2型糖尿病の患者を対象とした運動療法補助システムの非盲検・検証的ランダム化比較試験
目的
2型糖尿病の患者に対する運動療法補助システムの安全性および有効性を検証する
お問い合わせ情報
東京大学医学部附属病院
yasuyoshi_s@hotmail.com
03-3815-5411
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参加条件
男性・女性
選択基準
以下のすべての条件に該当する患者を対象とする。1) (GAD抗体、IAA、ICA、IA-2抗体等の自己抗体の陽性が診療録から確認されない、病歴からインスリンの分泌低下とインスリン抵抗性をきたす遺伝的素因に環境因子が加わってインスリン作用不足を生じて発症したと考えられる糖尿病)である2) 同意取得時の行動変容ステージが熟考期、準備期もしくは実行期である患者*3) 同意取得日から遡って12週以内のHbA1cが7.5%以上、10%以下の患者4) 同意取得日から遡って8週間以内に糖尿病治療薬(インスリンおよびGLP-1受容体作動薬を含む)の変更がない患者**5) 同意取得日に年齢18歳以上75歳未満の患者6) 同意取得時に血圧180/110 mmHg未満の患者7) 同意取得日から遡って12週間以内の検査でeGFRが少なくとも1回45mL/min/1.73m2以上が確認されている患者8) 同意取得日から遡って1年(52週間)以内の尿・比が少なくとも1回 300 mg/gCr未満が確認されている患者9) 同意取得時にBMI22kg/m2以上の患者10) 同意取得日から遡って12週以内に他人の介助がなければ回復できなかった重篤な低血糖発作の既往が無い患者11) 「低血糖発作である可能性が高いと考えられる以下の症状として動悸、振戦、目眩、ふらつき、不安感、意識消失、発汗、顔面蒼白、頻脈、頭痛、眠気、目のかすみ、痙攣」を同意取得日から遡って12週以内に起こしていない患者12) 治験期間中、指定された時期に診察を受けることが可能な患者13) 本試験への参加にあたり十分な説明を受けた後、十分な理解の上、患者本人の自由意思による文書同意が得られた患者* 運動療法を行うことについて質問を行いそれに対する回答から判断する。** 治療期間中の24週間は、特に必要であると考えられる場合(HbA1cが著しい上昇傾向にある場合等)については、糖尿病治療薬の変更を考慮する。
除外基準
以下のいずれかの条件に該当する患者は対象としない。1) 同意取得時の行動変容ステージが前熟考期もしくは維持期に該当する患者2) 同意取得日から遡ること4週間の1日あたりの平均歩数が継続的に1万歩以上であることが歩数計等で確認できる患者3) ペースメーカーによる管理下にある患者4) CGMの管理下にある患者*5) 甲状腺機能亢進症と診断されており、同意取得日から遡って1年(52週間)以内に、甲状腺ホルモン製剤補充以外の治療歴のある患者6) 中等度以上の(運動療法の制限が必要と主治医が判断する)心疾患を有する患者7) 同意取得時、運動療法の制限が必要と主治医が判断する患者**8) 同意取得日から遡って12週以内のHbが10g/dL未満の患者9) 同意取得日から遡って12週以内のAlbが3.0g/dL以下の患者10) 同意取得日から遡って1年(52週間)以内に増殖前網膜症以上の網膜症を指摘されている患者11) 運動療法が行えない患者12) 妊婦または授乳婦および妊娠の可能性(意思)のある患者13) 登録時に他の試験に参加している患者14) 治験責任医師又は治験分担医師が認知機能に問題があると判断する患者15) その他、治験責任医師又は治験分担医師が本試験の対象として不適切と判断した患者**** 同意取得時から遡って8週間以上SMBGもしくはisCGMを行なっている場合は除外しない。** 被験者が運動療法の制限が必要かどうかは、「糖尿病治療ガイド(日本糖尿病学会 編・著 2022-2023)」の「運動療法を禁止あるいは制限した方がよい場合」を参考にして判断する。*** 不適切と判断した理由を記録に残す。
治験内容
介入研究
HbA1cについてスクリーニング期(本登録時V2)の測定値と12週目(V5)、24週目(V8)またはそれ以前の中止時のうち最新の測定値との変化量を2群で比較する。
1.有効性評価項目 1-1) HbA1cについて1) 各群においてスクリーニング期(本登録時V2)と12週目(V5)またはそれ以前の中止時を前後比較、スクリーニング期(本登録時V2)と24週目(V8)またはそれ以前の中止時を前後比較、スクリーニング期(本登録時V2)と36週目(V9)またはそれ以前の中止時を前後比較する。2) 2群間でスクリーニング期(本登録時V2)から12週目(V5)またはそれ以前の中止時までの変化量、スクリーニング期(本登録時V2)から36週目(V9)またはそれ以前の中止時までの変化量を比較する。3) 2群間で12週目(V5)またはそれ以前の中止時における7%未満の割合、24週目(V8)またはそれ以前の中止時における7%未満の割合、および36週目(V9)またはそれ以前の中止時における7%未満の割合を比較する。 1-2) その他有効性評価項目以下項目についてスクリーニング期(同意取得時 V0)から24週目(V8)またはそれ以前の中止時までの変化量、スクリーニング期(同意取得時 V0)から12週目(V5) またはそれ以前の中止時までの変化量をシステム使用群と対照群の2群間で比較する。2)〜16)についてはスクリーニング期(同意取得時 V0)から36週目(V9)またはそれ以前の中止時までの変化量も評価する。尚、1)については、スクリーニング期(同意取得時 V0)ではなくスクリーニング期(ベースラインの歩数取得V1)を変化量の前値として用い、前後比較も行い、推移を評価する。17)については、スクリーニング期(同意取得時 V0)ではなく介入開始後(V2~V3)を変化量の前値として用い、②はシステム使用群のみにおいて前後比較を行う。18)については24週目(V8)またはそれ以前の中止時について評価し、システム使用群のみで実施する。19)についてはスクリーニング期(同意取得時 V0)における測定値を評価する。1) 1日あたりの歩数2) 空腹時血糖値(mg/dL)(食後5時間以上)3) eGFR (mL/min/1.73m2)4) BMI(kg/m2)5) 収縮期および拡張期血圧(mmHg)6) HDL-コレステロール(mg/dL)、LDL-コレステロール値(mg/dL)、中性脂肪(mg/dL)7) 併用薬の服薬状況(治療薬の種類・1日投与量(1週間製剤については1週間の投与量))糖尿病治療薬については、服薬状況を「増強・不変・減弱」にて評価新規薬物追加(糖尿病治療薬、高血圧治療薬、脂質異常症治療薬)の「有・無」8) 身体機能の変化(ロコモ25)9) 自己管理行動の変化The Summary of Diabetes Self-Care Activities Measure (SDSCA) 日本語版(大徳, 2006)の各下位尺度得点(一般的な食事、特別な食事、運動、血糖自己測定、服薬管理、フットケア)10) 身体活動量増加のための「行動の工夫」の変化2型糖尿病患者の身体活動調査票 Evaluation scale for self-management behavior related to physical activity of type 2 diabetic patients (ES-SMBPA-2D)(Nakawatase, 2007)の各下位尺度得点および各項目の実施頻度11) 身体活動に対する自己調整の実施度の変化Physical Activity Self-Regulation scale (PASR-12) 日本語版 (Watanabe, 2017) 12) ウォーキングの自己効力感の変化① 特定の歩数の目標を達成する自己効力感(福島, 2011をもとに作成)② ウォーキングのバリアに対処する自己効力感:ウォーキング行動のセルフ・エフィカシー尺度(中山, 2002)13) 自己管理行動全般の自己効力感の変化健康行動に対するセルフ・エフィカシー尺度(金, 1996)の「疾患に対する対処行動の積極性」下位尺度得点14) 心理的負担の変化(PAID)15) QoLの変化(ADDQoL)16) ウォーキング時間17) アプリの利用状況(②はシステム使用群のみで評価)① 各登録項目(歩数、血圧、体重)の登録率② 目標達成率(目標達成日数÷利用期間の日数×100 (%))、目標増加率(目標増加回数÷目標設定日の数×100 (%))、目標減少率(目標減少回数÷目標設定日の数×100 (%))、平均チャレンジ実施数(1日のチャレンジ実施数の利用期間を通しての平均)、バリアの特定数18) システムの有用性・ユーザビリティ(システム使用群のみで評価)19) ヘルスリテラシー2.安全性評価項目治験期間中の自覚的低血糖の発症頻度およびドクターコール(高血圧)の発生頻度、疼痛の発生・悪化頻度およびその他の有害事象
利用する医薬品等
販売名
組織情報
東京大学医学部附属病院
東京都文京区本郷7-3-1
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