新潟病院では、自閉スペクトラム症の小児が多く来院しており、従来から感覚統合を主体とする療育が行われているが、自閉症児のDQ/IQ改善効果については、その効果は十分に知られていない。今回、週10時間程度の低強度のABAの、なかでも最も基本的なDTTについて、その健全性を検証するために治験を行う。
この治験に参加するには、15歳以下の男性・女性で、2021年8月1日から2022年7月31日の間に新潟病院小児科外来を受診したことがある患者が対象です。また、自分で研究に参加する意志があり、親権者から同意書を提出できること、ASDと診断されたこと、他に重度の身体障害がないことが条件です。ただし、担当医師が参加や評価に支障をきたすと判断した場合は除外されます。療育の併用は問題ありません。
この治験は、ASDという疾患に対して、DTTセラピーという治療法が効果的かどうかを調べるものです。治験のタイプは観察研究で、1年間にわたって児の表情を評価することで、治療の効果を調べます。また、児の身体的な健康状態や親の精神的な健康状態も調べます。さらに、児の認知特性についても評価し、治療の有効性や健全性についても評価します。治験の目的は、ASDの治療において、DTTセラピーが有効かどうかを明らかにすることです。
観察研究
登録開始時と1年後で、DTTセラピー中の児の表情を評価する。
児の表情がよく写るように、親(主養育者)に連続する20分間動画を撮影してもらう。評価は同じ研究分担者(リハビリテーション科スタッフ)3名で行い、2分間のインターバルごとの計10回、表情を判定し、【笑顔/笑い声】・【泣き顔/泣き声】、それぞれの割合(%)の平均を値とする。例えば【泣き顔/泣き声】について判定者Aが1回/10回、判定者Bが2回/10回、判定者Cが3回/10回と判定したなら、平均を取り20%となる。1年後の動画で再評価し、【泣き顔/泣き声】だけが極端に増加した児について「不健全」とする。
①児の通常の小児科診察所見:一年後の診察で身長または体重の増加不良(成長曲線からの逸脱)がないか、腹部診察での異常所見がないか、不明な外傷の増加がないか。
②BDI-IIとGHQ-28:簡便な質問紙を用いた方法で親の抑うつと精神健康度に、1年間で悪化がないか。
③新版K式発達検査2001によるDQ算出は全員に施行、またWPPSI(ウェクスラー幼児用知能検査第3版)によるIQ算出は2歳6か月以降の児に行い、1年間のDTT療育の効果を個々の児で確認する。
④研究登録時にはPARS-TRとSRS-2を行いASDの診断と特性を評価する。WPPSIでの評価を併せ、とくにDQ/IQ上昇の程度が高い児に特徴的な認知特性がないか検討する。
⑤動画を同じ研究分担者(リハビリテーション科スタッフ)3名に見てもらい、健全性と有効性について主観的評価をしてもらう:健全性については、二つの動画で体罰だと感じられる場面がなかったか、一年後の児の様子に怯えた様子は見られなかったか。有効性については、自分が従来行ってきた療育経験に鑑みて、研究対象者それぞれについてDTTセラピーが有効と感じたかどうか。
情報なし:
利用する薬品情報はありません
国立病院機構新潟病院
新潟県柏崎市赤坂町3-52
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