この治験は、心不全で入院している患者に対して、サクビトリルバルサルタンという薬の効果を検証するものです。標準治療と比較して、NT-proBNPという指標を使って効果を評価します。
この治験に参加するための条件は、20歳以上で男性でも女性でも参加できます。参加する前に、本人が文書で同意する必要があります。心不全の症状があり、入院している患者で、ACE阻害薬またはARBを服用している人が対象です。また、血圧や利尿薬の増量、血管拡張薬や強心薬の投与などの安定基準を満たしている必要があります。さらに、ナトリウム利尿ペプチドの基準値も満たす必要があります。ただし、サクビトリルバルサルタンを服用している人や、過去に薬剤に対する過敏症の既往がある人、腎機能障害や肝機能障害、心原性ショック、心肺補助装置や人工呼吸器を装着している人、心臓移植待機中の人、妊娠中または授乳中の人などは参加できません。研究責任医師または分担医師が不適当と判断した場合も参加できません。
この治験は、心不全症状やうっ血兆候を伴う心不全増悪を対象とした介入研究で、治療の効果を調べるものです。治療を始めてから4週や8週後の検査結果や体調の変化、再入院や死亡などのイベントの発生頻度や時間などを評価します。治療によって、心不全の症状が改善されるかどうかを調べることが目的です。
介入研究
ベースラインと比較したプロトコール治療開始後8週における幾何平均NT-proBNPの変化率の群間比
1.ベースラインと比較したプロトコール治療開始後4週における幾何平均NT-proBNP変化率の群間比
2.プロトコール治療開始後8週におけるNT-proBNP値がベースラインから50%以上低下した症例の割合
3.プロトコール治療開始後4週におけるNT-proBNP値がベースラインから30%以上低下した症例の割合
4.プロトコール治療開始後4週と8週における平均NT-proBNP値がベースラインから40%以上低下した症例の割合
5.プロトコール治療開始後8週における心筋トロポニンT、CRP、GDF-15、可溶性ST2、グリコアルブミン、1.5AGのベースラインからの変化量・変化率
6.プロトコール治療開始後4週および8週における体重、BMI、血圧、脈拍数、臨床検査値、NYHAクラスのベースラインからの変化量・変化率
7.プロトコール治療開始後8週における心臓超音波検査による心機能指標(LVEDV、 LVESV、LVEF、septal e’、lateral e’、僧帽弁口血流速波形(E)、E/e’、LVMI、LAVI、LVOT、LVOT-VTI、TR velocity、IVC、GLS、Left atrial strain (2-chamber view and 4-chamber view)のベースラインからの変化量・変化率、およびIVCにおける50%以上の呼吸性変動を有する症例の割合
8.プロトコール治療開始後8週におけるKCCQ-12のベースラインからの変化量、および5ポイント以上スコアが上昇した症例の割合
9.初回の心不全イベント[心不全増悪による以下の事象:ⅰ)予定していない再入院、ⅱ)心不全に対する静脈内治療(血管拡張薬、強心薬)の開始(入院中:再入院時は除く)、ⅲ)静脈内治療(血管拡張薬、強心薬、利尿薬)を必要とする心不全による緊急受診、ⅳ)経口利尿薬(ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、トルバプタン)の開始もしくは50%以上の投与量増加(外来)]、もしくは全死亡からなる複合事象の発現までの時間
10.再発を含む心不全イベント、もしくは全死亡からなる複合事象の発現回数と頻度
11.初回および再発の心不全イベント、全死亡および心血管死の個々の事象の発現回数と頻度および発現までの時間
12.腎機能の悪化(血清Crの50%以上の増加もしくはeGFRの30%以上の低下)、高カリウム血症(血清カリウム5.5 mEq/L以上)、症候性低血圧、血管浮腫など特定の有害事象の発現回数と発現までの時間
13.その他の重篤な有害事象の発現回数
フェーズ4: 市販薬の再調査
サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物
エンレスト®錠(Entresto® Tablets)
佐賀大学医学部附属病院
佐賀県佐賀市鍋島五丁目1番1号
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