この治験は、手術時の麻酔において新薬であるレミマゾラムが、従来の麻酔薬と比べて呼吸管理にどう影響を与えるかを調べるために行われます。また、麻酔中の循環変動や一般的な合併症の頻度についても評価されます。
この治験に参加できる人は、20歳以上で男性でも女性でもOKです。ただし、肺外科手術で片肺換気かつ硬膜外併用全身麻酔を行う定時手術患者に限ります。参加を拒否する場合や、使用できない麻酔薬がある場合、HPVに影響を与える疾患がある場合、気胸に対する手術など、術中に頻回に片肺換気を解除する術式の場合、片肺換気を短時間しか行わない可能性のある、仰臥位での縦郭腫瘍症例の場合、術中に人工心肺を併用して行う予定の場合、重症の慢性肺疾患がある場合(1秒率≦50%、%肺活量<80%)は参加できません。
この治験は、肺腫瘍の手術において、麻酔に使われる2つの薬剤の比較を行います。その際、低酸素血症の頻度や程度、血圧や心拍数の変化、副作用の有無などを評価します。治験に参加する患者さんは、手術中にモニターで体の状態を監視され、手術後にも副作用がないか評価されます。
介入研究
レミマゾラム群とプロポフォール群における、低酸素血症の頻度・程度の解析を行う。
麻酔中の、片肺換気直前、片肺換気開始30分後、片肺換気開始1時間後の各々における動脈血酸素飽和度、動脈血酸素分圧、吸入酸素濃度、P/F比(動脈血酸素分圧/吸入酸素濃度)の値。
麻酔中の循環変動について、心拍数・血圧の推移と、昇圧剤などの循環作動薬の使用量についての解析を行う。
麻酔中の昇圧剤(ネオシネジン、エフェドリン、アトロピン、カルチコールなど)使用量、麻酔中の心拍数(5分ごとの値を抽出し平均値を算出)、麻酔中の血圧(5分ごとの値を抽出し平均値を算出)
麻酔に伴う術中・術後の一般的合併症の有無・頻度についての解析を行う。
・術中のバイタルサイン異常やその他有害事象
麻酔中は各手術室に常備されているモニタ装置を用いて持続的に心電図、心拍数、経皮的動脈血酸素飽和度、観血的動脈血圧を測定し、不整脈や心拍数・血圧の逸脱、呼吸抑制など有害事象の有無を監視する。投与後は上記に加えアレルギー症状(紅斑、気管支痙攣、アナフィラキシー)、覚醒遅延、痙攣などの副作用がないか評価する。
・その他麻酔に伴う術中・術後の合併症の有無・頻度についての解析
覚醒・退室~術後24時間後時点での、高血圧・低血圧・頻脈・徐脈・嘔気・嘔吐・せん妄の有無、術中の記憶、麻酔前後の記憶
情報なし:
プロポフォール、レミマゾラム
1%ディプリバン注-キット、アネレム静注用50mg
北里大学
神奈川県相模原市南区北里1-15-1
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