クローン病の成人患者を対象に、新しい治療薬SAR442970の効果と安全性を評価するための第II相の治験が行われます。治験は複数の施設で行われ、ランダム化や二重盲検の方法が採用され、プラセボ(偽薬)と比較して効果を調査します。
参加条件は以下の通りです。 - 年齢が18歳以上75歳以下であること - 男性または女性であること - クローン病(CD)と診断されており、中等症から重症であること - 過去に標準治療や先進治療を受けたが効果が不十分であること - 現在も標準治療を安定した用量で受けていること - 避妊方法が各国の規制要件に合致していること 除外基準は以下の通りです。 - 活動性潰瘍性大腸炎(UC)や大腸病変がある場合 - 既知のCD合併症が持続している場合 - 薬物吸収を妨げる可能性がある状態や腸切除術を受けたことがある場合 - その他治験責任医師がリスクと判断した病状がある場合 他にも治験参加に関連する条件がありますので、ご了承ください。
この治験は、クローン病という疾患を対象に行われています。治験の目的は、新しい治療法がどれだけ効果的かを調べることです。治験はフェーズ2という段階で行われており、被験者の内視鏡的奏効や臨床的寛解などを評価します。 内視鏡的奏効とは、内視鏡検査で病変の改善が見られることを指します。臨床的寛解は、患者の症状が改善し、疾患が活動していない状態を示します。これらの評価は、治験薬の効果を確認するために行われます。 また、治験中には様々な評価項目があり、患者の生活の質や疲労度なども評価されます。治験薬の血中濃度や副作用の発現も調査されます。 治験は約164週間続く予定で、患者の状態や治験薬の効果を詳しく調べるために行われます。治験の結果は、新しい治療法の開発や患者の治療に役立つ情報となります。
介入研究
1. Week 16時点での内視鏡的奏効を達成した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 16まで]
内視鏡的奏効は、中央読影によるクローン病の簡易内視鏡スコア(SES-CD)のベースラインからの50%超の減少(又はベースラインのスコアが4以上で孤立性回腸疾患の場合は2ポイント以上の減少)と定義する。SES-CDでは、回腸結腸鏡検査中に評価される5か所のセグメントにおいて、内視鏡の4検査項目(潰瘍の大きさ、潰瘍化した表面、罹患した表面、狭窄)をそれぞれ0(なし)~3の尺度で評価する。合計スコアは内視鏡の4検査項目のスコアの合計で、0~56の範囲であり、スコアが高いほど疾患の重症度が高いことを示す。
1. Week 16時点でのクローン病活動性指数(CDAI)に基づく臨床的寛解を達成した被験者の割合
[評価期間:Week 16]
CDAIに基づく臨床的寛解は、CDAIスコアが150未満と定義する。CDAIは、7日間にわたって評価される被験者の症状(腹痛、排便回数及び全般的な健康状態)、合併症の有無(関節炎/関節痛、虹彩炎/ぶどう膜炎、結節性紅斑/壊疽性膿皮症/アフタ性口内炎、裂肛/瘻孔/膿瘍、その他の瘻孔及び発熱)、止瀉薬の使用、腹部腫瘤の有無、ヘマトクリット値及び体重を含む複合的な指標である。これらの項目は個別にスコア化されて、重み付けされ、全体スコアに均等に寄与しない。CDAIは、8項目の重み付けされた個別スコアを合計して算出される。CDAIはおよそ0~600の範囲であり、スコアが高いほど疾患の重症度が高いことを示す。
2. Week 16時点での患者報告アウトカム(PRO)-2に基づく臨床的寛解を達成した被験者の割合
[評価期間:Week 16]
PRO-2に基づく臨床的寛解は、平均1日排便回数が3回以下かつベースラインよりも悪化していないこと、及び平均1日腹痛スコアが1以下かつベースラインよりも悪化していないことと定義する。
3. Week 16時点での中央読影によるSES-CDに基づく内視鏡的寛解を達成した被験者の割合
[評価期間:Week 16]
内視鏡的寛解は、中央読影による個々の評価項目のSES-CDが4以下かつベースラインから2ポイント以上の低下及びサブスコアが1以下と定義する。
4. Week 16時点でのCDAIスコアに基づく臨床的寛解及びSES-CDに基づく内視鏡的奏効を達成した被験者の割合
[評価期間:Week 16]
CDAIに基づく臨床的寛解はCDAIスコアが150未満、内視鏡的奏効は中央読影によるSES-CDのベースラインからの50%超の減少(又はベースラインのスコアが4以上で孤立性回腸疾患の場合は2ポイント以上の減少)と定義する。
5. Week 16時点でのCDAIに基づく臨床的奏効を達成した被験者の割合
[評価期間:Week 16]
CDAIに基づく臨床的奏効は、CDAIのベースラインからの100ポイント以上の低下と定義する。
6. 炎症性腸疾患質問票(IBDQ)スコアのベースラインからの変化量
[評価期間:ベースラインからWeek 16まで]
IBDQは、炎症性腸疾患(IBD)患者の健康関連の生活の質を4つのドメイン(腹部症状[10項目]、全身症状[5項目]、情緒機能[12項目]及び社会的機能[5項目])で評価する32項目の質問票である。各質問は、過去2週間の経験を1(最悪)から7(最良)までの7ポイントリッカート尺度で評価する。総スコアの範囲は32~224であり、スコアが高いほど生活の質が良好であることを示す。ドメイン別スコア及び全体スコアの両方を算出できる。
7. 慢性疾患治療の機能的評価 - 疲労(FACIT-F)スコアのベースラインからの変化量
[評価期間:ベースラインからWeek 16まで]
FACIT-F質問票では、疲労に関する13項目の質問を通じて、貧血に伴う疲労を評価する。各項目は5ポイントリッカート尺度(0=「全くない」から4=「非常にある」)でスコア化され、総スコアの範囲は0~52である。高スコアは疲労が少ないことを示す。CD患者では、FACIT-Fの合計スコアが7~10ポイント改善した場合、意味のある改善が認められたことになる。
8. 予め規定した時点での治験薬投与中のSAR442970の血清中濃度
[評価期間:治験終了まで(約164週間)]
9. 導入、維持及び長期継続(LTE)投与期間中に治験薬投与下で発現した有害事象(TEAE)が認められた被験者の数及び割合
[評価期間:治験終了まで(約164週間)]
10. 非盲検投与期間中にTEAEが認められた被験者の数及び割合
[評価期間:Week 52まで]"
11. 経時的な抗薬物抗体(ADA)の発現率
[評価期間:治験終了まで(約164週間)]
12. Week 52時点での中央読影によるSES-CDに基づく内視鏡的寛解を達成した被験者の割合
[評価期間:Week 52]
内視鏡的寛解については、副次的な評価項目3参照。
13. Week 52時点でのCDAIに基づく臨床的寛解を達成した被験者の割合
[評価期間:Week 52]
CDAIに基づく臨床的寛解はCDAIスコアが150未満と定義する。
14. Week 16及びWeek 52の両時点でCDAIに基づく臨床的寛解を達成した被験者の割合
[評価期間:Week 52]
CDAIに基づく臨床的寛解については、副次的な評価項目13参照。
15. Week 52時点での内視鏡的奏効を達成した被験者の割合
[評価期間:Week 52]
内視鏡的奏効については、主たる評価項目1参照。
16. Week 16及びWeek 52の両時点で内視鏡的奏効を達成した被験者の割合
[評価期間:Week 52]
内視鏡的奏効については、主たる評価項目1参照。
17. Week 52時点でのCDAIに基づく臨床的奏効を達成した被験者の割合
[評価期間:Week 52]
CDAIに基づく臨床的奏効については、副次的な評価項目5参照。
18. Week 52時点でのCDAIスコアに基づく臨床的寛解及びSES-CDに基づく内視鏡的奏効を達成した被験者の割合
[評価期間:Week 52]
CDAIスコアに基づく臨床的寛解及びSES-CDに基づく内視鏡的奏効については、副次的な評価項目4参照。
フェーズ2: 少数の軽度な患者さんが対象
SAR442970、プラセボ
なし、なし
サノフィ株式会社
東京都新宿区西新宿三丁目20番2号 東京オペラシティタワー
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