この治験は、直腸がんの患者に対して、手術前に化学放射線療法と化学療法を行い、その安全性や治療効果を調べるものです。また、手術後の病理学的効果や患者の生存率や生活の質についても調べます。
この治験に参加できる人は、20歳以上で男性でも女性でも構いません。参加条件には、直腸癌であることが確認された人や、原発巣の下端が肛門縁から0-12cmである人、c-StageⅡまたはⅢの症例などが含まれます。また、手術療法の既往歴がなく、化学療法や放射線照射の既往もない人、主要臓器機能が保たれている人、そして妊娠する可能性のある女性は、治療薬最終投与後少なくとも7週間避妊に同意する必要があります。研究参加について本人から文書にて同意が得られている人が参加できます。一方、活動性の重複がんを有する人や、妊娠中・妊娠の可能性がある、または授乳中の女性、結腸・直腸癌の既往がある人、末梢性感覚ニューロパチーを有する人、全身治療を要する感染症を有する人、コントロール困難な虚血性心疾患、狭心症、高血圧、または不整脈を有する人、精神障害の既往のある人、HBs-Ag陽性、HIV-1抗体陽性、HIV-2抗体陽性、HTLV-1抗体陽性、HCV 抗体陽性、HBs-Ab陽性 またはHBc-Ab陽性でHBV-DNA 陽性の場合、その他本研究への参加が不適当と判断された人は参加できません。
この治験は、直腸癌の治療方法を研究するものです。治験のタイプは介入研究で、フェーズ2の段階にあります。主要な結果評価方法は、化学放射線療法と術前化学療法後の完全奏効割合です。また、治療中の安全性や完遂率、術後の合併症の割合、手術の成功率など、様々な評価方法があります。さらに、予後やQOL(生活の質)についても評価します。治験に参加することで、直腸癌の治療方法の改善に貢献できるかもしれません。
介入研究
化学放射線療法+術前化学療法後の完全奏効割合(pCR+cCRの割合)
① 術前療法の安全性/完遂率治療中臨床的増悪率、術後30日以内合併症の割合、cCRの割合、R0切除割合、CRM陽性割合
② 適格例における予後、プロトコール完遂例における予後(全生存期間、無病生存期間、3年累積局所再発割合)
③ 手術症例における予後(全生存期間、無病生存期間、3年累積局所再発割合、ステージ別の全生存期間、無病生存期間、3年累積局所再発割合)
④ Watch and Wait症例の予後(全生存期間、無病生存期間、3年累積局所再発割合、救済手術割合、救済手術後の無病生存期間、3年累積局所再発割合)
⑤ QOL(生活満足度、末梢神経、排便)、累積人工肛門造設割合、術後3年以内吻合部合併症の割合
フェーズ2: 少数の軽度な患者さんが対象
オキサリプラチン、カペシタビン
オキサリプラチン点滴静注液「NK」等、カペシタビン錠「ヤクルト」、ゼローダ、カペシタビン錠「サワイ」等
北海道大学病院
北海道北海道 札幌市北区北1 5 条西7 丁目
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