COVID-19に対するフルボキサミンの重症化予防効果に関する医師主導治験
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国立大学法人 千葉大学 医学部附属病院
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参加条件
男性・女性
選択基準
以下のすべての条件に該当する患者を対象とする。1) 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き(8.1版)」の軽症~Ⅰ(呼吸不全なし)(主要評価項目のスコア1及び2に該当)の症状を有する患者。2) 時に、発熱(37.5℃以上)に加え、次の症状の1つ又は複数を伴う症状があること。咳、息切れ、筋肉痛、鼻汁、咽頭痛、頭痛、嘔気・嘔吐、腹痛、下痢、無嗅覚症(嗅覚不能)、味覚消失(味覚不能)3) 同意取得前3日以内に上下気道由来検体からP検査(核酸増幅法)又は抗原検査にてが検出された患者。4) 同意取得時に年齢が50歳以上の日本人成人又は重症化リスクを有する40歳以上の者(男女は問わない。日本国籍を有する者)。5) 本治験の参加にあたり十分な説明を受けた後、十分な理解の上、本人の自由意思による文書同意が得られた患者。
除外基準
以下のいずれかの条件に該当する者は対象としない。1) 症状発現から登録までに8日以上経過している患者。2) 経皮的動脈血酸素飽和度が(SpO₂)が93%以下の患者。3) 以下のいずれかの基準を満たす自殺傾向のある患者。・ コロンビア自殺評価スケール(C-SSRS)に基づく何らかの自殺の意思を伴う自殺念慮が現在又は過去6ヵ月以内にみられた被験者(C-SSRSの自殺念慮に関してItem 4[積極的な自殺念慮-実行する意思が多少あるが具体的な計画はない]又はItem 5[積極的な自殺念慮-具体的な計画及び意思あり]が“はい”に相当するもの。非重篤な項目(C-SSRSの自殺念慮の項の1~3)のみ該当した被験者に限り治験責任医師又は治験分担医師の判断で組入れ可能とする)。・ C-SSRSに基づく自殺行動のいずれかが、過去1年以内にみられた被験者4) 統合失調症や気分障害(双極性障害やうつ病)、パーソナリティ障害等の精神疾患を有する患者及び既往歴のある患者。5) てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者。6) 脳器質的障害や衝動性が高い併存障害を有する患者。7) 重度の心疾患のある患者(致死性不整脈、ペースメーカー導入患者)。8) 悪性腫瘍の既往又は合併のある患者。ただし、既往はあるが5年以上再発していない患者は登録可とする。9) 出血性疾患の既往歴又はのある患者。10) 緑内障又は眼内圧亢進のある患者。11) 重度の腎機能障害による人工透析患者。12) 重度の肝機能障害患者(又はが施設基準の5倍を超える)。13) コントロール不良の糖尿病患者(糖尿病の治療を受けているにもかかわらず、HbA1cが9.0 %以上の糖尿病患者)。14) 授乳中、妊娠中、又は妊娠の可能性がある女性。15) 免疫不全(臓器移植、骨髄移植、AIDS、生物学的製剤及び/又は高用量ステロイド(1日あたり> 20 mgプレドニゾロン))患者。16) フルボキサミンの事項に該当する薬剤(ピモジド、チザニジン塩酸塩、ラメルテオン、メラトニン)を投与中の患者。17) フルボキサミンの投与中止後4週間以内の患者。18) セロトニン症候群の既往がある患者。19) モノアミン酸化酵素(MAO)(セレギリン塩酸塩,ラサギリンメシル酸塩,サフィナミドメシル酸塩)、セロトニン症候群が現れるおそれがあるセロトニン作用を有する薬剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者。20) シグマ-1受容体へのアゴニスト・アンタゴニスト作用を有する、又は有する可能性のある向精神薬を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者。21) COVID-19軽症~Ⅰの治療に対し承認を受けた薬剤を投与中、あるいは投与中止後2週間以内の患者。22) その他、治験責任医師又は治験分担医師が本治験を安全に実施するのに不適当と判断した患者。
治験内容
介入研究
臨床症状評価(0)~(7)により、スコア3(SpO₂≦93%となるが、酸素投与はされていない)以上の場合を「臨床的悪化」と定義し、悪化率を評価する。【臨床症状評価スコアの基準】(0) 自覚症状はなく、SpO₂≧96%である。(1) 自覚症状はあるが、SpO₂≧96%である。(2) 自覚症状によらず、93%< SpO₂<96%である。(3) SpO₂≦93%となるが、酸素投与はされていない。(4) SpO₂≦93%となり、酸素投与がされている。(5) 非侵襲的人工呼吸又は高流量酸素機器を使用している。(6) 侵襲的人工呼吸又はECMOによる管理を行っている。(7) 死亡
【有効性の副次評価項目】1) 各時点における体温2) 各時点における自覚症状の有無:咳、息切れ、喀痰、関節痛、筋肉痛、筋力低下、疲労感・倦怠感、鼻汁、咽頭痛、頭痛、胸痛、動悸、嘔気・嘔吐、腹痛、下痢、無嗅覚症(嗅覚不能)、味覚消失(味覚不能)、脱毛、物忘れ(記憶障害)、集中力低下、不眠。3) 全死亡者の割合:登録時から15日間での全死因による死亡4) 15日間における、以下の2つの条件の両方を満たす臨床的悪化までの日数。① 治験責任医師又は治験分担医師の臨床的判断に基づき、呼吸不全、呼吸困難や肺炎の治療のためにCOVID-19診療医療機関への入院もしくは入院期間の延長が必要とされる。② 経皮的動脈血酸素飽和度SpO₂≦93%(室内)もしくはSpO₂ >93%維持に酸素補充療法が必要となる。(※米国のSTOP COVID試験の主要評価項目に相当)5) 肺炎発症率:登録時から肺炎発症までの日数6) 肺炎発症者の割合:登録時から15日後までのCOVID-19によると判断される肺炎の発症(肺炎の定義:胸部単純X線における肺炎像が有ること)7) 酸素投与率:登録時から「24時間以上持続する酸素投与」の開始までの日数8) 酸素投与者の割合:登録時から15日後までの「24時間以上持続する酸素投与」の開始9) WHO clinical progression scaleスコア(11段階の臨床症状評価)10) 解熱率:登録時から体温37.0℃未満に回復するまでの日数11) 臨床症状の全消失率:COVID-19によると判断される全ての臨床症状が消失するまでの日数12) 症状ごとの改善率:COVID-19によると判断される臨床症状が改善するまでの日数(症状の内容ごとに評価)(※症状改善の定義:体温37.0℃未満、SpO₂≧96%、発生した全ての自覚症状数が5割以上軽減した状態が、48時間以上持続した場合)13) 生活の質(QOL):EQ-5D-5L(Euroquol5D)【安全性の副次評価項目】1) 抑うつ症状(PHQ-9)の心理評価尺度(治療前、15日後、後観察期間:治験薬投与終了14日後(Day29)、28日後(Day43))2) 中断後発現徴候及び症状(DESS)による治験薬中止後の離脱症状評価(治験薬投与終了時(Day15)、後観察期間:中止1週後(Day22)、中止2週後(Day29)。治験薬投与を中止した場合:治験薬投与中止時、中止1週後、中止2週後)3) セロトニン症候群関連症状: (治験薬投与期間中毎日1回・Day1~Day15)・精神・神経・筋症状:不安になる、混乱する、イライラする、興奮する、動き回る、体がぴくぴく動く、震える、体が硬くなる、の有無・自律神経症状:汗をかく、熱が出る、下痢になる、脈が速くなる、の有無・その他のSSRI使用関連症状:口渇、便秘、眠気、の有無
利用する医薬品等
フルボキサミンマレイン酸塩
販売名
デプロメール錠25
組織情報
国立大学法人 千葉大学 医学部附属病院
千葉県千葉市中央区亥鼻1-8-1
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