目的: 本研究は、生物学的製剤を使用したことがあるかどうかでグループ分けされた活動性乾癬性関節炎患者を対象に、新しい薬剤zasocitinib(TAK-279)の効果と安全性を調査するための大規模な臨床試験です。
参加条件は以下の通りです。 - 年齢が18歳以上であること。 - 男性または女性であること。 - 乾癬性関節炎(PsA)と一致する症状が3ヵ月以上続いていること。 - PsAの分類基準(CASPAR基準)を満たしていること。 - 活動性関節炎を有し、圧痛関節数が3ヵ所以上、腫脹関節数が3ヵ所以上であること。 - 直径2 cm以上の活動性尋常性乾癬(PsO)病変を1つ以上、またはPsOに特徴的な爪の変化を有していること。 - PsAの治療において、NSAIDやcsDMARD、bDMARDのいずれかを使用しても効果が不十分であること。 除外基準は以下の通りです。 - PsAやPsO以外の関節リウマチ、体軸性脊椎関節炎、全身性エリテマトーデス、ライム病、痛風、線維筋痛症などの他の疾患を有していること。 - 評価に影響を及ぼす可能性がある皮膚疾患(乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、滴状乾癬、反対型乾癬、薬剤性乾癬など)を併発していること。
この治験は、乾癬性関節炎という病気に対する新しい治療法の効果を調べるための研究です。治験はフェーズ3で行われ、被験者にはZasocitinibという薬とプラセボ(偽薬)が与えられます。治験の主な目的は、被験者が治療を受けた後の症状や疾患活動性の改善を評価することです。 治験の結果は、Week 16時点での様々な評価方法を用いて行われます。例えば、米国リウマチ学会の改善基準であるACR20やACR50、PASI-75やPASI-100などの指標を使用して、被験者の症状や疾患活動性の改善を評価します。また、HAQ-DIやSF-36 v.2.0、FACIT-Fatigueなどの患者自己報告の評価も行われます。 さらに、付属部炎や指趾炎、爪乾癬などの特定の症状に焦点を当てた評価も行われます。これらの評価方法を通じて、新しい治療法が乾癬性関節炎の症状や活動性にどのような影響を与えるかを評価し、治療法の有効性を調査します。
介入研究
1. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点で米国リウマチ学会の改善基準で20%改善(ACR20)を達成した被験者の割合
評価期間:Week 16
ACR改善は、複数の疾患評価基準における改善を数値的化したものである。これは、臨床検査に加えて医師報告アウトカム(ClinRO)及び患者報告アウトカム(PRO)(PROの要素には1週間の想起期間がある)の両方を含む複合的な臨床アウトカム評価(COA)指標である。ACR20改善は次のように定義する: 腫脹関節数(66関節)及び圧痛関節数(68関節)の両方がベースラインから20%以上改善及び次の5つの評価のうち3つでベースラインから20%以上の改善:乾癬性関節炎(PsA)の痛みの患者の全般的評価(PtGA)、PsAのPtGA、PsAの医師の全般的評価(PGA)、健康評価質問票を用いた機能障害指数(HAQ-DI)により測定した患者による身体機能の評価、高感度C反応性タンパク(hsCRP)。
副次的な評価項目の説明:
MDAは、PsAで使用される7つのClinRO及びPROの複合評価項目である。MDA達成例は、7つの評価項目のうち5つを満たす場合に分類される:圧痛関節数68(TJC68)が1以下、腫脹関節数66(SJC66)が1以下、乾癬の面積と重症度の指標(PASI)スコアが1以下又は体表面積(BSA)が3%以下、PsAの痛みのPtGAスコアが15以下、PsAのPtGAスコアが20以下、HAQ-DIスコアが0.5以下、リーズ腱付着部炎指数(LEI)が1以下。
PASIは、尋常性乾癬(PsO)の重症度のClinRO指標である。PASIは、皮膚病変の体表面積に対する割合と、全身を頭部、上肢、体幹及び下肢の4つの部位に分け、それぞれの部位について紅斑、硬結・肥厚及び落屑(鱗屑)の重症度(5段階評価:0-4)を組み合わせて評価される。0は皮膚病変がまったくない、4は最も重度の病変を示す。PASI総スコアの範囲は0-72であり、スコア3以下は軽症、スコア3以上15未満は中等症、スコア15以上は重症とみなされる。
HAQ-DIは、過去1週間の機能的能力を以下の8つのカテゴリー(衣服の着脱と身支度、起立、食事、歩行、衛生、とどく範囲、握力、及び家事や雑用)で評価する20項目のPRO指標である。これらの各カテゴリーについて、被験者は2つ又は3つの特定の活動を行う際の困難さの程度を報告する。各項目の回答選択肢は4ポイントスケール(0=なんの困難もなくできる、1=少し困難だができる、2=かなり困難だができる、3=まったくできない)を使用する。さらに、被験者は、補助具が使用されたかどうか、又は活動を完了するために他者の補助を必要としたかどうかを報告する。HAQ-DIスコアは、0(障害なし)から3(完全な障害)までのカテゴリースコアの平均値として算出され、スコアが高いほど機能が不良であり、障害が大きいことを示す。HAQ-DIスコアを算出するためには、被験者は少なくとも6つのカテゴリーのスコアを有していなければならない。
SF-36 v2は、過去4週間の全般的健康状態を8領域〔身体機能、日常役割機能(身体)、体の痛み、全体的健康感、活力、社会生活機能、日常役割機能(精神)、及び心の健康〕で評価するように設計された36項目のPRO指標である。SF-36の各ドメインの総スコアの範囲は0(最も悪い)-100(最も良い)であり、スコアが高いほど健康関連の生活の質が高いことを示す。
FACIT-Fatigueは13項目のPRO指標であり、自己報告による疲労の重症度及び影響、並びに過去7日間の日常生活への影響を評価する。項目は、疲労、脱力、気力低下、活力喪失及び睡眠や社会活動などの活動への影響を測定する。各項目の回答選択肢は5段階尺度(0=全くない、1=わずかにある、2=時々ある、3=かなりある、4=非常にある)を用いる。総スコアの範囲は0-52 であり、スコアが高いほど疲労が少ないことを示す。
LEIは、PsAのために特異的に開発された6項目のClinRO指標であり、両側の肘外側上顆、大腿骨内側顆及びアキレス腱付着部の6つの腱付着部に4 kg/cm^2の圧力をかけたときの痛み/圧痛の有無(評価時)を評価する。各部位の圧痛を二分法(0=圧痛なし、1=圧痛)により定量化する。合計スコアは、被験者が圧迫時に圧痛を報告した部位の総数を数えることにより算出し、範囲は0-6 である。スコアが高いほど付着部炎の負荷が大きいことを示す。
LDIは、指趾炎の有無を評価するClinRO指標である。LDIでは、指趾計を用いて全20指の周長を測定することが推奨されている。指間にできるだけ近い指節近位部の周囲を測定して周径を評価する。次に罹患指に中等度の圧力を加え、指炎による圧痛/疼痛を評価する。2値スコア(0=圧痛なし、1=圧痛あり)を用いて各指の圧痛を定量化する。周径比が10%を超える指のみを指趾炎があるとみなす。スコアが高いほど指趾炎が悪化していることを示す。
sPGAは、紅斑、硬結及び鱗屑に基づいて現在の疾患状態を平均評価する5段階のClinRO指標である。sPGA総スコアの範囲は0-4(0=消失、1=ほぼ消失、2=軽度、3=中等度、4=重度)であり、スコアが高いほど疾患の重症度が高いことを示す。紅斑、硬結及び鱗屑の病変は5段階評価(紅斑:0=所見なし、4=鮮赤色に着色。硬結:0=所見なし、4=局所隆起は重度、鱗屑:0=鱗屑の痕跡なし、4=重度、厚みのある鱗屑が大半を占める)で個別に評価する。紅斑、浸潤及び鱗屑の病変スコアを平均し、四捨五入して整数にして総sPGAスコアを算出する。
PsAID-12は、症状(痛み、倦怠感、皮膚のトラブル)、過去1週間のPsAが被験者の生活に及ぼした影響を評価する12項目のPRO指標であり、仕事やレジャー活動、機能的能力、睡眠困難、困惑や恥ずかしさ、社交参加、及び精神的な落ち込みを含む。Numeric pain rating(NRS)の回答選択肢は、0=なし/倦怠感なし/困難なしから10=きわめて不快、極度、極度の倦怠感、又は極めて困難までであり、スコアが高いほど疾患の影響が大きいことを示す。
DAPSAは、臨床検査に加えてClinRO及びPROの両方を含む、末梢関節疾患活動性の複合評価項目である。DAPSAは、圧痛関節数(0-68)、腫脹関節数(0-66)、hsCRP値(mg/dL)、PsAの痛みのPtGA(0-100 VAS)及びPsAのPtGA(0-100 VAS)の各要素の合計として算出する。また、DAPSA値を次の疾患活動性カテゴリーに分類する。寛解:DAPSAが4以下、低疾患活動性:DAPSAが4超14以下、中等度の疾患活動性:DAPSAが14超28以下、高度の疾患活動性:DAPSAが28超。
hsCRPを用いたDAS28は、圧痛関節数(28関節)、腫脹関節数(28関節)、hsCRP及びPsAのPtGAを統合し算出した指標である。28関節カウントのセットは、右上肢及び左上肢の肩甲上腕、肘、手、中手指節間関節(MCP)1-5、近位指節間(PIP)-5関節、並びに右下肢及び左下肢の膝関節の評価に基づく。DASは0から10の範囲であり、スコアが高いほど疾患活動性が高いことを示す。
PGA-Fは、爪乾癬の重症度を評価するClinRO指標である。爪甲剥離、過角化、爪床の紅斑及び/又は線状出血などの爪床の症状、並びに点状陥凹、線状隆起、変色及び爪の乾癬病変のその他の徴候の有無などの爪母の症状の主観的評価を含む。臨床医は、事前に規定したカテゴリー〔なし(0)、最小(1)、軽症(2)、中等症(3)、重症(4)〕を用いて、被験者の爪床及び爪母の混濁の程度を評価する。全般的評価の合計スコアは、爪領域から病変の程度が最も大きい爪のスコアを選択して求める。スコアの範囲は0(透明~ほぼ透明の爪PsO)~4(非常に重度の爪PsO)であり、スコアが高いほど爪PsOの重症度が高いことを示す。
1. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点の最小疾患活動性(MDA)を達成した被験者の割合
評価期間:Week 16
2. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のPASI-75を達成した被験者の割合(ベースライン時からBSAの3%以上であった被験者)
評価期間:ベースライン、Week 16
PASI-75反応は、PASIスコアがベースラインから75%以上改善した場合と定義する。
3. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のACR改善基準で50%改善(ACR50)を達成した被験者の割合
評価期間:Week 16
ACR50改善は次のように定義する: SJC66及びTJC68の両方がベースラインから50%以上改善及び次の5つの評価のうち3つでベースラインから50%以上の改善:PsAの痛みのPtGA、PsAのPtGA、PsAのPGA、HAQ-DIにより測定した患者による身体機能の評価、hsCRP。
4. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のHAQ-DIスコアのベースラインからの変化量
評価期間:ベースライン、Week 16
5. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のACR改善基準で70%改善(ACR70)を達成した被験者の割合
評価期間:Week 16
ACR70改善は次のように定義する: SJC66及びTJC68の両方がベースラインから70%以上改善及び次の5つの評価のうち3つでベースラインから70%以上の改善:PsAの痛みのPtGA、PsAのPtGA、PsAのPGA、HAQ-DIにより測定した患者による身体機能の評価、hsCRP。
6. Zasocitinib(投与量A)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のShort Form 36項目健康調査票v.2.0(SF-36 v.2.0)の身体的構成要素スコア(PCS)のベースラインからの変化量
評価期間:ベースライン、Week 16
7. Zasocitinib(投与量A)とプラセボを比較した時の、Week 16時点の慢性疾患治療の機能的評価-疲労(FACIT-Fatigue)スコアのベースラインから変化量
評価期間:ベースライン、Week 16
8. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、ベースライン時に付着部炎が認められた被験者において〔リーズ付着部炎指数(LEI)>0〕、Week 16時点の付着部炎が消失(LEI=0)した被験者の割合
評価期間:ベースライン、Week 16
9. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のACRの各要素のベースラインからの変化量
評価期間:ベースライン、Week 16
ACR改善は次のように定義する: SJC66及びTJC68の両方がベースラインから改善及び次の5つの評価のうち3つでベースラインから改善:PsAの痛みのPtGA(0-100 VAS)、PsAのPtGA(0-100 VAS)、PsAのPGA(0-100 VAS)、HAQ-DI(0-3ポイントスケール)により測定した患者による身体機能の評価、hsCRP。
10. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、ベースライン時に指趾炎が認められた被験者において〔リーズ指趾炎指数(LDI)>0〕、Week 16 時点の指趾炎が消失(LDI=0)した被験者の割合
評価期間:ベースライン、Week 16
11. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 8時点のPASI-75達成率(ベースライン時のPsO病変がBSAの3%以上であった被験者)
評価期間:ベースライン、Week 8
12. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のPASI-90%以上改善(PASI-90)達成率(ベースライン時のPsO病変がBSAの3%以上であった被験者)
評価期間:ベースライン、Week 16
PASI-90反応は、PASIスコアがベースラインから90%以上改善した場合と定義する。
13. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のPASI-100達成率(ベースライン時のPsO病変がBSAの3%以上であった被験者)
評価期間:ベースライン、Week 16
PASI-100反応は、PASIスコアがベースラインから100%以上改善した場合と定義する。
14. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のACR50及びPASI-100同時達成率(ベースライン時のPsO病変がBSAの3%以上であった被験者)
評価期間:ベースライン、Week 16
15. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のPsOの医師による静的総合評価(sPGA)スコアが「消失」(0)又は「ほぼ消失」(1)かつベースラインから2 ポイント以上減少を達成した被験者(sPGA0/1)の割合(ベースライン時のsPGAスコアが2以上の被験者)
評価期間:ベースライン、Week 16
16. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のHAQ-DIによる臨床的に重要な最小差レスポンダー(臨床的に意味のあるベースラインからの0.35以上の減少を達成)の割合
評価期間:ベースライン、Week 16
17. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のSF-36 v.2.0の精神的側面の精神的構成要素スコア(MCS)のベースラインからの変化量
評価期間:ベースライン、Week 16
18. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のPsA Impact of Disease-12(PsAID-12)総スコアのベースラインからの変化量
評価期間:ベースライン、Week 16
19. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点の乾癬性関節炎疾患活動性指数(DAPSA)スコアのベースラインからの変化量
評価期間:ベースライン、Week 16
20. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点の28関節疾患活動性スコア(DAS28)〔C反応性タンパク(CRP)〕スコアのベースラインからの変化量
評価期間:ベースライン、Week 16
21. Zasocitinib(投与量AとB)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のPsOの爪乾癬に関する医師による全般的評価(PGA-F)スコアのベースラインからの変化量(ベースライン時のPGA-Fが0超の被験者)
評価期間:ベースライン、Week 16
22. Zasocitinib(投与量B)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のSF-36 v.2.0のPCSスコアのベースラインからの変化量
評価期間:ベースライン、Week 16
23. Zasocitinib(投与量B)とプラセボを比較した時の、Week 16時点のFACIT-Fatigueスコアのベースラインから変化量
評価期間:ベースライン、Week 16
フェーズ3: 多くの実際の患者さんが対象
Zasocitinib
なし
武田薬品工業株式会社
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