企業治験
小児の重症クローン病患者に対するベドリズマブ静注製剤の維持療法の効果と安全性を調べるための第3相試験
目的
この治験は、クローン病の小児患者を対象に、ベドリズマブという治療法が効果があるかどうかを評価することが目的です。
対象疾患
参加条件
この治験に参加できる人は、2歳以上17歳以下の男女です。治療がうまくいかない中等症から重症の活動期CDを持っている人で、ステロイドや免疫調節薬、抗腫瘍壊死因子α(TNF-α)抗体などの薬を試しても効果がない人が対象です。また、治験前12ヵ月以内に大腸内視鏡検査が陰性であることが必要です。治験に参加する前に、生ワクチン接種を受けたり、重大な神経学的疾患の既往歴がある人、感染症に罹患した人、異形成が確認された人、Clostridium difficile感染陽性の人などは除外されます。
治験内容
この治験は、クローン病という病気に対する新しい治療法を調べるものです。治験のフェーズは3で、治験薬の効果や安全性を調べるために、患者さんを対象に行われます。 治験の主な評価方法は、患者さんの病気の状態を測るためのスコアを使っています。Pediatric Crohn's Disease Activity Index(PCDAI)スコアというもので、小児用に特別に設計されたものです。このスコアが10以下になると、病気が治まっていると判断されます。また、内視鏡的な検査も行い、病気の状態を詳しく調べます。 治験の結果、患者さんの病気が改善した割合や、治療法の安全性について調べます。また、治験薬の血中濃度や、副作用の発生状況も調べます。 治験に参加する患者さんには、治験薬を投与することがあります。治験薬によっては、副作用が出ることがあります。治験責任医師や治験コーディネーターが、患者さんの健康状態を常に監視し、必要な処置を行います。 治験の結果は、新しい治療法の開発に役立ちます。治験に参加することで、患者さん自身も治療法の開発に貢献することができます。
AI 要約前の参加条件
介入研究
主要結果評価方法
1. 54週目のPediatric Crohn's Disease Activity Index(PCDAI)スコアが10以下と定義された臨床的寛解を認めた被験者の割合
評価期間:54週
臨床的寛解はPediatric Crohn's Disease Activity Index(PCDAI)スコアが10以下と定義する。PCDAIは小児用に特別に設計されたものである。PCDAIには小児特有の項目、身長の成長速度及び3つの臨床検査パラメータ[ヘマトクリット(年齢及び性別で調整)、赤血球沈降速度(ESR)及びアルブミン]が含まれている。PCDAIスコアの範囲は0から100で、スコアが高いほど疾患活動性が高いことを示す。スコアが10未満の場合は非活動期、11~30の場合は軽症、30超の場合は中等症/重症であることを示す。12.5ポイントの減少を改善とみなす。
2. 54週目のクローン病の簡易版クローン病内視鏡所見スコア:Simple Endoscopic Score for Crohn's Disease(SES-CD)スコアに基づく内視鏡的改善を認めた被験者の割合
評価期間:54週
内視鏡的改善はSES-CDスコアがベースラインから50%以上低下した者と定義する。全体のSES-CDスコアの範囲は0から56であり、5つの部位(直腸、下行結腸、S状結腸、横行結腸、上行結腸、回腸)における4つの変数(潰瘍の大きさ[cm]、潰瘍面積、その他の病変面積[%]及び狭窄の有無)の合計である。各評価項目は重症度に基づいて0から3の範囲でスコア化され、0は「なし」又は「重度ではない」、3は「最も重度」であり、各評価項目のスコアの合計は狭窄の有無を除き、0から15の範囲となる。狭窄の程度のスコアが3(大腸内視鏡が通過できない)は、腸の各区分で一度しか観察できないため、狭窄の有無の範囲は0から11である。部位ごとのSES-CDスコアは、各部位の4つの評価項目の合計であり、0~12の範囲である(各評価項目スコアの範囲は0~3)。
第二結果評価方法
1. 14週目のPCDAIスコア及びSES-CDスコアに基づく臨床的かつ内視鏡的寛解を認めた被験者の割合
評価期間:14週
臨床的かつ内視鏡的寛解とは臨床的かつ内視鏡的寛解を認めた者である。臨床的寛解はPCDAIスコアが10以下と定義する。内視鏡的寛解はSES-CDが4以下で、ベースラインから2ポイント以上減少が認められ、かつサブスコアで1超がないことと定義する。
2. 54週目のPCDAIスコア及びSES-CDスコアに基づく臨床的かつ内視鏡的寛解を認めた被験者の割合
評価期間:54週
臨床的かつ内視鏡的寛解とは臨床的かつ内視鏡的寛解を認めた者である。臨床的寛解はPCDAIスコアが10以下と定義する。内視鏡的寛解はSES-CDが4以下で、ベースラインから2ポイント以上減少が認められ、かつサブスコアで1超がないことと定義する。
3. 54週目の臨床的かつ内視鏡的持続寛解を認めた被験者の割合
評価期間:54週
臨床的かつ内視鏡的持続寛解とは、14週目及び54週目にPCDAIスコア及びSES-CDスコアに基づき臨床的かつ内視鏡的寛解を達成した者である。臨床的寛解はPCDAIスコアが10以下と定義する。内視鏡的寛解はSES-CDが4以下で、ベースラインから2ポイント以上減少が認められ、かつサブスコアで1超がないことと定義する。
4. 54週目のPCDAIスコアに基づくステロイドフリー寛解を認めた被験者の割合
評価期間:54週
ステロイドフリー寛解とは、54週目の少なくとも12週間以上前からステロイドの投与を中止し、54週目にPCDAIスコアに基づく臨床的寛解を達成した者である。臨床的寛解はPCDAIスコアが10以下と定義する。
5. 14週目のSES-CDスコアに基づく内視鏡的持続寛解を認めた被験者の割合
評価期間:14週
内視鏡的持続寛解とは、SES-CDが4以下で、ベースラインから2ポイント以上の減少が認められ、かつサブスコアで1超がない者である。
6. 54週目のSES-CDスコアに基づく内視鏡的持続寛解を認めた被験者の割合
評価期間:54週
内視鏡的持続寛解とは、SES-CDが4以下で、ベースラインから2ポイント以上の減少が認められ、かつサブスコアで1超がない者である。
7. 14週目のPCDAIスコアに基づく臨床的持続寛解を認めた被験者の割合
評価期間:14週
臨床的持続寛解とは14週目及び54週目に臨床的寛解を達成した者である。臨床的寛解はPCDAIスコアが10以下と定義する。
8. 54週目のPCDAIスコアに基づく臨床的持続寛解を認めた被験者の割合
評価期間:54週
臨床的持続寛解とは14週目及び54週目に臨床的寛解を達成した者である。臨床的寛解はPCDAIスコアが10以下と定義する。
9. ベドリズマブの血清中トラフ濃度の推移
評価期間:投与前及び投与後の複数の時点(54週まで)
10. 抗ベドリズマブ抗体(AVA)陽性を示した被験者の割合
評価期間:投与前(投与後54週まで)
11. AVA中和抗体価陽性を示した被験者の割合
評価期間:投与前(投与後54週まで)
12. 14週目のPCDAIスコアに基づく臨床的持続改善を認めた被験者の割合
評価期間:14週
臨床的持続改善とは、PCDAIが30未満であり、かつベースラインから15ポイント以上の減少が認められる者である。
13. 54週目のPCDAIスコアに基づく臨床的持続改善を認めた被験者の割合
評価期間:54週
臨床的持続改善とは、PCDAIが30未満であり、かつベースラインから15ポイント以上の減少が認められる者である。
14. 2、6、10、14、22、30、38、46及び54週目の臨床的寛解を認めた被験者の割合
評価期間:2、6、10、14、22、30、38、46及び54週
臨床的寛解はPCDAIスコアが10以下と定義する。PCDAIは小児用に特別に設計されたものである。
15. 2、6、10、14、22、30、38、46及び54週目のベースラインからの臨床的改善
評価期間:ベースライン、2、6、10、14、22、30、38、46及び54週
臨床的改善とはPCDAIが30未満かつPCDAIがベースラインから15ポイント以上の減少が認められた者である。
16. 有害事象、重篤な有害事象、特に注目すべき有害事象の発現した被験者の割合
評価期間:治験薬の初回投与後~投与日の各投与前から72週目まで
有害事象とは、医薬品(治験薬を含む)が投与された患者又は被験者に生じたあらゆる好ましくない医療上のできごとであり、必ずしも当該医薬品(治験薬を含む)の投与との因果関係が明らかなもののみを示すものではない。有害事象とは、医薬品(治験薬を含む)が投与された際に起こる、あらゆる好ましくない、
あるいは意図しない徴候、症状又は病気のことであり、当該医薬品(治験薬を含む)との因果関係の有無は問わない。重篤な有害事象とは、治験薬(投与量に係わらない)が投与された際に生じたあらゆる好ましくない医療上のできごとのうち、次のものをいう:死に至るもの、生命を脅かすもの、入院又は入院期間の延長が必要となるもの、永続的又は顕著な障害若しくは機能不全に陥るもの、先天異常をきたすもの、その他の医学的に重要な医学的事象である。特に注目すべき有害事象(重篤か否かは問わない)とは、当該治験薬又は治験特有の、科学的及び医学的に懸念される事象である。治験責任医師又は治験分担医師は、これを継続的に監視し、発現した際には速やかに連絡する。特に注目すべき有害事象は進行性多巣性白質脳症(PML)等の日和見感染、肝損傷、悪性腫瘍、注入に伴う反応及び過敏症を含む。
17. ベースラインからの体重変化
評価期間:ベースライン、54週まで
ベースラインからの体重変化は54週目までの各来院時の体重とベースライン時の差分で算出する。
18. 直線的発育速度zスコアのベースラインからの変化量
評価期間:ベースライン、54週まで
直線的発育速度zスコアのベースラインからの変化量は、(測定値 - 参考集団における中央値)/ 参考集団における標準偏差で算出する。
19. 54週目のTanner stage Vを認めた被験者の割合
評価期間:54週
Tanner stageとは、外部からわかる第一次性徴及び第二次性徴における性的発達の物理的測定値を評価するための尺度である。Tanner stageは、乳房(女性)及び外性器(男性)及び陰毛(両性)の発達を、5つのステージ(ステージI:思春期前/思春期前の特徴~ステージV:成熟/成人の特徴)で評価するものである。
治験フェーズ
フェーズ3: 多くの実際の患者さんが対象
利用する医薬品等
一般名称
MLN0002
販売名
エンタイビオ点滴静注用300mg
実施組織
武田薬品工業株式会社
大阪府大阪市中央区道修町四丁目1番1号
同じ対象疾患の治験
- 小児クローン病患者に対する新薬ミリキズマブの効果を調べる、多数の病院で行われる第III相ランダム化試験
- 小児クローン病におけるIL-23 p19阻害剤の効果を調べる、大規模な共同試験
- 炎症性腸疾患患者の自己ケアをオンライン看護で支援する治験
- 小児の潰瘍性大腸炎やクローン病に対する、ベドリズマブ静注製剤の安全性を長期間調べる治験
- 中等症~重症の潰瘍性大腸炎又はクローン病の成人患者を対象に、44週間にわたる長期投与試験(RELIEVE UCCD LTE)により、TEV-48574の薬効、安全性、忍容性を評価する二重盲検の治験
- 中等症~重症の潰瘍性大腸炎又はクローン病の成人患者を対象に、新薬TEV-48574の効果や安全性を調べる14週間の治験(RELIEVE UCCD)
お医者さまへ
治験の詳細を確認し、患者の方に合致しているかを診断してください
ご確認後、連絡が適切だと判断された場合は上記のお問い合わせ情報から担当の方にご連絡ください
治験を募集している方ですか?
Kibou は治験の募集・情報提供をすることを目的としたプラットフォームです。 治験情報の提供や、被験者の募集について詳しい資料の請求はお問い合わせフォームからお問い合わせください。