医師主導治験
肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者における抗IL-6受容体抗体薬サトラリズマブの効果と安全性を調べる治験 - 多数の医師が協力する治験 -
目的
この治験は、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の患者のうち、既存の薬剤で効果が不十分なimmune responsive-phenotypeを有する患者に対して、新しい薬剤のサトラリズマブの有効性を調べるために行われます。指標として肺血管抵抗(PVR)変化率が用いられます。
対象疾患
参加条件
この治験に参加できる人は、20歳以上80歳未満の男性・女性で、肺動脈性肺高血圧症と診断されている人で、世界保健機構(WHO)機能分類(FC)I、II、IIIに該当する人、immune responsive-phenotypeを有する人、スクリーニング時の6分間歩行距離が、150~600メートルの人、登録前30日以内の安静時の血行動態の値が一定の範囲内にある人、PAH治療薬を単剤もしくは3剤まで使用し、登録90日以上前より用法・用量に変更がない人、在宅酸素療法を実施している人の場合、登録30日以上前より同一条件で実施している人、そして本治験への文書による同意が得られた人です。ただし、重篤なアレルギーの既往がある人、IL-6阻害薬の投与を受けたことがある人、感染症を認めた人、肺動脈楔入圧(PAWP)が15 mmHgを超える人、エポプロステノール、トレプロスチニルを使用している人、他の臨床試験や治験に参加中である人、妊婦又は授乳中の人、避妊に同意できない人、生ワクチンを接種した人、HIV-1抗体、HIV-2抗体、HTLV-1抗体、HBs抗原、HCV抗体のいずれかが陽性の人、感染症を有する人、ステロイド投与をプレドニン(PSL)換算で10mg/dayよりも多い量の投与を受けている人、過去5年以内に悪性腫瘍の病歴がある人、同意能力を欠くと判断される人、その他、治験責任医師等が本治験を実施するのに不適当と判断した人は参加できません。
治験内容
この治験は、肺動脈性肺高血圧症という病気に対する新しい治療法を調べるものです。治験のフェーズは2で、治験のタイプは介入研究です。主な評価方法は、24週間の期間中に全肺血管抵抗(PVR)の変化率を測定することです。また、6分間歩行距離の変化量や、治験の投与群と外部対照群の比較なども行われます。安全性についても、有害事象や臨床検査などを評価し、継続投与期間における安全性も確認します。治験に参加する患者さんたちの健康と安全を最優先に考えて、治験を進めていきます。
AI 要約前の参加条件
介入研究
主要結果評価方法
ベースラインから24週後までの全肺血管抵抗(PVR)の変化率
第二結果評価方法
1) ベースラインから24週後までの6分間歩行距離の変化量、及び変化率
2) ベースラインから24週後までのPVR変化率の、本治験のサトラリズマブ投与群と外部対照群(JAPHRに登録された患者からの抽出)の比較
3) 有効性評価期間(24週間)における安全性(有害事象、一般臨床検査、血液凝固系検査、12誘導心電図、胸部X線、バイタルサイン、呼吸機能検査、動脈血液ガス分析)。有効性評価期間で「有効」と判定され、継続投与を希望し、継続投与期間①に移行した被験者における52週間の安全性、さらに継続投与期間②に移行した被験者における52週間(1年間)を超えた投与における安全性についても確認する。
治験フェーズ
フェーズ2: 少数の軽度な患者さんが対象
利用する医薬品等
一般名称
サトラリズマブ(遺伝子組換え)
販売名
エンスプリング皮下注120mgシリンジ
実施組織
国際医療福祉大学 三田病院
東京都新宿区信濃町35
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