慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者に対するリオシグアトおよびセレキシパグの有効性 ・安全性に関する探索的ランダム化研究
目的
CTEPH患者をリオシグアト投与群とセレキシパグ投与群の2群にランダム化し探索的に両薬剤の有効性、安全性を検証し比較することでCTEPH患者に対する最適な治療法を検討する。
基本情報
参加条件
性別
男性・女性
年齢
20歳 以上上限なし
選択基準
1. 20歳以上の男女
2. 右心カテーテル検査により以下をすべて満たす肺高血圧症と診断が確定された患者
1) 安静時平均肺動脈圧(mPAP) が25mm Hg以上
2) 肺動脈楔入圧(PAWP)または左室拡張末期圧が15mm Hg以下
3) 肺血管抵抗が 3Wood単位以上
3. 肺換気血流スキャン、肺血管造影および胸部造影CTのうち2つ以上の検査により研究責任(分担)医師がCTEPHと診断し、下記のいずれかと判断した患者
1) PEA不適応な末梢性病変を有する
2) PEA後に肺高血圧症が残存・再発し、急性肺血栓塞栓症の兆候はみられず、再手術の適応がない
3) 高リスク(年齢、合併症など)あるいはその他の理由によりPEAを実施しない
4. 同意取得直前の6分間歩行距離が150m以上の患者
5. 文書による説明同意が得られた患者(本人の意思を十分に確認することが困難な場合は親権者・代諾者から同意が得られた患者)
除外基準
1) いずれかの薬剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2) 重度の腎機能障害を有する患者(クレアチニン・クリアランス 15mL/min未満)もしくは透析中の患者
3) 重度の肝機能障害(Child-Pugh 分類 C)のある患者
4) 肺静脈閉塞性疾患を合併している患者
5) 妊娠または妊娠している可能性のある女性
6) 過去3か月以内にいずれかの薬剤が投与されていた患者
7) いずれかの薬剤に対して以下の併用禁忌薬剤が投与されている患者
リオシグアト:硝酸剤およびNO供与剤、PDE5阻害剤、アゾール系抗真菌剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬
セレキシパク:なし
8) 20週以内に肺動脈バルーン拡張術(BPA)が必要となる可能性が高い患者
治験内容
介入研究
主要結果評価方法
治療開始後20週(±2週)において、各群における治療前後の検査指標の変化の記述。
※検査指標の変化とは治療介入前後での血行動態指標、運動耐容能、自覚症状、心エコー指標、BNP値、副作用発現の変化を指す。
第二結果評価方法
治療開始後20週時点での以下の項目。
1. 血行動態指標(PVR、心係数、平均肺動脈圧、動脈圧)の変化
2. 安全性1) 各薬剤最大用量まで到達した割合
3. 安全性2) リオシグアト:6.0 mg/日以上、セレキシパグ:2000μg/日以上まで増量可能であった割合
4. 副作用の割合
5. 運動耐容能(6分間歩行試験)
6. 自覚症状(WHO機能分類)、emPHasis 10スコア
7. 心エコー評価指標
8. BNP値
利用する医薬品等
一般名称
リオシグアト、セレキシパグ
販売名
アデムパス錠0.5mg、アデムパス錠1.0mg、ウプトラビ0.2mg錠、ウプトラビ0.4mg錠