頭頸部悪性腫瘍切除・遊離組織移植術の手術前ステロイド投与の有用性を検証する多施設共同プラセボ対照二重盲検無作為化第Ⅲ相比較試験
目的
頭頸部悪性腫瘍切除・遊離組織移植術を受ける患者を対象として、Enhanced Recovery After Surgery(ERAS)に沿った周術期管理を行った時に、術直前のステロイドホルモンの投与によって、患者の術後疼痛、悪心を低減し、回復の質を向上させる上乗せ効果があるか否かをランダム化比較試験によって検証する。
参加条件
性別
頭頸部癌
年齢
頭頸部癌D006258
選択基準
男性・女性
除外基準
本試験におけるプロトコル治療は、試験薬剤(ステロイドホルモン剤/プラセボ薬)単回投与+ERASプログラムによる周術期支援である。ERASプログラムによる周術期支援は参加全施設ですでに日常診療で行っているものを外挿したものであり、安全性の観点から介入を中止するという状況は想定していない。
一方、試験薬剤の投与に関しては執刀開始前単回投与するものであり、投与後に安全性の観点から中止するという状況を想定していない。
そのため、本試験においてはプロトコル治療の中止ではなく、観察中止、完了基準を設ける。
退院時の評価の終了をもって観察完了とする。下記いずれかの場合、以降の観察を中止する。
① 手術が中止され、施行されなかった
② 被験者が試験参加の中止を申し出た(同意撤回)
③ 死亡
④ プロトコル違反や登録後の不適格が判明した
⑤ その他の理由により、担当医が中止すべきと判断した
治験内容
二重盲検
主要結果評価方法
術後回復の質の評価(術後2日目、4日目のQOR-40J総合スコアのAUC値)
第二結果評価方法
*重要な副次的評価項目
・術後疼痛の評価(術後1日目、2日目、3日目のVASスコアのAUC値)
・術後悪心の評価(術後1日目、2日目、3日目のVASスコアのAUC値)
*副次的評価項目(Secondary endpoint):
・術後2日目、4日目、7日目のQOR-40J総合スコア
・術後2日目、4日目、7日目のQOR-40Jにおける快適さ、身体的能力、患者への支援、疼痛、感情のそれぞれのスコア
・術後在院日数
・術後退院基準を完遂するまでの期間
・術後疼痛の程度(VASスコア、術後フェンタニル必要量、鎮痛剤レスキューの使用)
・術後悪心嘔吐の程度(VASスコア、制吐剤レスキューの使用)
・経腸栄養開始時期
・経腸栄養の中断の有無
・離床時期
・周術期合併症
・手術侵襲としての炎症反応(IL-6、CRP、アルブミン、好中球、リンパ球、好中球-リンパ球比、最高体温)
・体液バランス(体重変化、低血圧の有無)
・血糖コントロール
・せん妄の発生
利用する医薬品等
一般名称
デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム、日本薬局方 生理食塩液
販売名
デキサート、生理食塩液「ヒカリ」(50mL)