心的外傷後ストレス障害 (PTSD) に対するメマンチンの有効性および安全性を評価する探索的無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験
目的
本研究では、1群あたり20名のPTSD患者を対象として、プラセボを比較対照とした17週間の介入を行なう。メマンチンの症状改善効果や忍容性を評価するのみならず、プラセボ群における症状改善効果の推定や、プラセボや実薬による症状改善効果に影響を与える因子の探索なども行なう。具体的には、プラセボ群におけるPrimary EndpointであるCAPS-5を始めとした症状改善効果の推定および、プラセボと比較した場合における実薬の効果量の推定、背景因子と各エンドポイント変化の関連についての解析など、基礎的データの収集を探索的に行なうものである。本研究を実施することにより、将来的な大規模ランダム化比較試験を実施するために必要なデータを収集することが可能となる。
基本情報
参加条件
性別
PTSD
年齢
心的外傷後ストレス障害MeSH Unique ID: D013313
選択基準
男性・女性
除外基準
1) 故意にカプセルの中身を明らかにした場合
2) 研究対象者が、研究参加によって得られた情報を、友人・知人と共有したりインターネットにアップロードしたりした場合
3) DSM-5のPTSD診断基準におけるA基準に該当する事象が被験者に発生した場合
4) PTSDに関連する訴訟が開始または間近に予定される場合
5) 参加中止が必要な有害事象が発現した場合
6) 妊娠が判明した場合
7) 入院加療が必要と判断される精神症状の悪化が発現した場合
8) 研究対象者の同意の撤回があった場合
9) 研究対象者の研究参加辞退の申し出があった場合
10) 研究対象者が追跡もしくは連絡不能となった場合
11) 研究開始後に、重大な選択基準又は除外基準に違反していることが判明した場合
12) 研究対象者が研究参加を継続することの心身の負担が過大であると、研究責任医師、研究分担医師が判断した場合
13) その他、研究責任医師、研究分担医師が研究中止が必要と判断した場合
治験内容
二重盲検
主要結果評価方法
CAPS-5 (Clinician-Administered PTSD Scale for DSM-5) スコアのベースラインから13週時への変化量
※「ベースライン(0週時)スコア ― 評価時(13週時)スコア」により算出
第二結果評価方法
<有効性評価に関するもの>
1. 各時点のCAPS-5スコアのベースラインからの変化量
2. PDS-IV (PTSD Diagnostic Scale for DSM-IV) スコアのベースラインからの変化量
3. IES-R (Impact of Event Scale-Revised) スコアのベースラインからの変化量
4. PTCI (Posttraumatic Cognitions Inventory) スコアのベースラインからの変化量
5. DES (Dissociative Experiences Scale) スコアのベースラインからの変化量
6. BDI-II (Beck Depression Inventory-II) スコアのベースラインからの変化量
7. SAS-SR (Social Adjustment Scale-Self Report) スコアのベースラインからの変化量
8. STAI (State-Trait Anxiety Inventory) スコアのベースラインからの変化量
9. CGI (Clinical Global Impression) スコアのベースラインからの変化量
10. RBANS (Repeatable Battery for the Assessment of Neuropsychological Status) スコアのベースラインからの変化量
<安全性評価に関するもの>
UKU副作用評価尺度、血液検査、血圧測定にて評価した有害事象(登録から17週間後まで。必要に応じて21週間後まで)
<その他>
1. CTQスコアとメマンチンによる主要・副次評価項目スコアの変化量との関連
2. 介入前後における血中炎症関連項目の値の変化
3. 各対象者の最終投与量
利用する医薬品等
一般名称
メマンチン塩酸塩
販売名
メマンチン塩酸塩「トーワ」