凍結PRPを用いた歯周組織再生治療
目的
近年、製造した Platelet-Rich Plasma(多血小板血漿。以下「PRP」) を凍結保管し、治療当日に融解したPRPを投与する臨床応用が報告され、臨床現場の負担軽減に資する効率的なPRP治療として期待されている。 しかしながら、凍結保管されたPRPを融解し投与する方法(以下「凍結PRP」)は新しく、日本人に対する安全性評価も不十分であるため、患者本人の利益が治療のリスクを上回ることを確認することが必要である。 そこで今回、 再生医療等の安全性の確保等に関する法律の下で多く実施されている歯周炎により破壊された歯周組織再生を目的とした凍結PRP治療の安全性及び妥当性を評価する探索的試験を計画した。
参加条件
男性・女性
選択基準
(1) 歯周基本治療後にプロ-ビングデプス5 mm以上の歯周ポケットが1歯又は複数連続歯に認められる者(2) X線検査により、深さ5 mm以上かつ幅2 mm以上の垂直性骨欠損が歯間部に認められる者(3) 歯周病基本治療が終了している者(4) フラップ手術が適当であると判断される角化歯肉が存在する者(5) 口腔衛生が確立しており、最終特定細胞加工物移植後も研究責任者又は研究分担者の指導に従った口腔清掃を行うことが可能であると研究責任者又は研究分担者が判断した者(6) 同意取得時に18歳以上の者(7) 本臨床研究の参加について文書により同意が得られている者
除外基準
(1) 被験歯の臨床的アタッチメントレベルの測定が不可能な者 (2) 悪性腫瘍を合併している者。またはその既往が登録前5年未満の者 (3) 登録前口腔内診断において、悪性腫瘍、前癌病変またはそれらが疑われる所見のある者 (4) 最終特定細胞加工物移植後36週以内に被験部位の評価に影響を及ぼす処置(外科的処置または補綴処置や根管処置等)を行うことが必要な者 (5) 妊娠中、授乳中、登録前妊娠検査により妊娠の可能性がある、あるいは移植36週後までに妊娠を希望している者 (6) 腎障害、肝障害、血液障害を合併している患者 (7) 登録前の血中ヘモグロビンA1cが6.8 %以上の患者 (8) 活動性の感染症を有する者 (9) アルコール又は薬物の依存症を有する者。または、その既往が登録前6ヵ月以内の者 (10) 精神疾患を合併している者 (11) HCV抗体、HBs抗原、ATLAウイルス抗体またはHIV抗体陽性の者 (12) 喫煙者(平均10本/日以上の喫煙数) (13) 抗凝固剤を服用している患者 (14) その他、歯科医師の判断により、当研究への参加が不適当と考えられる者
治験内容
利用する医薬品等
販売名
組織情報
順天堂大学医学部附属順天堂医院
東京都文京区本郷3-1-3