アトピー性皮膚炎(AD)を持つ12歳以上の患者を対象に、新しい治療薬amlitelimabの有効性と安全性を調査するための第III相の治験が行われています。治療効果が不十分である患者を対象に、外用ステロイド薬を基本治療として使用している患者が対象となっています。
参加条件は以下の通りです。 - 年齢が12歳以上であること。 - アトピー性皮膚炎(AD)が1年以上あること。 - 生物学的製剤や経口JAK阻害薬(JAKi)の治療で効果が不十分であること。 - ADの症状が重いこと(vIGA-ADが3又は4、EASIが16以上、BSAの10%以上、PP-NRSの週平均が4以上)。 - 治験に参加し、指示に従う意思があること。 - 体重が25 kg以上であること。 除外基準は以下の通りです。 - 皮膚の他の病気があること。 - 免疫抑制の病歴があること。 - 悪性腫瘍の病歴があること。 - 移植の病歴があること。 - 感染症があること。 - HIV、B型肝炎、C型肝炎が陽性であること。 - 結核やTBのリスクが高いこと。 - 特定の治療を受けたことがあること。 - 臨床検査結果が異常であること。 - 添加物や治験薬にアレルギーがあること。
この治験は、アトピー性皮膚炎を対象として行われており、治験フェーズはフェーズ3です。治験の主な目的は、患者の皮膚状態や生活の質を改善することです。 治験では、患者の皮膚状態を評価するためにいくつかの評価方法が使用されます。例えば、医師が記入する評価尺度であるvIGA-ADやEASIスコアなどがあります。これらの評価方法を使用して、治験薬の効果や安全性を評価します。 また、患者の生活の質や心理的状態も評価されます。例えば、睡眠障害や不安、抑うつなどの質問票を使用して、患者の心理的側面も考慮されます。 治験の結果は、治験薬の効果や安全性を評価するだけでなく、患者の生活の質や心理的状態にも影響を与えることが期待されています。治験の結果は、将来の治療法の開発や患者の生活の質の向上に貢献することが期待されています。
介入研究
1. 欧州連合(EU)、EU参照国及び日本の主要評価項目:Week 36時点で、vIGA-ADが0(消失)又は1(ほぼ消失)、かつベースラインから2ポイント以上減少した被験者の割合
[評価期間:Week 36]
vIGA-ADは、ADの重症度及び治療に対する臨床効果を判定するために使用する、医師が記入する評価尺度である。これは、0(消失)~4(重症)の5段階評価に基づいている。
2. EU、EU参照国及び日本の主要評価項目:Week 36時点で、EASIスコアがベースラインから75%減少(EASI-75)した被験者の割合
[評価期間:Week 36]
EASIは、ADの範囲(面積)及び重症度を測定するため使用される、検証済みの医師が評価するツールである。総スコアの範囲は0~72で、スコアが高いほどADの範囲が広く重症度が高いことを示す。
3. 米国及び米国参照国の主要評価項目:Week 36時点で、vIGA-ADが0(消失)又は1(ほぼ消失)、かつベースラインから2ポイント以上減少した被験者の割合
[評価期間:Week 36]
vIGA-ADについては、主たる評価項目1参照。
1. Week 36時点でEASI-75を達成した被験者の割合(米国及び米国参照国のみ)
[評価期間:Week 36]
EASIについては、主たる評価項目2参照。EASI-75はEASIスコアのベースラインから75%の減少である。
2. vIGA-ADが0(消失)又は1(ほぼ消失)、かつかろうじて知覚できる紅斑(硬結/丘疹なし、苔癬化なし、毛細血管性出血又は痂皮なし)のみが認められた被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
vIGA-ADについては、主たる評価項目1参照。
3. 毎日測定するPP-NRSのベースラインの週平均が4以上の被験者で、PP-NRSの週平均がベースラインから4ポイント以上減少した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
PP-NRSは、ADに関連するピーク時そう痒(痒み)を評価する、検証済みの単一項目の0~10の数値評価尺度である。0 = そう痒なし、10 = 想像できる最悪のそう痒である。
4. EASI-75を達成した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 24まで]
EASIについては、主たる評価項目2参照。EASI-75は、EASIスコアのベースラインから75%の減少である。
5. vIGA-ADが0(消失)又は1(ほぼ消失)、かつベースラインから2ポイント以上減少した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 24まで]
vIGA-ADについては、主たる評価項目1参照。
6. EASI-90を達成した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
EASIについては、主たる評価項目2参照。EASI-90は、EASIスコアのベースラインから90%の減少である。
7. EASI-100を達成した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
EASIについては、主たる評価項目2参照。EASI-100は、EASIスコアのベースラインから100%の減少である。
8. PP-NRSが0又は1の被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
PP-NRSについては、副次的な評価項目3参照。
9. 16歳以上の被験者における皮膚疾患に特異的な生活の質指標(DLQI)のベースラインからの変化量
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
DLQIは、成人患者の皮膚疾患に特化した生活の質(QoL)を測定する、検証済みの10項目の質問票である。総スコアの範囲は0~30で、スコアが高いほどQoLが低いことを示す。
10. ベースラインのDLQIが4以上の16歳以上の被験者で、DLQIがベースラインから4以上減少した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
DLQIについては、副次的な評価項目9参照。
11. 12歳以上16歳未満の被験者における小児の皮膚疾患に特異的なQOL指標(CDLQI)のベースラインからの変化量
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
CDLQIは、4歳から16歳未満の小児の皮膚疾患に特化したQoLを測定する、検証済みの10項目の質問票である。総スコアの範囲は0~30で、スコアが高いほどQoLが低いことを示す。
12. ベースラインのCDLQIが6以上の12歳以上16歳未満の被験者で、CDLQIがベースラインから6以上減少した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
CDLQIについては、副次的な評価項目11参照。
13. 病院における不安と抑うつに関する質問票(HADS)のベースラインからの変化量
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
HADSは、不安及び抑うつの2つのサブスケールから成る14項目の質問票である。サブスケール(不安及び抑うつ)スコアの範囲はそれぞれ0~21である。HADS総スコアの範囲は0~42で、スコアが高いほど状態が悪いことを示す。
14. ベースラインのHADSサブスケール-不安(HADS-A)が8以上の被験者で、HADS-Aが8未満の被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
HADS-Aスコアの範囲は0~21で、スコアが高いほど状態が悪いことを示す。
15. ベースラインのHADSサブスケール-抑うつ(HADS-D)が8以上の被験者で、HADS-Dが8未満の被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
HADS-Dスコアの範囲は0~21で、スコアが高いほど状態が悪いことを示す。
16. 毎日測定する皮膚疼痛-数値評価尺度(SP-NRS)の週平均のベースラインからの変化量
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
SP-NRSは、ADに関連する皮膚疼痛を評価する単一項目の0~10の数値評価尺度である。0 = 痛みなし、10 = 想像できる最悪の痛みである。
17. 毎日測定するSP-NRSのベースラインの週平均が4以上の被験者で、SP-NRSの週平均がベースラインから4以上減少した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
SP-NRSについては、副次的な評価項目16参照。
18. 毎日測定する睡眠障害-数値評価尺度(SD-NRS)の週平均のベースラインからの変化量
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
SD-NRSは、ADに関連する睡眠障害を評価する単一項目の0~10の数値評価尺度である。0 = 睡眠障害はなかった、10 = 全く眠れなかったである。
19. EASIスコアのベースラインからの変化率
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
EASIについては、主たる評価項目2参照。
20. 毎日測定するPP-NRSの週平均のベースラインからの変化率
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
PP-NRSについては、副次的な評価項目3参照。
21. 毎日測定するPP-NRSの週平均のベースラインからの変化量
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
PP-NRSについては、副次的な評価項目3参照。
22. EASI-50を達成した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
EASIについては、主たる評価項目2参照。EASI-50は、EASIスコアのベースラインから50%の減少である。
23. EASIが7以下の被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
EASIについては、主たる評価項目2参照。
24. ADの影響を受けたBSAのベースラインからの変化率
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
25. アトピー性皮膚炎重症度評価尺度(SCORAD)のベースラインからの変化率
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
SCORADインデックスは、ADの範囲及び重症度を評価する臨床ツールである。総スコアの範囲は0(なし)~103(重症)である。
26. SCORADのベースラインからの変化量
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
SCORADについては、副次的な評価項目25参照。
27. SCORADスコアのベースラインが8.7以上の被験者で、SCORADがベースラインから8.7ポイント以上減少した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
SCORADについては、副次的な評価項目25参照。
28. 患者自身による湿疹評価(POEM)のベースラインが4以上の被験者で、POEMがベースラインから4以上減少した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
POEMは、ADの症状を評価する7項目の自己評価式の質問票で、0(なし[0日])から4(過去1週間の毎日)の5段階で評価する。7項目を合計したPOEM総スコアは0(消失)~28(非常に重症)で、スコアが高いほど湿疹の重症度が高く、生活の質が低いことを示す。
29. POEMのベースラインからの変化量
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
POEMについては、副次的な評価項目28参照。
30. レスキュー薬を使用した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
31. PP-NRSがベースラインから4以上改善(減少)した被験者の割合で測定した、PP-NRSに対する効果発現までの時間
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
PP-NRSについては、副次的な評価項目3参照。
32. 外用ステロイド薬(TCS)/外用カルシニューリン阻害薬(TCI)非使用日数の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
33. 治験薬投与下で発現した有害事象(TEAE)、治験薬投与下で発現した重篤な有害事象(TESAE)及び/又は治験薬投与下で発現した特に注目すべき有害事象(AESI)を発現した被験者の割合
[評価期間:ベースラインからWeek 52まで]
34. 血清中amlitelimab濃度
[評価期間:ベースラインからWeek 52まで]
35. Amlitelimab抗薬物抗体(ADA)の発現割合
[評価期間:ベースラインからWeek 52まで]
36. 36週間の投与期間中に、vIGA-ADが0(消失)又は1(ほぼ消失)、かつベースラインから2ポイント以上減少した被験者の割合で測定した、vIGA-ADに対する効果発現までの時間
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
vIGA-ADについては、主たる評価項目1参照。
37. 36週間の投与期間中に、EASIスコアがベースラインから75%以上減少した被験者の割合で測定した、EASIに対する効果発現までの時間
[評価期間:ベースラインからWeek 36まで]
EASIについては、主たる評価項目2参照。
フェーズ3: 多くの実際の患者さんが対象
SAR445229(Amlitelimab)、プラセボ、外用ステロイド薬、タクロリムス水和物、ピメクロリムス
なし、なし、指定なし、指定なし、なし
サノフィ株式会社
東京都新宿区西新宿三丁目20番2号 東京オペラシティタワー
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