JCOG2004: 切除不能進行・再発大腸癌に対する二次化学療法におけるFOLFIRI療法と併用するVEGF阻害薬(ベバシズマブ、ラムシルマブ、アフリベルセプト)の選択に有用なバイオマーカーを探索するランダム化第II相試験
目的
切除不能進行・再発大腸癌における二次化学療法の標準治療であるベバシズマブ(BEV)+5-FU+ロイコボリン+イリノテカン(FOLFIRI)療法(BEV併用FOLFIRI療法)に対して、試験治療であるラムシルマブ(RAM)+FOLFIRI療法(RAM併用FOLFIRI療法)、アフリベルセプトベータ(AFL)+FOLFIRI療法(AFL併用FOLFIRI療法)をランダム化し、治療法の選択に有効な効果予測因子となるバイオマーカーを探索する。また、効果予測因子となるバイオマーカーが判明した場合には、BEV併用FOLFIRI療法に対してRAM併用FOLFIRI療法、AFL併用FOLFIRI療法の有効性が期待される集団を抽出し、次期第III相試験II相試験II相試験I相試験I相試験の対象を設定する。
参加条件
性別
男性・女性
年齢
20歳 以上上限なし
選択基準
1) 手術標本もしくは生検標本の病理組織学的診断により腺癌と診断されている。
2) 画像検査で、切除不能または再発大腸癌と診断されている。
3) RAS遺伝子変異の検査結果が確定している(野生型/変異型)
4) BRAF遺伝子検査を実施し、BRAF(V600E)遺伝子変異を有さないことが確認されている。
5) 高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability high:MSI-H)またはDNAミスマッチ修復機構欠損(DNA mismatch repair:dMMR)の検査を実施しており、陰性であることが確認されている。測定不能は許容しない。両方の検査を実施している場合は、いずれも陰性であることが確認されている。
6) 登録日の年齢が20歳以上である。
7)Performance status(PS)はECOGの規準で0-2である。
8) 測定可能病変を有する。
9) イリノテカン、ラムシルマブ、アフリベルセプトのいずれの投与歴もない。
10)フッ化ピリミジンとオキサリプラチンを含むレジメンによる一次治療に不応または不耐
11) 内視鏡が通過しないような高度狭窄を伴う原発巣を有さない。
12) 腹膜播種による消化管通過障害を示唆する所見を有さない。
13) 登録前の胸部CTや腹部CTで、大量の胸水や腹水を認めない。
14) 登録前6か月以内に、腹壁または腹腔内の瘻孔形成、消化管穿孔、腹腔内膿瘍の既往を有さない。
15) 脳転移を含む中枢神経系への転移を有さない。
16) 登録前14日以内の検査により,主要臓器機能が確保されている。
17) バイオマーカー測定用の採血に同意している。
18) 試験参加について患者本人から文書で同意が得られている。
除外基準
1)活動性の重複がんを有する(同時性重複がん重複がん重複がん/多発がんおよび無病期間が5年以内の異時性重複がん重複がん重複がん/多発がん。ただし無病期間が5年未満であっても、臨床臨床臨床病期I期の前立腺癌、放射線治療により完全奏効となった臨床臨床臨床病期0期、I期の喉頭癌、完全切除された、以下の病理病期のがんのように5年相対生存率が95%以上相当のがんの既往は活動性の重複がん/多発がんに含めない)。
2)全身的治療を要する感染症を有する。
3)登録時に38.0℃以上の発熱を有する。
4)妊娠中、妊娠の可能性がある、産後28日以内、授乳中のいずれかに該当する女性。パートナーの妊娠を希望する男性。
5)日常生活に支障をきたす精神疾患または精神症状を合併しており試験への参加が困難と判断される。
6)ステロイド薬またはその他の免疫抑制薬の継続的な全身投与(内服または静脈内)を受けている。ただし、プレドニゾロン換算で10 mg/日以下の全身投与は許容する。
7)コントロール不良の糖尿病を合併している。Uncontrollable diabetes mellitus
8)コントロール不良の高血圧症を合併している(降圧薬服用中でも収縮期血圧が150 mmHg以上または拡張期血圧が100 mmHg以上)。
9)不安定狭心症(最近3週間以内に発症または発作が増悪している狭心症)を合併、または6か月以内の心筋梗塞の既往を有する。
10)コントロール不良の、弁膜症、拡張型心筋症、肥大型心筋症を有する。
11)コントロール不良の下痢(十分な治療下で日常生活に支障のある下痢)を有する。
12)胸部CTで診断される、間質性肺炎、肺線維症、高度の肺気腫のいずれか、または複数を合併している。
13)登録前6か月以内の肺梗塞、深部静脈血栓症、脳出血、脳梗塞、一過性脳虚血、脳血管障害、動脈性血栓塞栓症の既往を有する。
14)フルオロウラシル、レボホリナート、BEVのいずれかの成分に対する過敏症の既往を有する。
15)イリノテカンとの併用禁忌である硫酸アタザナビルを投与中である。
治験内容
利用する医薬品等
一般名称
イリノテカン塩酸塩水和物、レボホリナートカルシウム、フルオロウラシル、ベバシズマブ、ラムシルマブ、アフリベルセプト
販売名
トポテシン点滴静注40mg 等、アイソボリン点滴静注用25mg 等、5-FU注250mg 等、アバスチン点滴静注用100mg/4ml 等、サイラムザ点滴静注液100mg、ザルトラップ点滴静注100mg