JNJ-63733657という薬とプラセボの効果を、認知機能と日常生活機能の複合指標であるiADRSを使って比較することが治験の目的です。
この治験に参加するための条件は、55歳以上80歳以下で男性または女性であることです。また、早期アルツハイマー病であること、タウPET検査で陽性であること、5年以上の正式な教育歴があること、読み書き能力が十分であり、治験を完了する可能性が高い治験パートナーがいることが必要です。男性の場合は、治験中及び治験薬の最終投与後最長16週間、生殖を目的として精子を提供しないことに同意する必要があります。一方、除外される条件には、認知症以外の病気があること、うつ病や脳卒中などの病気があること、中枢神経系に影響を及ぼす薬物療法を受けていることが含まれます。
この治験は、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症に対する治療法の研究です。治験のフェーズはフェーズ2で、介入研究と呼ばれるタイプです。治験の主要な結果評価方法は、被験者の認知機能及び日常生活機能の複合指標であるIntegrated Alzheimer's Disease Rating Scale(iADRS)合計スコアに関するベースラインからの変化量です。また、RBANSやCDR-SB、NPIなどの検査も行われます。治験の期間は最長4.5年で、CSF中のJNJ-63733657濃度も評価されます。
介入研究
Week 104のIntegrated Alzheimer's Disease Rating Scale(iADRS)合計スコア に関するベースラインからの変化量
ADAS Cog13とADCS ADL MCIの線形結合であるiADRSは、被験者の認知機能及び日常生活機能の複合指標(全体的な臨床状態) の複合として機能し、スコアは0~134 点の範囲で,スコアが低いほど機能が低いことを示す。
iADRSは、 ADAS Cog 13(スコアは0~85 点。スコアが高いほど認知機能が低いことを示す)とADCS-ADL MCI(項目3 の着衣項目は削除し,スコアは0~49 点。スコアが低いほど日常生活機能が低いことを示す)との組み合わせとする。
Week104のAlzheimer’s Disease Assessment Scaleの認知機能下位尺度13項目版(ADAS-Cog 13)合計スコアに関するベースラインからの変化量
ADAS-Cog11は記憶,言語,行為,注意及びその他の認知能力の障害を評価する,11の課題から構成されている。改良ADAS-Cog13項目の尺度は,元のADAS-Cogの全項目に数字消去課題及び遅延自由再生課題を加えられ合計85点となり,スコアが高いほど認知機能が低いことを示す。従って,ベースラインからの変化量がマイナスであれば,認知機能の改善を意味する。各項目を電子機器に記録しADAS-Cog13の合計スコアを算出する。
Week 104のAlzheimer’s Disease Cooperative Study Activities of Daily Living for Mild(ADCS-ADL-MCI)合計スコアに関するベースラインからの変化量
ADCS-ADL-MCIは,治験パートナー(情報提供者)により提供される情報に基づき,複数のADLに関する患者の成績を示した機能指標である。ADCS-ADL-MCIは,18の手段的日常生活動作(より高度な日常生活機能)と1つの基本的日常生活機能(着衣)を評価する。合計スコアは0~53点の範囲でありスコアが高いほど障害が低いことを示す。
Repeatable Battery for the Assessment of Neuropsychological Status(RBANS)Total Scale Index Scoreのベースラインからの変化量
ベースラインから最長4.5年(治療終了時まで)
RBANS検査には,5つのRBANS指標にわけられる12の下位検査が含まれる。:1. 即時記憶(単語記憶学習及び物語記憶); 2. 視空間/構成(図形模写及び線方向づけ); 3. 言語(絵呼称及び意味流暢性); 4. 注意(数唱及び符号); 5. 遅延記憶(単語再生,単語再認,物語記憶及び図形再生)を報告する。指標スコアは,年齢で調整した標準スコアとして表され,正常な平均値は100,SDは15 である。Sum of Index Scoresとは5つの指標スコアの合計であり,変換表を使ってRBANS Total Scale Index Scoreに変換される。RBANS Total Scale Index Scoreとはノルムに基づくスコアであり,平均値100,SD15の分布をもとにしている。各サブ指標と指標スコアが高いほどパフォーマンスが良好であることを示す。
RBANS指標のベースラインからの変化量
ベースラインから最長4.5年(治療終了時まで)
RBANS指標のベースラインからの変化を評価する。RBANS検査には,5つのRBANS指標にわけられる12の下位検査が含まれる。:1. 即時記憶(単語記憶学習及び物語記憶); 2. 視空間/構成(図形模写及び線方向づけ); 3. 言語(絵呼称及び意味流暢性); 4. 注意(数唱及び符号); 5. 遅延記憶(単語再生,単語再認,物語記憶及び図形再生)を報告する。
Clinical Dementia Rating - Sum of Boxes(CDR-SB)に関するベースラインからの変化量
ベースラインから最長4.5年(治療終了時まで)
CDRは,CDRの聞き取りに基づく記憶,見当識,判断力と問題解決,地域社会活動,家庭生活及び趣味,並びに介護状況を含む3つの認知機能及び3つの日常生活機能の採点を含む,全体的な臨床病期分類質問票である。CDRは2通りの方法で採点され,Global CDR スコア(CDR-GS。0,0.5,1,2及び3点のカテゴリスコアを含むアルゴリズムで評価)並びにCDR-SB(6つのドメインの連続加算。合計スコアは最高18点で,スコアが高いほど病態が悪いことを示す)が得られる。Sum of boxesとGlobal scoreはCDR全体から算出される。
Neuropsychiatric Inventory (NPI)のベースラインからの変化量
ベースラインから最長4.5年(治療終了時まで)
NPIは精神・行動障害の指標であり,障害の頻度及び重症度を12のドメインで評価する。各ドメインの頻度は4点尺度(1=ほとんどない~4=ほとんどずっと),重症度は3点尺度(1=軽度~3=重度)で評価する。各ドメインのスコアは頻度と重症度スコアの積とし,したがって各ドメインのスコアは1~12点となる。NPI合計スコアは12のドメインスコアの合計で,0点(最高)から144点(最低)をとる。
Clinical Dementia Rating- Global Score (CDR-GS)がベースラインからベースライン後に,0から0.5以上,0.5から1以上,1から2以上に進行した被験者の割合
ベースラインから最長4.5年(治療終了時まで)
CDRは主観的に判定されるアウトカム指標であり,CDRの聞き取りに基づく以下の3つの認知機能及び3つの日常生活機能の採点を含む,全体的な臨床病期分類質問票である:1)記憶,2)見当識,3)判断力と問題解決,4)地域社会活動,5)家庭生活及び趣味,並びに6)介護状況。CDRは2通りの方法で採点される。Global CDRスコア(米国ミズーリ州セントルイスのワシントン大学医学部のKnight Alzheimer Disease Research Centerで開発されたアルゴリズムに由来し,0=認知機能障害なし,0.5=認知症の疑い,1=軽度認知症,2=中等度認知症,及び3=重度認知症のカテゴリースコアを含む),並びにCDR-SB(6つのドメインの連続加算。合計スコアは最高18点で,スコアが高いほど病態が悪いことを示す)。
タウPETによる脳内タウ蓄積のベースラインからの変化量
ベースラインから最長4.5年(治療終了時まで)
タウ陽電子放射断層撮影(PET)で測定した脳内タウ蓄積のベースラインからの変化量を評価する。
脳脊髄液(CSF)中の総量,遊離型及び結合型p217+tauフラグメント濃度のベースラインからの変化量
ベースラインから最長4.5年(治療終了時まで)
CSF中の総量,遊離型及び結合型p217+tau(リン酸化タウ)フラグメント濃度のベースラインからの変化量を評価する。
CSF中のJNJ-63733657濃度
Week 52,104,208(治療終了時)
CSF中のJNJ-63733657濃度を評価する。
フェーズ2: 少数の軽度な患者さんが対象
JNJ-63733657
なし
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