒業以上である
9) 裸眼または矯正視力で正常な視力がある(スネレン指標で20/30以下)
除外基準
1) 認知機能の低下を認める(MMSEで23点以下)
2) 重度のうつ症状を有している(BDI-Ⅱで28点以上)。またはBDI-IIが17〜27点で、かつ、(1)質問事項9(自殺に関する質問)に1点以上がつく、または(2)うつ病として治療を受けている、または(3)うつが評価やプロトコルに影響すると医師が判断する、のいずれかに該当する者。なお(1)に該当する場合や重度のうつの場合は精神科や心療内科にコンサルトする。
3) 抗精神病薬(オランザピン、リスペリドン、クロザピン)を内服している
4) パーキンソンニズムを起こす可能性のある抗精神病薬等の薬物を本研究への登録 時より60日前までに内服している
5) 初期から顕著に小脳症状や錐体路兆候や自律神経障害を認めたり、核上性眼球運動障害を認めたり するといったパーキンソン病として非典型的な症状が診断時に有しているもしくは診断から1か月の間に出現している
6) 痙攣、てんかんまたは原因不明の意識消失の既往がある
7) 過去に失神をしたことがある
8) 脳構造に異常があると診断されたことがある
9) 脳外科的手術等で頭蓋内や脊髄内に金属インプラントが埋め込まれている
10) ペースメーカー、補助人工心臓、迷走神経刺激装置、深部脳刺激装置、脳室埋め込みシャントなどが体内に埋め込まれている
11) 妊娠している
12) 過去に反復経頭蓋磁気刺激を受けたことがある
13) 過去に電気痙攣療法を受けたことがある
14) 糖尿病、心疾患や高血圧のコントロールが不良である
15) 本研究への 登録時にTMSの適応外となる薬物を内服している(イミプラミン,アミトリプチリン,ドキセピン,ノルトリプチリン,マプロフィリン,クロルプロマジン,クロザピン,フォスカルネット,ガンシクロビル,リトナビル,アンフェタミン(MDMA,エクスタシー),コカイン,フェンシクリジン,ケタミン,γ-ヒドロキシブチレート(GHB),テオフィリン,ハロペリドール)
16) 試験実施に影響を与えるジスキネジアがある
17) その他、研究責任医師または研究分担医師が本研究の対象として不適当と判断したもの
治験内容
介入研究
主要結果評価方法
cTBS刺激前後に施行されるNPTでのパレイドリアスコア(NPTスコア)の変化量(NPTcTBS後 – NPTcTBS前)
第二結果評価方法
① 安全性 – cTBS開始後以降の有害事象の報告
② sSTAI – 簡易版状態-特性不安検査スコアの変化
③ B-JLO – ベントンの線方向判断テストスコアの変化量
④ 安静時・NPTでのEEG(閉眼)
⑤ NPTでの顔の弁別力(D-prime)
⑥ NPTでの視線計測においてパレイドリア・顔領域へ視線を向けた時間