進行消化器癌患者を対象に,用量拡大コホートを伴う,BI 905711を化学療法と併用する第Ia/Ib相,オープンラベル,多施設共同,用量漸増試験

目的

第Ia相: ・ 最大耐量(MTD)評価期間中に用量制限毒性(DLT)を発現した被験者の頻度に基づき,結腸・直腸腺癌(CRC)患者においてFOLFIRI+ベバシズマブと併用したときのBI 905711のMTD及び拡大推奨用量(RDE)を決定する。 ・ 薬物動態/薬力学及び有効性を検討し,FOLFIRI+ベバシズマブと併用したときのBI 905711のMTD又はMTDが特定できない場合に有効性が期待できる用量を決定する。 第Ib相 ・ 結腸・直腸腺癌(CRC)コホートにおいてFOLFIRI+ベバシズマブと併用したときのBI 905711の有効性及び安全性を評価し,第II相試験推奨用量(RP2D)を決定する。 ・ 膵管腺癌(PDAC)コホートにおいてFOLFIRIと併用したときのBI 905711の有効性及び安全性を評価し,RP2Dを決定する。

基本情報

募集ステータス
募集前

対象疾患

進行性切除不能又は転移性結腸・直腸腺癌(CRC) 及び CDH17陽性膵管腺癌(PDAC)


治験フェーズ

フェーズ1

参加条件

性別

男性・女性


年齢

20歳 以上上限なし


選択基準

第Ia相及び第Ib相の両コホートに適用:

1. ICH-GCP及び各国の法令に従い,治験に参加する前に同意書に署名及び日付を記入した患者。

2. スクリーニング時に法律上の成人年齢(各国の定める法規に従う)に達している患者。

3. 組織学的又は細胞学的に確認された進行性切除不能又は転移性結腸・直腸腺癌。

4. CRC:過去のオキサリプラチンをベースとした1次治療後又はオキサリプラチンをベースとした術後補助療法終了後6カ月以内にPDが認められた患者。

5. 米国東部癌治療共同研究グループ(ECOG)パフォーマンス・ステータスが1以下である患者。

6. 3カ月以上の生存が期待できると治験責任(分担)医師が判断する患者。

7. バイオマーカー分析用の腫瘍組織(新鮮生検又は保存検体)を提出できる及び提出する意思がある患者。

本治験で指定された生検の採取には,治験責任(分担)医師の判断に従い重大なリスクを伴わない処置のみを使用する。新鮮腫瘍生検採取ができない場合,治験責任(分担)医師と依頼者との合意の上,状況に応じて患者の募集を進めることができる。この場合,保存用腫瘍組織検体を提出する。

8. 以下の基準に合致する十分な肝,膵,腎及び骨髄機能を有する患者

– 総ビリルビンが施設基準値上限の1.5倍以下

– ALT及びASTが施設基準値上限の2.5倍以下(既知の肝転移が認められる患者では施設基準値上限の5倍以下)

– 血清クレアチニンが施設基準値上限の1.5倍以下。クレアチニンが施設基準値上限の1.5倍を超える場合,同時に測定したクレアチニンクリアランス(測定値,又はCKD-EPI式による算出値,又は日本人患者では日本版CKD-EPI式による算出値)が50 mL/min(≥ 0.05 L/min)以上である患者は適格とする。

– 絶対好中球数(ANC)が1.5 × 109/L(1.5 × 103/μL,1500/mm3)以上

– 血小板数が100 × 10 9/L(100 × 103/μL,100 × 103/mm3)以上

– ヘモグロビン(Hb)が8.5 g/dL(85 g/L,5.3 mmol/L)以上(過去1週間に輸血がないこと)

– 血清リパーゼが施設基準値上限の1.5倍以下

9. これまでに受けた抗がん療法の有害事象から有害事象共通用語規準(CTCAE v5.0)に基づくグレード1まで回復している(CTCAEグレード2の脱毛症,又は末梢性感覚ニューロパチー,若しくは治験責任(分担)医師が臨床的に重要ではないと判断したその他のCTCAEグレード2の有害事象は除く)

10. 男女の患者。妊娠可能な女性(WOCBP)1と生殖能力のある男性は,ICH M3(R2)に従い,一貫して適切に使用した際の年間避妊失敗率が1%未満の極めて有効な避妊法を使用する意思があり,かつこれを使用しなければならない。

さらに,基準11は第Ia相コホートにのみ適用

11. 測定可能病変又は測定不能病変を有する患者。

さらに,基準12~14は第Ib相コホートにのみ適用

12. RECIST 1.1に従い正確に測定可能な標的病変を1つ以上有する患者。

PDAC患者は以下の基準も満たさなければならない:

13. 組織学的又は細胞学的に確認された進行性切除不能又は転移性CDH17陽性膵腺癌

14. 過去のプラチナ製剤及び/又はゲムシタビンベースの1次治療後にPDが認められた患者。


除外基準

第Ia相及び第Ib相の両コホートに適用

1. 転移した状態でのイリノテカンをベースとした治療歴

2. 全身性の抗がん療法の最終投与から治験薬の初回投与までの規定の期間内において以下の全身性の抗がん療法を受けた患者

- 14日以内に血管新生阻害薬(ベバシズマブ又はラムシルマブ又はアフリベルセプト)及び抗EGFR抗体(セツキシマブ又はパニツムマブ)を含む治験薬以外の薬剤の投与

- 28日以内に治験薬又は免疫チェックポイント阻害剤を含むその他の抗体の投与

3. 現時点で別の機器又は薬剤の臨床試験に組み入れられている患者。別の臨床試験の追跡調査/観察中の患者は適格とする。

4. 治験薬投与開始前4週間以内の放射線療法。ただし,症状のある転移に対する緩和的放射線療法は,治験薬投与開始前2週間以内に完了している場合は許容される。

5. 本治験の要件の遵守に影響を及ぼす,神経系疾患,精神疾患,感染症,活動性の潰瘍(消化管,皮膚)など治験薬の有効性や安全性の評価に影響を及ぼすと考えられるあらゆる重篤な合併症を有する,重篤な病状である,又は本治験への参加若しくは治験薬の投与によるリスクを増大しかねない臨床検査値異常など,本治験への参加が適切でないと治験責任(分担)医師が判断する患者。

6. 治験薬の安全性の評価に支障をきたし,毒性のリスクを増大させる可能性のある治験対象疾患以外の消化管,肝臓及び膵臓の病態が判明している患者。

a) 炎症性腸疾患

b) 慢性膵炎

c) その他,治験責任(分担)医師の判断により重篤な消化管の病態。例えば消化管に波及する自己免疫疾患,原因不明のCTCAEグレード2以上(CTCAE v5.0に基づく)の活動性下痢など。

7. ヒト免疫不全ウイルス感染歴を有する患者。

8. 以下の肝炎ウイルス感染が認められる患者。日常診断検査で得られた検査結果は,同意取得日の前14日以内に得られている場合は使用可とする。

– B型肝炎表面(HBs)抗原陽性

– HBV-DNAとHBc抗体との併存

– C型肝炎ウイルスRNAの存在

9. 過去2年以内に,本治験で治療を受けた悪性腫瘍以外の悪性腫瘍の既往又は合併がある患者。ただし,以下を除く:

– 有効な治療が行われた非黒色腫皮膚癌

– 有効な治療が行われた子宮頚部上皮内癌

– 有効な治療が行われた非浸潤性乳管癌

– 局所治療により治癒したと考えられる,有効な治療が行われたその他の悪性腫瘍

10. 慢性アルコール若しくは薬物乱用,又は本治験の治験実施計画書の要件を遵守できない,若しくはスケジュールに従い治験を完了することが困難である状態であると治験責任(分担)医師が判断する患者。

11. 妊娠中,授乳中,又は治験期間中の妊娠を計画している,若しくは治験薬投与開始から治験薬最終投与の6カ月後までの期間に授乳を中断することに同意しない女性患者。

12. コントロール不良又は症候性の脳又は硬膜下転移のある患者。脳転移の局所療法が完了し,治験責任(分担)医師が安定していると判断する患者,又はスクリーニング時に無症候性の脳転移が新たに確認された患者の組入れは可能である。コルチコステロイドの使用は,ベースラインMRIの1週間以上前から安定した用量である場合は可とする。

13. 司法保護下にある患者及び法に基づき施設収容されている患者。

14. 治験薬投与開始前28日以内に大手術(大手術は治験責任[分担]医師の判断に基づく)を受けている,又はスクリーニング後3カ月以内に大手術(人工股関節置換など)を予定している患者。

15. 以下に示す心臓に関連する基準のいずれかに抵触する。

a) 安静時の補正QT間隔(QTc)が実施医療機関の評価に基づき,470 msecを超えている。

b) 完全左脚ブロック,第3度心ブロックなど,安静時心電図(ECG)の調律,伝導又は波形に,臨床的に重大な異常が認められると治験責任(分担)医師が判断する患者。

c) 駆出率(EF)が50%未満又は施設基準値下限を下回る。治験責任(分担)医師(又は治療にあたる医師)によりEFに悪影響を及ぼす心疾患が疑われる場合に限り,スクリーニング期間中に適格性を確認する目的で,実施医療機関の規定に従い適切な方法にてEFを測定する(心エコー,マルチゲートスキャンなど)。治験薬初回投与前6カ月以内に測定したEFにて適格性を評価することは可能であるが,その際は治験責任(分担)医師又は治療にあたる医師の見解で,当該測定以降患者にEFの悪化がみられていないとする臨床的な根拠を示すこと。

d) スクリーニング前6カ月以内に脳卒中又は心筋梗塞の既往がある患者は許容されない。

16. 治験薬又はその添加物に対する既知の過敏症を有する患者。

17. ジルベール症候群の既往又は臨床上のエビデンスがある,又は以下のいずれかの遺伝子型が判明している患者:UGT1A1*6/*6,UGT1A1*28/*28,又はUGT1A1*6/*28

18. 現行の承認されている各国の添付文書と提案されている基礎治療とに何らかの矛盾がある。

治験内容

研究のタイプ

企業治験介入研究


主要結果評価方法

第Ia相

・MTDは,MTD評価期間中の真のDLT発現割合が33%以上となる確率が25%未満である最大の用量と定義する。

・MTD評価期間中にDLTが発現した患者数

第Ib相

・測定可能病変を有する患者における固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST 1.1)に従い治験責任(分担)医師が評価した客観的腫瘍縮小効果(OR)。ORは最良総合効果が完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)であることと定義し,治験薬投与開始から疾患進行(PD),死亡又は次治療の抗がん療法開始前の評価可能な最終腫瘍評価のうちいずれか最も早い時点までに記録された最良の効果とする。

・PDACコホートの安全性導入評価:MTD評価期間中にDLTを発現した患者数。


第二結果評価方法

第Ia相

・ 1サイクル目及び複数サイクル後の治験薬投与後に以下の薬物動態パラメータを算出する。

– Cmax:BI 905711の最高血漿中濃度

– AUC0-t2:BI 905711の血漿中濃度-時間曲線下面積

第Ib相

・ 無増悪生存期間(PFS)は治験薬投与開始から疾患進行又は死亡のいずれか早い時点までの期間と定義し,RECIST 1.1に従い治験責任(分担)医師が評価する。

・ 画像診断(CTスキャン)上の腫瘍縮小はRECIST 1.1に従い標的病変のベースライン後の長径和の最小値と同じ標的病変のベースラインの長径和との差と定義する。

・ 奏効期間は,RECIST 1.1に従いCR又はPR(最初に記録された方)の測定規準を満たした時点から,再発又はPDが客観的に確認された最初の日までの期間である(試験中に記録された最小測定値を進行の比較対照とする)。

・ 病勢コントロールは,RECIST 1.1に従いCR,PR又は少なくとも16週間継続する安定(SD)と定義し,治験薬投与開始からPD,死亡又は次治療の抗がん療法開始前の評価可能な最終腫瘍評価のうちいずれか最も早い時点までを対象とする。

・ 1サイクル目及び複数サイクル後の治験薬投与後に以下の薬物動態パラメータを算出する。

– Cmax:BI 905711の最高血漿中濃度

– AUC0-t2:BI 905711の血漿中濃度-時間曲線下面積

利用する医薬品等

一般名称

BI 905711


販売名

なし

組織情報

実施責任組織

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社


住所

東京都品川区大崎2-1-1