原発性免疫不全症患者を対象としたシロリムスの有効性および安全性を検討する第II相臨床試験
目的
原発性免疫不全に伴うリンパ組織腫大、腸炎、血球減少症に対するシロリムスの有効性および安全性を評価する
同じ対象疾患の治験
(41件)参加条件
性別
男性・女性
年齢
2ヶ月 以上上限なし
選択基準
以下のすべての基準を満たす患者を選択する。
(1)PIDJに登録され、フローサイトメトリーまたは遺伝子検査にて以下のいずれかの疾患と診断された患者
1)活性化PI3K-delta症候群(APDS)
2)CTLA4ハプロ不全
3)LRBA欠損症
4)IPEX症候群、IPEX-like
5)自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、ALPS-like
6)分類不能型免疫不全症(CVID)*
*疾患判定委員会によりmTORパスウェイの亢進が背景にあると判断された患者のみ対象とする
(2)以下のいずれかの症状を示し、3ヵ月以上ステロイド治療をしたが効果が不十分、または副作用でステロイド治療の継続が望ましくないと判断される患者
1) 評価可能なリンパ増殖症状を有する患者;
・肝腫大:肋骨弓下に3.0 cm以上触知するもの
・脾腫:触知するもの
・測定可能なリンパ節病変または節外性病変:CTまたはMRIで長径2.0cm以上であるもの
2)腸炎(16歳以上:CDAIスコア≧220、16歳未満:wPCDAIスコア≧40)を示す患者
3)以下に該当する2系統以上の自己免疫性血球減少症*を有する患者;
・ヘモグロビン濃度<10.0g/dL
・好中球数<1500/µL
・血小板数<75,000/µL
*自己免疫性血球減少症:血球産生低下を伴わない血球減少であり、免疫抑制剤での治療反応が認められた既往がある、または自己抗体を認めるものとする
(3)同意取得時点で、0歳2ヵ月以上の患者
(4)顆粒剤または錠剤の服用が可能な患者
(5)治験薬の取り扱いおよび管理など、治験実施計画の規定事項を遵守できる患者
(6)患者本人または代諾者から本治験への参加について自由意思による文書同意が得られている患者
除外基準
(1)二次性免疫不全症の患者
(3)コントロール不良の高脂血症患者またはコントロール不良の糖尿病患者
(4)臨床的に重要な感染症の徴候や症状が認められる患者(抗生剤等のivが必要な感染症など)
(5)スクリーニング時の血清血清血清クレアチニンクレアチニンクレアチニンが基準値上限の3倍を超える患者
(6)HBs抗原陽性の患者、HBs抗体若しくはHBc抗体陽性でHBV-DNAが検出された患者、またはC型活動性肝炎の患者(HCV抗体陽性患者は、非活動性かつ、肝機能値が正常の場合は除く)
(7)QFT/T-SPOT陽性患者
(8)登録前2週間以内に手術(体腔内への侵襲または3針以上の縫合を要する手術。生検を含む)を受けた患者
(9)治験薬投与期間中に手術の予定がある患者
(10)造血幹細胞移植を受けた患者
(11)本治験登録前12週以内に輸血を受けた患者
(12)本治験登録前1週以内にG-CSF製剤の投与を受けた患者(持続性G-CSF製剤の場合は4週以内)
(13)本治験登録前4週以内にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を服用した患者
(14)本治験登録前4週以内に他の治験薬を服用した患者
(15)過去にmTOR阻害薬またはPI3Kδ阻害薬を服用したことのある患者
(16)本治験登録前4週以内に生ワクチンの接種を受けた患者
(17)NYHAクラス分類Ⅱ~Ⅳのうっ血性心不全の患者
(18)登録前6ヵ月間に心筋梗塞の既往がある患者
(19)治療が必要な症候性不整脈がある患者
(20)スクリーニング時に活動性のある悪性腫瘍を合併している場合(ただし、疾患によっては、悪性の判断が困難であるため、総合的に判断する)
(21)シロリムス、シロリムス製剤の成分またはシロリムス誘導体(エベロリムス、テムシロリムス)に対し過敏症の既往歴のある患者
(22)妊娠可能な患者、または妊娠可能なパートナーを持つ患者で、同意取得から治験薬最終投与12週後まで適切に避妊することに同意できない患者
(23)妊娠中または授乳中の患者、妊娠している可能性がある患者
(24)その他、治験責任医師または治験分担医師が本治験の対象として不適格であると判断した患者
治験内容
介入研究
主要結果評価方法
12週時点で以下に示す改善の基準を全て満たした被験者の割合
1)スクリーニング時に有するリンパ組織腫大、腸炎、血球減少症のうち、臨床的に最も治療介入が必要と判断した主症状がPRまたはCRであり、それ以外の症状がPDではない。
2)スクリーニング時になかったリンパ組織腫大、腸炎、血球減少症が新たに生じていない。
第二結果評価方法
・投与24週時、36週時、52週時の改善割合
・各評価時点でのすべての症状のCR割合およびCR+PR割合
・各評価時点での各症状のCR割合およびCR+PR割合
・各評価時点での各評価時点でのその他の自己免疫症状の改善割合
・QOL評価(EQ-5D-5L)と有効性評価の相関
・投与12週時、24週時、52週時でステロイドの漸減が成功した被験者の割合
・各評価時点での肝腫大・脾腫の容積の変化率(肝腫大・脾腫が評価対象の場合)
利用する医薬品等
一般名称
シロリムス(NPC-12T錠)、シロリムス(NPC-12K顆粒)
販売名
ラパリムス錠、ー