中等症から重症の活動期にある潰瘍性大腸炎を有する小児患者を対象とした経口CP-690,550(トファシチニブ)の寛解導入および維持非盲検試験(治験実施計画書番号:A3921210)
目的
小児UC治験参加者の寛解状態に基づき,トファシチニブの有効性を評価すること。
同じ対象疾患の治験
(31件)- ・カログラ®錠120 mg 特定使用成績調査
- ・小児患者(2 歳以上,18 歳未満)を対象にウステキヌマブを検討する第3 相多施設共同,非盲検,長期継続投与バスケット試験
- ・既存治療で効果不十分な中等症又は重症の活動性潰瘍性大腸炎の小児患者を対象としてオザニモド(RPC1063)を経口投与したときの有効性、安全性、薬物動態及び薬力学を評価する第2/3相多施設共同ランダム化二重盲検試験
- ・中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象としてefavaleukin alfaによる寛解導入療法の安全性及び有効性を評価する第II相、用量設定、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同試験
- ・Wireless motility/pH capsuleを使用した健常者及び潰瘍性大腸炎患者の全消化管pHと運動性の比較
参加条件
性別
男性・女性
年齢
2歳 以上17歳 以下
選択基準
・同意文書/アセントに署名および日付が記入されていること
・2 歳以上18 歳未満かつ体重が10 kg 以上の男性および女性
・潰瘍性大腸炎(UC)と一致する大腸の炎症を裏付ける病理報告書を入手でき,ベースラインの12 週間以上前からUC の臨床診断を受けている治験参加者。診断を裏付ける生検報告書が保管されていなければならない。
・6 歳未満でUC と診断された治験参加者は,超早期発症型炎症性腸疾患(VEO IBD)の検査を受け,VEO IBD に関連する単一遺伝子疾患に罹患していないこととする
・中等症から重症の活動期にあるUC 治験参加者[スクリーニング時の大腸内視鏡検査でMayo スコアの合計が6 点以上,直腸出血スコアが1 点以上および内視鏡サブスコア(Mayo)が2 点以上により定義]
・ベースライン時のPediatric Ulcerative Colitis Activity Index(PUCAI)スコアが35 点以上の治験参加者
・異形成または結腸癌の既往歴がない治験参加者
・未治療もしくは治療不十分の活動性もしくは潜在性結核感染の徴候もしくは既往歴がない治験参加者
・米国以外の国の場合:以下の1 つ以上の治療の効果が不十分であったまたは不耐容であった,あるいは以下の治療が医学的に禁忌である治験参加者:
-経口または静脈内ステロイド
-アザチオプリンまたは6-メルカプトプリン
-抗TNF 薬または抗インテグリン薬
除外基準
・分類不能大腸炎,孤立性直腸炎,顕微鏡的大腸炎,感染性大腸炎,クローン病と診断された治験参加者またはクローン病を示唆する臨床所見が認められる治験参加者
・症候性閉塞性腸狭窄またはストーマ造設の既往歴がある治験参加者,結腸切除,広範な小腸切除(100 cm 超)または短腸症候群の既往歴がある治験参加者,ベースライン来院前4 週間以内にUC に関連する理由で入院した治験参加者
・静脈血栓塞栓症のリスクに関連する可能性のある因子または臨床的特徴があり,治験参加または治験薬投与によってリスクが増大する可能性がある,または治験結果の解釈に影響を及ぼす可能性があり,治験責任医師が本治験への参加を不適切と判断した治験参加者
・トファシチニブまたは他のJAK 阻害剤の投与歴がある治験参加者
・治験薬の初回投与前6 週間以内に生ワクチンまたは弱毒化ワクチンの接種を受けた治験参加者,または治験薬の投与期間中および治験薬投与中止後6 週間,ワクチンの接種またはワクチン接種を受けた人との家庭内接触が予測される治験参加者
・ベースライン来院前の規定した期間内に以下のの治療を受けている治験参加者:ベースライン前4 週間以内のAZA,6-MP,メトトレキサート,チオグアニン,インフリキシマブ,アダリムマブ,ゴリムマブ,インターフェロン療法,シクロスポリン,ミコフェノール酸,タクロリムス,ステロイドの静脈内・直腸内投与,ナタリズマブ,ベドリズマブ,他の抗接着分子薬,他の治験薬
・ベースライン前6 ヵ月以内に,選択的リンパ球,単球または顆粒球吸着除去療法を含む白血球吸着除去療法または血漿交換療法を受けた治験参加者
・治験薬の初回投与前の規定の期間に中等度から強力なCYP3A 誘導剤もしくは阻害剤などの併用禁止薬の投与を受けている治験参加者,または本治験期間中にこれらの併用禁止薬の投与が予期される治験参加者
・下痢を抑制するための腸運動抑制薬(ジフェノキシレート塩酸塩とアトロピン硫酸塩の併用またはロペラミド)の長期および頻繁な使用を必要とする治験参加者
・・ベースライン前6 ヵ月以内に胆嚢切除などの腸の手術歴がある治験参加者,ベースライン前3 ヵ月以内に虫垂切除術の手術歴ある治験参加者,スクリーニング来院前4 週間以内に重大な外傷または大手術を受けた治験参加者
・スクリーニング時の臨床検査で以下の異常値が認められた治験参加者:ヘモグロビンが9.0 g/dL 未満,絶対白血球数が3000/mm3未満,絶対好中球数が1200/mm3未満,絶対リンパ球数が750/mm3未満,血小板数が100,000/mm3未満と定義される血小板減少症,推算糸球体濾過量が40 mL/min/1.73 m2 以下,総ビリルビン,アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼまたはアラニンアミノトランスフェラーゼが基準値上限の1.5 倍超
・スクリーニング時の便検査で,腸内病原菌,病原寄生虫卵または病原寄生虫またはC. difficile 毒素が陽性であった治験参加者
・ヒト免疫不全ウイルス,B 型肝炎ウイルスまたはC 型肝炎ウイルスに感染している治験参加者
・2 回以上の帯状疱疹(HZ)の既往歴,1 回以上の播種性HZ または播種性単純ヘルペスの既往歴がある治験参加者
・リンパ増殖性疾患の既往歴があるまたは現在症状が認められる治験参加者[例えば,エプスタイン・バーウイルス(EBV)によるリンパ増殖性疾患,リンパ腫,白血病,骨髄増殖性疾患,多発性骨髄腫,または現在のリンパ系疾患を示唆する徴候および症状]
・臨床的に意義のある感染症を現在発症している,もしくはベースライン前3 ヵ月以内に発症した治験参加者(例えば,入院または非経口抗菌薬療法を必要とする治験参加者,もしくは日和見感染症),ベースライン前2 週間以内に抗菌薬療法を必要とする感染症の既往歴を有する治験参加者,または治験責任医師が本治験への参加により悪化する可能性があると判断した感染症の既往歴がある治験参加者
・何らかの悪性腫瘍(ただし,適切に治療されたか切除された非転移性の皮膚基底細胞癌もしくは皮膚扁平上皮癌を除く)を有する治験参加者またはその既往歴がある治験参加者
・本治験の実施に直接関わっている治験実施医療機関のスタッフおよびその親類縁者,治験責任医師から指示を受けている治験実施医療機関のスタッフ,あるいは本治験の実施に直接関わっている治験依頼者の社員およびその親類縁者
・本治験組み入れ前2 ヵ月以内または治験期間中に治験薬を使用する他の治験に参加する者
・その他の急性または慢性の医学的あるいは精神的状態(直近1 年以内あるいは現時点での自殺念慮あるいは自殺行動を含む)や臨床検査値異常があり,治験参加や治験薬投与により危険性が増す可能性や治験結果の解釈に影響を及ぼす可能性がある治験参加者,あるいは治験責任医師が本治験への参加を不適切と判断した治験参加者
・妊婦。授乳婦。子供をもうけることができる妊娠可能な女性治験参加者で,治験期間中および電話による追跡調査来院まで,本治験実施計画書で概略を示した1 種類の効果の高い避妊法を使用する意思のない者,または使用することができない者
治験内容
介入研究
主要結果評価方法
・維持期の第44週時における中央判読による内視鏡サブスコアを用いたMayoスコアに基づく寛解:Mayo スコアが2 点以下で,個々のサブスコアが1 点を超えておらず,直腸出血サブスコアが0 点の状態と定義する。
第二結果評価方法
・Mayo スコアによる反応(寛解導入期の第8 週時または第16 週時,維持期の第44 週時): Mayo スコアがベースラインから3 点以上,30%以上低下し,かつ直腸出血サブスコアが1 点以上低下したかまたは直腸出血サブスコアの絶対値が0 点または1 点である状態と定義する。
・Mayo スコアによる寛解(寛解導入期の第8週時または第16 週時,維持期の第44 週時)
治験実施医療機関および中央での判読に基づくMayo スコアによる寛解(寛解導入期の第8週時または第16 週時),治験実施医療機関での判読に基づくMayo スコアによる寛解(維持期の第44 週時)
・Mayo スコアのベースラインからの変化量(寛解導入期の第8 週時または第16 週時,維持期の第44 週時)
・部分Mayo スコアによる反応:部分Mayo スコアがベースラインから2 点以上低下した状態と定義する。
・部分Mayo スコアのベースラインからの変化量
・PUCAI スコアによる反応:PUCAI スコアが20 点以上低下した状態と定義する。
・PUCAI スコアによる寛解:PUCAI スコアが10 点未満の状態と定義する。
・PUCAI スコアのベースラインからの変化量
・内視鏡的改善(寛解導入期の第8 週時または第16 週時,維持期の第44 週時):Mayo 内視鏡サブスコアが0 点または1 点である状態と定義する。
・内視鏡的寛解(寛解導入期の第8 週時または第16 週時,維持期の第44 週時):Mayo 内視鏡サブスコアが0 点である状態と定義する。
・再燃までの時間(維持期および継続投与期)
・便中カルプロテクチン値のベースラインからの変化量
・高感度C 反応性蛋白(hs-CRP)値のベースラインからの変化量
・部分Mayo スコアによるステロイドフリー寛解:来院前4 週間以上,ステロイドによる治療を必要としない寛解状態と定義する。
・血漿中濃度(ベースライン,寛解導入期の第8 週時または第16 週時,維持期の第16 週時,維持期の第44 週時)
・トファシチニブ経口液剤の味の許容性およびトファシチニブフィルムコーティング錠の味の許容性評価(第2 週時)
利用する医薬品等
一般名称
トファシチニブ
販売名
ゼルヤンツ錠5mg
組織情報
同じ対象疾患の治験
(31件)- ・カログラ®錠120 mg 特定使用成績調査
- ・小児患者(2 歳以上,18 歳未満)を対象にウステキヌマブを検討する第3 相多施設共同,非盲検,長期継続投与バスケット試験
- ・既存治療で効果不十分な中等症又は重症の活動性潰瘍性大腸炎の小児患者を対象としてオザニモド(RPC1063)を経口投与したときの有効性、安全性、薬物動態及び薬力学を評価する第2/3相多施設共同ランダム化二重盲検試験
- ・中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象としてefavaleukin alfaによる寛解導入療法の安全性及び有効性を評価する第II相、用量設定、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同試験
- ・Wireless motility/pH capsuleを使用した健常者及び潰瘍性大腸炎患者の全消化管pHと運動性の比較