水疱性角膜症に対するiPS細胞由来角膜内皮代替細胞移植の安全性及び有効性を検討する探索的臨床研究
目的
本研究の目的は、角膜移植後に水疱性角膜症を再発した患者を対象とし、iPS細胞由来角膜内皮代替細胞移植の安全性及び有効性(治療効果)を探索的に検討することである。水疱性角膜症の唯一の治療法は角膜移植であり、現在、日本国内の提供角膜により、年間1,300件の移植が行われているが、角膜移植希望者の需要をまかないきれておらず、海外からの輸入角膜に頼っているのが現状である。本臨床研究は、細胞源として他家iPS細胞を用いる点、iPS細胞から分化誘導させた角膜内皮代替細胞を用いる点、凍結保存した角膜内皮代替細胞を解凍して用いる点で新規性が認められる。iPS細胞由来角膜内皮代替細胞移植により、水疱性角膜症で生じた角膜浮腫の軽減と透明性の回復が期待され、将来的にはドナー角膜に依存しない水疱性角膜症の第一選択治療としての、新規治療法の確立が期待される。
参加条件
性別
角膜浮腫
年齢
水疱性角膜症D015715
選択基準
男性・女性
除外基準
【被験者の中止】
1) 被験者が協力の中止を希望した場合
2) 同意取得後、選択基準に合致しない又は除外基準に抵触することが判明した場合
3) 有害事象が発現し、研究継続が困難と判断した場合
4) 被験者が実施計画書の規定を遵守できないと実施責任者及び再生医療等を行う医師が判断した場合
5) 本臨床研究自体が中止された場合
また移植用の細胞が入手できない、あるいは細胞又は細胞懸濁液(CLS001)を製造できない場合は、被験者の参加を中止する。
6) 移植用の十分な細胞が入手できない場合
7) 移植に適切と考えられる細胞又は細胞懸濁液(CLS001)が製造できない場合
8) 移植当日、被験者に37.5℃以上の発熱がみられた場合。
9) 移植当日、被験者の血圧が収縮期血圧>200 mmHg、拡張期血圧>120 mmHgのいずれかの場合。
【研究全体の中止】
海外を含め、本臨床研究実施計画に関連して、内容の妥当性が否定された場合、妥当性に強い疑問が生じた場合、予期せぬ有害事象が認められた場合等、研究の実施が医学的又は倫理的に不可能と判断された場合、実施責任者は速やかに独立データモニタリング委員会と協議し、研究を中止する。また、実施責任者及び再生医療等を行う医師又は提供機関が本臨床研究実施計画書に定めた事項に違反することにより、適正な研究実施が担保され得ない状況を生じた場合、再生医療等委員会へ意見を仰ぎ、再生医療等を行う医療機関の管理者が本臨床研究の中止を決定する。
治験内容
非盲検
主要結果評価方法
【安全性評価項目】
①安全性評価項目(全身)
全身症状を含む全ての有害事象
②安全性評価項目(眼科)
[iPS細胞由来角膜内皮代替細胞に起因する以下の有害事象]
・目的外細胞増殖
・眼圧上昇
・拒絶反応
[移植手術・手技に起因する以下の有害事象]
・感染症
・白内障の進行
・駆出性出血
第二結果評価方法
有効性評価項目
・視力
・角膜厚
利用する医薬品等
一般名称
メカセルミン(遺伝子組換え)、ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウム、トリパンブルー
販売名
ソマゾン®、水溶性ハイドロコートン®、VisionBlue®