アビラテロン酢酸エステルによる治療歴を有する転移性去勢抵抗性前立腺癌患者を対象に、新しい薬PF-06821497(MEVROMETOSTAT)とエンザルタミドの併用投与が、エンザルタミドまたはドセタキセル単独投与と比較してどれが効果的かを調査する第3相の治験(MEVPRO-1)が行われます。
参加条件は、以下の条件を満たす方が対象となります。 - 男性であること - 前立腺腺癌であり、小細胞の特徴を持たないこと - 骨や軟部組織に転移性病変があること - 外科的または内科的去勢を受け、血清中のテストステロン値が50 ng/dL以下であること - 去勢後に疾患が進行していること - ECOGパフォーマンスステータスが0~2であり、余命が6ヵ月以上あると判断されること 除外基準には、以下の条件が含まれます。 - 医学的または精神的状態に問題がある場合 - 重大な心血管疾患がある場合 - 脳転移や脊髄病変の既往がある場合 - 他の抗がん治療を受けたことがある場合 - 腎機能や肝機能に問題がある場合 - 血液学的異常がある場合 これらの条件を満たす方が治験に参加することができます。
この治験は、転移性去勢抵抗性前立腺癌を対象とした治験で、新しい治療法の効果を調査するために行われています。治験はフェーズ3で行われており、治験参加者の画像診断や生存期間などのデータを収集しています。治験の目的は、治療効果や生存期間などの主要な結果を評価することです。また、治験参加者の生活の質や副作用なども評価されています。治験の結果は、新しい治療法の開発や患者の治療法選択に役立つことが期待されています。
介入研究
*固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST) v1.1に基づく盲検下独立中央判定(BICR)および前立腺癌ワーキンググループ3(PCWG3)により評価した画像診断による無増悪生存期間(rPFS)[期間:無作為化割付けから約2年間]
-rPFSは,軟部組織はRECIST v1.1に従って,骨病変はProstate Cancer Clinical Trials Working Group 3(PCWG3)のガイドラインに従って,無作為化割付け日から画像診断による疾患進行の最初の所見が認められるまで,または死亡のいずれか早い方の時点までの期間と定義する。
*全生存期間(OS)[期間:無作為割り付けから約4.5年]
-OSは,無作為割付けからあらゆる原因による死亡までの期間と定義する。
*客観的奏効率(ORR)[期間:無作為化から約4.5年]
-奏効率は,ベースライン時に測定可能な軟部組織疾患を有し,RECIST v1.1に基づき完全寛解(CR)または部分奏効(PR)が確定した治験参加者の割合と定義する。
*測定可能な軟部組織疾患における奏効期間(DoR)[期間:無作為化から約4.5年]
-DoRは,軟部組織の奏効(CRまたはPR)の最初の所見が認められてから画像診断による疾患進行または原因を問わない死亡のいずれか早い方までの期間と定義する。
*前立腺特異性抗原(PSA)進行までの期間[期間:無作為化から約4.5年]
-ベースライン時にPSA値が検出可能であった治験参加者のうちPSA奏効率が50%以上であった治験参加者の割合
*新たな抗悪性腫瘍療法開始までの期間[期間:無作為化から約4.5年]
-無作為割り付けから新たな抗悪性腫瘍療法の初回投与までの期間
*PSA反応[期間:無作為化から約4.5年]
-ベースライン時にPSA値が検出可能であった治験参加者のうちPSA奏効率が50%以上であった治験参加者の割合
*有害事象の発現割合[期間:無作為化から約4.5年]
-有害事象の種類,発現率,重症度[米国国立がん研究所(NCI)有害事象共通用語規準(CTCAE)v5.0によりグレード分類],重篤性および治験薬との因果関係
*症候性骨関連イベントの初回発現までの期間[期間:無作為化から約4.5年]
-無作為割り付けから症候性骨関連イベントが最初に発現するまでの期間(腫瘍関連の症候性骨折,脊髄圧迫,および骨に対する手術または放射線療法のいずれか早いもの)
*簡易疼痛評価票-短縮版(BPI-SF)に基づく患者報告による疼痛症状のベースラインからの変化[期間:無作為化から約4.5年]
-BPI-SFの分析は,疼痛重症度スコア(個々のBPI-SF項目3,4,5および6の平均),疼痛による支障スコア(項目9A~9Gの平均)および過去24時間の最悪の疼痛を評価するBPI-SFの質問3に基づく。
*FACT-Pに基づく健康に関連する生活の質(HRQoL)のベースラインからの変化[期間:無作為化から約4.5年間]
-HRQoLのベースラインからの変化量(FACT-P総スコア)を示す。FACT-P質問票の39項目に対する治験参加者の回答に基づき,FACT-P総スコアを算出する。各項目を0~4のリッカート尺度で評価し,その後,全項目を総合してFACT-Pの合計スコア(0~156)が算出され,スコアが高いほど健康関連のQOLが良いことを示す。
*FACT-Pに基づく社会的/家族的健康のベースラインからの変化[期間:無作為化から約4.5年間]
-社会的/家族的幸福感スコアのベースラインからの変化を示す。社会的/家族的幸福感スコアは,FACT-P質問票の7項目(スコア範囲0~28)に基づいて算出する。各項目は0~4のリッカート尺度で評価する。
*FACT-Pに基づく精神的健康のベースラインからの変化[期間:無作為化から約4.5年間]
-精神的健康スコアのベースラインからの変化量を提示する精神的健康スコアは,FACT-P質問票(スコア範囲0~24)の6項目に基づいて算出する。各項目は0~4リッカート式尺度で評価する。
*FACT-Pに基づく機能的健康のベースラインからの変化[期間:無作為化から約4.5年間]
-機能的健康スコアのベースラインからの変化を示す。FACT-P質問票の7項目(スコア範囲0~28)に基づいて機能的健康スコアを算出する。各項目は0~4リッカート式尺度で評価する。
*FACT-Pに基づく身体的健康のベースラインからの変化[期間:無作為化から約4.5年間]
-身体的健康スコアのベースラインからの変化量を示す。身体的健康スコアは,FACT-P質問票の7項目(スコア範囲0~28)に基づいて算出する。各項目は0~4リッカート式尺度で評価する。
*FACT-Pに基づく症状のベースラインからの変化[期間:無作為化から約4.5年間]
-前立腺癌症状(PCS)スコアのベースラインからの変化量を示す。FACT-P質問票の12項目(スコア範囲0~48)に基づいてPCSスコアを算出する。各項目は0~4リッカート式尺度で評価する。
*European Quality of Life 5-Dimension 5 Level(EQ-5D-5L)に基づく患者報告による健康状態のベースラインからの変化[期間:無作為化から約4.5年間]
-治験参加者は各次元内での重症度のレベル(問題なし,少し問題がある,中程度の問題がある,かなり問題がある,極度の問題がある)を記録する5つの回答のうち1つを選ぶことにより,現在の移動の程度,身の回りの管理,普段の活動,疼痛/不快感,不安/ふさぎ込みを自己評価する。質問票には,全般的な健康状態を「想像しうる最悪の健康状態」から「想像しうる最高の健康状態」までの尺度で自己評価する視覚的アナログ尺度も含まれている。
*患者報告アウトカムCTCAE(PRO-CTCAE)に基づく症候性毒性[期間:無作為化から約4.5年間]
- PRO-CTCAEの選択された各項目を,頻度,重症度および(または)通常の活動または日常活動への支障を含む1つ以上の特性に関連して評価する。
*FACT-GP5で評価した全体的な副作用の負荷[期間:無作為化から約4.5年間]
- FACT-GP5の質問「治療による副作用に悩んでいる」を「全くあてはまらない」(0)から「非常によくあてはまる」(4)までの5段階で評価し全体的な副作用の負荷を評価するものである。
*BPI-SF質問3「24時間以内の最も強い痛み」に基づく患者報告による疼痛症状の悪化確認までの期間[期間:無作為化から約4.5年間]
-無作為割り付けから疼痛悪化の発現までの期間と定義されで,疼痛悪化はBPI-SF質問票の質問3に対し,ベースラインの疼痛スコアから2ポイント以上の増加が4週間以上間隔をあけた次の連続評価で確認された場合,または最初の悪化後次の評価前に死亡した場合と定義される
*FACT-Pに基づくHRQoLの明らかな悪化までの期間[期間:無作為化から約4.5年間]
-無作為割り付け日からFACT-P総スコアの明らかな悪化の発現までの期間と定義される。ベースラインから10ポイント以上の低下が認められ,その後の観察でFACT-Pで評価したFACT-P総スコアのベースラインからの低下が10ポイント未満ではない場合と定義する。
*FACT-Pに基づく患者報告による身体的健康の明らかな悪化までの期間[期間:無作為化から約4.5年間]
-FACT-Pに基づく健康状態の明らかな悪化(PWB)までの期間は,無作為割り付け日から健康状態の明らかな悪化(3ポイント以上の低下)までの期間と定義する
*エンザルタミドと併用投与したときのPF 06821497のPKを評価する[投与期間:第1サイクル第1日(各サイクル28日間)から第6サイクル第1日の最終PK検体採取終了時まで]
-特定の来院時のPF 06821497投与前のトラフ濃度および投与後の血漿中濃度に基づいて特徴づけるPK
*ベースライン時および投与期間中に循環腫瘍DNA(ctDNA)を評価し,腫瘍量を評価する。[期間:ベースラインから約2年間]
-ベースライン時および治験中のctDNA量の評価
フェーズ3: 多くの実際の患者さんが対象
PF-06821497
なし
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